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SEAWEST blog

同人ゲーム制作サークル「SEAWEST」(しーうぇすと)のブログです。

こんにちは、缶三郎です。

前回のブログで書いたように、創作活動を再開しています。

再開に当たり、まずは何からすべきか。
作るものを決めねばなりません。
作るものは春の日(三)と、決めました。
完全新規での新作作りたい気持ちも生じましたが、やはり一度はじめたお話は終えねばな、と。

そして次は何をすべきか。
休止前まで考えていた春の日(三)の全体像を振り返ってみました。

春の日(三)は2部構成の予定でした。
『SUMMER!』の終わりから、ドイツを舞台に小真たちとのバタバタを描く「温かな冬」編と、
昇と別れて孤独となった宮下さんを描く「冷たい冬」編です。

この2部構成ではありましたが、

もともとのシリーズ構成からするとイレギュラーなものでした。

当初の考えでは、
「春の日(一)」

『SUMMER!』の夏休み旅行部分(本来の「春の日(二)」)

昇と宮下さんとドイツ留学の座を賭けたバトルの話(本来の「春の日(三)」)

ドイツ冬の話(本来の「春の日(四)」)

という感じでした。

それが『SUMMER!』制作時にスケジュールが劇的に変わり、
本来の「春の日(三)」であった宮下さんヒロインの話を丸々カットし、

結末だけを『SUMMER!』にぶっこむという荒療治を行いました。

当時、そうすれば最短でシリーズ一区切りの「ドイツ冬の話」に取り組めると考えたゆえでした。
ただやっぱり色々と無理もありました。

いざ『SUMMER!』が終わって「ドイツ冬の話」を作ろうと思った所、
エピソードがカットされ端役に甘んじる宮下さんの不憫がふつふつと沸きあがります。

考えあぐね、結局、彼女のエピソードを「その後」という形に変えて復活させようと思い立ちました。
元来の自分の性格でいうと、宮下さんが紡いでくれる薄暗いお話の方が好みというのもありますが。

ただ宮下さんの話だけだと、暗いしあまり相手にされないかなと邪推もしました。

ならばと華やかさのあるドイツ編と抱き合わせて発表しようと思ったわけです。
そうして生まれた2部構成。
温かいお話(でも暗い)と冷たいお話(でも明るい)の温冷療法だったわけです。

おおーどっちも捨てずになんとかなったじゃないか!わっはっはっは。と安心してました。
以上が活動休止前の話です。
サークルTwitterのヘッダーにもそんな感じで書いてあります。

 

休止期間でいろいろと頭を冷やしました。

できること、できないこと。

書きたいこと、書きたくないこと。

やるべきこと、そうでもないこと。

創作から完全に離れることで、多少、創作する自分を客観的に見つめられるようになりました。

そこでもう一度、よくよく考えてみました。

 

やっぱり2部構成はうまくいかない。

というか、ドイツ編が残念ながら力及ばず面白くなりそうにない。

 

やめました。

宮下さんを中心とした話、1本に絞ることにしました。
ドイツ冬の話はなし。

前作『SUMMER!』で思わせぶりな終わり方で、続きへのご要望ももらってるのにそこを描かないのはどうなの?
という期待を裏切るような忍びなさはもちろんあります。

またドイツ編のためにつんやZephyrさんに協力してもらったことやハンナ役のANNEさんにもまたお願いしますと伝えしていることとか……
後ろめたさはいっぱいあります。

 

申し訳ないです。
でも僕は宮下さんを書きたいんです。

もちろん昇と小真の関わりがシリーズの主題となってくるので、

そこをおざなりにするつもりはありません。

宮下さんの話もサイドストーリーってわけではないのです。

 

ご理解のほど、よろしくお願いします。

こんにちは、缶三郎です。

前作の「SUMMER!/春の日に道が続く(二)」を作ってから、もうすぐ2年です。
続編の春の日(三)を作るのを休止してから、だいたい1年ほど経ちました。


続編待っていただてる方には、大変申し訳ありません。

期間がだいぶ開いてしまいました。
活動休止は、単純に僕の創作に対するやる気がゼロであったためでした。
堪忍してください。

色々あったんですよ。ペットロスとか、親の大病とか、失恋だとか。
出勤中に鳥の糞が落ちてきて白Tにべったりついたり、

デパートで買った弁当に虫が入ってたり、

エヴァが完結したり……
色々あったんです(エヴァの完結は悲しくないです)。


そりゃ創作もしたくなくなると思いませんか。
空は怖いし、弁当も怖い。

気が休まる日はなく、神経は衰弱して、とても創作どころじゃないんだー!という日々でした。
コロナのこともありますしね。

今回、重い現実がのしかかってくることで、自分という人間をよくよく意識させられまして、

気づかされたことがあります。


以前は作品至上主義を気取ってたり、作品が完成すれば死んでもいいんだ!とか、よく思ってましたが、とんでもない。
創作活動から少し距離を取ってみると、自分は全然そんなタイプじゃないことが明らかでした。

気づいてしまえば当たり前すぎて、むしろなんで今まで気づかなかったんだろうか、と自分で不思議でしょうがないほど。
恋は盲目と同じ作用でしょうか。

そうして創作に対する自分の立ち位置を少し冷静に眺められるようになりました。

それがだいたい半年前。

 

わかったところで今まで通り創作ができるかというと、

なかなかこれができそうにありませんでした。

 

なので、ここは大人しくしばらく活動休止しとこ。

と思ったのがこの半年です。


さて、そんなわけで。

前置きが長くなりましたが、
このたびぼちぼち創作活動を再開していこうかと思います。

気持ちの整理がついたというのか、

時間が経って少しずつ心のゆとりが生じてきたか。

 

どちらもあると思いますが、
やっぱり物語を書かないといかん気がする、

ぼちぼち再開しよう、

と最近は思うようになりました。


未練といえば未練です。
未練こそが僕の人生でもあります。

三つ子の魂百までなので、
創作に関しては、延々とそういう感じでやっていくと思います。


とりあえずは、春の日(三)を作らないことには先に進まないので
春の日(三)を作っていきます。

完成予定とか、どういう形式で発表するのかは全部未定ですが、
宮下さん主人公のお話です。

作為的な暗い話は嫌いなのでやりませんが、

どうしたって滲み出るうす暗さはあると思います。
 

自然なネガティブさのあるお話が見たい方、

そういうの好きな人だけ、どうぞお付き合いください。
 

僕はずっとそういう話を書いていくと思います。

こんばんは、缶三郎です。

酒飲んでます。久しぶりに深酒してます。

 

ずいぶん昔、といって3,4カ月ほど前ですが

ハルカの国の星霜編をプレイしました。

 

 

おもしろかったです。

おもしろかったので

感想を書くつもりだったし、

途中まで書いてたんですけど、

投げ出しました。

 

直接的な理由は忘れましたが、

その頃はしんどいことがいくつも重なってしまった時期で、

気力が続かなかったように思います。

 

今日はさっき、たまたまその途中まで書いてたのを発見したので、

これも何かの巡りあわせと考え、いくらか加筆修正してここに載せることにしました。

深酒クオリティです。ご容赦。

 

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星霜編、おもしろかった。越冬編、決別編に続いて良い作品だった。
端的に言えば、胸を打たれた。染みた。泣いた。
単純に作品のクオリティはめちゃくちゃ高い。よくぞここまで作り込んだなと思う。
一方でどこか浮遊感のあるストーリーでもある。
前を引き継ぎ、そして次に続いていく物語なのに、最初から最後まで行き先がぼやけている。
ハルカと別れて情熱を失ったユキカゼに向かう先はなく、あるのは行き場のない不安ばかり。
おトラやクリとのドタバタ騒ぎは楽しい日常であるけど、それが続いていく話でもない。
市井の中を生きていく悲喜こもごもを活写して、個人の想いや決意を越えて、縁に振り回されて進む物語。
暗中模索する主人公の苦悩と涙の物語。
世知辛さが実にリアル。写実とは違うリアリズム。
ユキカゼのイカヅチ、クリのトラユキ、そういうものを形にしたものなんだろうと思う。
だから、これは「僕」のための物語。
もちろん、ここでいう「僕」は、同時代に生きる同じような社会背景や感性を持つ多くの人を指す一人称だけど。
そういう意味で唯一無二だと思ったし、素晴らしき同人的な作品だ。

なので感想は、書きにくい。
下手な自分語りになってしまうし、作者への言及も多くなる。
だから酒を飲んで語り合うことにしましょうと言って、これも切ってしまおうかと思ったけれど。

果たしてそれでいいのかな、疑念が湧いてきた。
もう自分にはそう言う資格もないような気がしてきた。
水は低きに流れるもんで、すっかり負け犬根性が染みついた自分だもんで。
犬であれば、まだしっぽ振って恭順を示すだけの可愛げがあるものだけれど。
それすらないから、なんにもない。
失意だけはある。

なので、もう少し書いてみることにしました。

星霜編なにが良かったのか。正直にいうと、よくわからない。
越冬編の良さはいくらでもあげられる。桁違いの自然に圧されつつ、対比として生物の小さな営みの灯が美しい物語だ。
続く決別編も手に汗にぎるバトルあり、笑いあり、男の生き様ありで、ぐんぐんと引き込まれるストーリーが面白い。
そして星霜編……
湿っぽい物語だった。
涙、涙に暮れる物語。泣ける者も泣けない者も、みんな揃って泣いて泣いて慟哭して。そして酒を飲む。
酒と涙と謝罪ばかりの星霜編。あと、うどん。
皆、誰かに対して負い目がある。
それでも生きていかねば、闇の底で密漁してでも生きていかねばならぬ、という悲哀。
クリのように人の「国」憎しと言って、向かうべき敵も見えない。
周りの人間たちはみな優しく、けれど自分のことで手一杯な小さな人間たち。

右を見ても左を見ても辛い、辛い。
おトラのほどけ、喪失感に加えて圧し掛かるお金の問題、明日からの生活の問題。
一人枕を濡らすほかないユキカゼ、悲しみの晩。
夜が明けないことを願う晩。
わかる、その気持ちわかるぞ、ユキカゼ。

世知辛さの共感。
年取ると嫌でも思い当たることばかりで、そういうものに共感して慰めとなったのか。
それも大いにある。心によく染みた。
ただそればっかりじゃない。

屋根より高い巨大な船とどんちゃん騒ぎ。
怪物じみた赤黒い炭鉱とギトギトの坑夫たち。
するりするりとどこでも差し込まれるお化けのような株や金の話。
隣を歩く人のことなど気にも止めないビルディング、そして地震で崩れ去るビルディング。

関係ないようで、関係あるような。
あるようで、ないような。

大きな話と小さな話が折り重なった星霜編。
大きな話が象徴する時代があって、ユキカゼたちはその中のほんの小さな話の中で生きている。
その視野の行き来が、やっぱり良かったと思う。
背景としての時代ではなく、その時代のもつ生き物のような、うねりみたいなものが確かに感じられる作りだった。

時代に押し流されたり、その背に乗ったりして、ユキカゼたちは生きて行くのだな、
百年であればきっと、ずっと遠いところまで行ってしまうのだろうな、と。
悲しさ寂しさも含めて、そこでどんな景色を見せてくれるのだろうか、そういう期待を抱く作品だった。

とはいえ、きっと大きな話の中には「化け」の居場所はない。
ならどうするのか。

どうするんでしょう??
どうなるんでしょう??

次回、ユキカゼ怒りのイカヅチ大炸裂!!!
みたいな矛盾、期待してます。