寝返りを打とうとして、何かに腕を掴まれ阻まれた。もう一度試みたもののやはり動けない。確かめるために目を開けると小夜子が自分を見下ろしていた。
「さよこ?」
小夜子はなにもこたえず、ただわらっている。社は起き上がろうとして初めて自分の状態を知った。手首が縛られていてヘッドボードに括り付けられている。どうりで寝返りが打てなかったはずだ。気づいてみれば、腕をあげているせいで痺れてもいる。
「小夜子、これはなんの真似?」
「さっきはユキヒトが好きにしたから、今度は私の番。でも私の力じゃかなわないからちょっとだけ拘束させてもらったの。」
悪びれもせずわらう顔が妖艶でそそられるなんて、そんな趣味が自分にあっただろうか。とりあえず、縛られた手首を引っ張ってみるが外れそうもない。
「だめよ。外れないから。」
「ガールスカウトでもやってたのか?見事だな。」
「ふふ。まぁ、その手のことは一通りね。意外とアウトドアなのよ。」
「で、どうしたいの?」
「だから、私の好きにするの。」
小夜子は社の横に寝転がると、社の身体を探索し始めた。少しでも反応するとその場所をしつこいくらい攻めたてる。最初は抵抗していたが、徐々にそれは難しくなっていった。目の前に小夜子がいるのに触れない。小夜子は社のシャツと下着をはいているだけの格好で触れないだけに目の毒にしかならない。なまじ、その肌の味を知っているだけに触れられないことがもどかしい。しかも、あと少しというところで小夜子はやめるのだ。できることなら小夜子の中に入りたい。それがためなら、今はその暖かい手でもいい。それなのに最後が見えかけたところでやめるのだ。何度めかの後に社はたまらず懇願した。
「もっ、もう、勘弁して。」
「だめ。私がスキにするの。」
「これ以上されたら、おかしくなる。小夜子に触れたい。中に入りたい。」
社は決して女っぽくない。体格だって細身だが肩幅はしっかりとあるし、締まった腰は男としての色気がある。眼鏡男子で通っているが、外した様も整っていてハンサムだ。なのに、今の社の色気はそこらの女より数倍ましの女性的な色気だ。拘束されているからなのか、懇願させられているからなのか…。社の懇願は至極、男性的なのだが。
「だからだめ。第一、ユキヒトが全部使っちゃったから箱の中身がないのよ。」
そう言われればそうだ。あんな理性をすっ飛ばした状態でそこだけはどうにか死守した。自分で自分を褒めてあげていくらいだ。だからといってこの状態が辛いのは変わらない。
「なら、せめて、これ、外して、小夜子に触れたい…。」
「どうしようかしら?」
小夜子は小首を傾げて思案顔をして見せたが、外す気がないのは明らかだ。
「キス…キスして」
あまりの切なげな声に小夜子が折れた。社を跨ぐように四つ這いになるとそっとキスをした。すぐに顔をあげ『これで我慢しなさい』といいたげに見下ろす。そんなキスで今の社に満足できるわけがない。
「もっと…。」
社は片肘をつき、どうにか身を起こそうとした。「仕方ないわね」と小夜子はもう一度キスをした。今度はさっきよりも長く深く。ほんの少しの油断、深く侵入した舌に警戒が薄れた隙を逃さず社は身体を反転させた。手首は拘束されたままだが小夜子の上にいる。小夜子の顔の横に肘をつき息をつかせる間もなく唇を貪る。唇が小夜子の身体をなぞりたくて下へ向かおうとしたところで手首の拘束に阻まれた。
「くそっ!」
社の舌打ちに小夜子はニンマリする。その顔は社を煽るのに十分だった。膝で膝をわり脚の間に身体を滑りこませ、キスをしながら膝で少しずつ小夜子を押し上げていく。いつしか、小夜子はヘッドボードに寄りかかるように座らせられていた。そこまでいけば社の唇は胸に届く。待ち焦がれた肌はいつもより余計に甘い。ふと自分がつけた鬱血痕が目についた。「ごめん」とつぶやいてそれぞれの痕に優しいキスをする。痕は消えないけれど優しいキスは小夜子の嗜虐心を消していく。小夜子が社の背中に腕を回した。社はその温もりに安堵して甘くねだる。
「ちゃんと触れたい。ねっ?ほどいて。」
「でも…もうないし。」
行きつく先がわかっている小夜子はためらってしまう。
「大丈夫だから、わかってるから。」
優しいキスに説得されて小夜子は拘束をといた。その後、二人はゆっくりと手と口でお互いを愛した。
とりあえずアップしてみて削除されたら考えます...
削除されたらどうしましょう?
これって表でいけるかしら?
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