さて、特別国民体育大会も終了し、いよいよ2023/24V.LEAGUE Divions1の開幕が迫ってきました!
今年は、10月21日(土)・22日(日)の佐賀大会を皮切りに、その翌週から一気に全チームがリーグ戦に突入する予定となっています(岡山シーガルズは、10月28日(土)・29日(日)の岡山大会が開幕戦になりますね)。
そこで、今季開幕を目前に、開幕までに間に合うかどうか分かりませんが、ここ数年の毎年の例にならって、Division1に属する12チームのメンバー構成を中心に、個人的見解に基づく各チームの力具合などを見てみようかと思います。
その前に、[2023/24V.LEAGUE Divison1の大会方式]を確認しておきますと、
今季は、10月21日(土)~2月11日(日)までの間に2回戦総当たりのレギュラーラウンド(RR)を行い、その上位6チームが2月24日(土)~3月3日(日)までの間のファイナルステージに進出することとされています。
そして、ファイナルステージのやり方は少し変則的になっていますが、
ファイナルステージに進出した6チームのうち、RR4~6位の4チームがクオーターファイナル(RR3位vsRR6位、RR4位vsRR5位の準々決勝)を行い(負けたチームは、5位6位決定戦を行う)、
そこで勝った2チームが、RR1位とRR2位のチームとセミファイナル(準決勝)を行い(負けたチームは、3位4位決定戦を行う)、
そこで勝った2チームがファイナル(決勝戦)を行う、という形式になっています。
https://www.vleague.jp/season/outline/744
https://www.vleague.jp/common/files/2023/schedule_women_v1.pdf
なお、今季の大きな特徴として、レギュラーラウンドの成績は、勝ち数基準ではなく、勝率基準(勝率→勝ち点→セット率→得点率)で決せられることとされています。
なお、今季は、来季から新大会方式になることが予定されているため、チャレンジマッチは行わないこととされています。
https://www.vleague.jp/season/outline/744
以上が、今季V1リーグの大会概要ですが、今季は、それとは別に、3年ぶりに、3月9日(土)~4月7日(日)までの間、V Cupが開催されることが予定されています。
[2023/24 V.LEAGUE Divison1 V Cupの大会概要]については、さほど複雑ではありませんが、
まずは、V1リーグの12チームが、主として本拠地を基準とした東西のの2つのグルーブ(A、Bグルーブ)に分かれ、各グルーブ内で、1回戦総当たりの予選ラウンドを行います。
*Aグループ・・・NEC、埼玉上尾、デンソー、日立、PFU、KUROBE
*Bグループ・・・東レ、久光、JT、トヨタ車体、岡山、アランマーレ
そのうえで、予選ラウンドの各グループ上位2チームがファイナルラウンドに進出し、たすき掛け的にセミファイナル(準決勝)を行い、その勝者がファイナル(決勝戦)を行うという方式です(セミファイナルの敗者は3位決定戦を行います)。
なお、V Cupの予選ラウンドの順位決定方式も、勝率基準(勝率→勝ち点→セット率→得点率)によるとのことです。
https://www.vleague.jp/season/outline/744
以上を前提に、今季V1リーグに属する12チームについて、見ていきたいと思います。
なお、昨季の類似の記事は、下記に記載しています。
「2022/23V.LEAGUE Division1 概観①(KUROBE・姫路・トヨタ車体)」
https://ameblo.jp/seagullsfan/entry-12769490493.html
「2022/23V.LEAGUE Division1 概観②(岡山・PFU・日立)」
https://ameblo.jp/seagullsfan/entry-12769769914.html
「2022/23V.LEAGUE Division1 概観③(デンソー・埼玉上尾・NEC)」
https://ameblo.jp/seagullsfan/entry-12770111041.html
「2022/23V.LEAGUE Division1 概観④(東レ・JT・久光)」
https://ameblo.jp/seagullsfan/entry-12770258128.html
また、今季、2023/24季の日程概要については、下記記事に記載しています。
「2023/24V.LEAGUE Division1 日程・大会概要 発表!!」
https://ameblo.jp/seagullsfan/entry-12808878197.html
昨季は、チャレンジマッチでプレステージ・インターナショナルアランマーレがヴィクトリーナ姫路に勝利し、V1リーグに昇格を果たしました。
そのため、以下では、今季V1リーグに属する12チームについて、新規参入のアランマーレから順に、昨季V1リーグで下位となったチームから見てみようと思います。
なお、昨季のV1リーグの最終順位は、以下のようになっていました。
https://www.vleague.jp/round/detail/333
https://www.vleague.jp/round/detail/338
https://www.vleague.jp/round/detail/339
1位 NECレッドロケッツ(前季4位、前々季3位)
2位 東レアローズ(前季3位、前々季2位)
3位 久光スプリングス(前季1位、前々季8位)
4位 埼玉上尾メディックス(前季5位、前々季5位)
5位 JTマーヴェラス(前季2位、前々季1位)
6位 デンソーエアリービーズ(前季6位、前々季4位)
7位 日立Astemoリヴァーレ(前季7位、前々季7位)
8位 トヨタ車体クインシーズ(前季10位、前々季11位)
9位 PFUブルーキャッツ(前季8位、前々季9位)
10位 KUROBEアクアフェアリーズ(前季12位、前々季12位)
11位 岡山シーガルズ(前季9位、前々季6位)
圏 外 プレステージ・インターナショナルアランマーレ (昨季V2リーグ1位、昨季チャレンジマッチでヴィクトリーナ姫路に勝利→V1リーグ昇格)
12位 ヴィクトリーナ姫路(前季11位、前々季10位、昨季チャレンジマッチでアランマーレに敗戦→V2リーグ降格)
以下、この記事では、プレステージ・インターナショナルアランマーレ、岡山シーガルズ、KUROBEアクアフェアリーズの3チームについて、見てみます。
1.プレステージ・インターナショナルアランマーレ(昨季V2リーグ優勝)
(Vリーグ登録選手)
https://www.vleague.jp/women/team_detail/457
(チームサイト選手紹介ページ)
https://www.aranmare.jp/volleyball/profile/
1 オケケアル・メソマチ 選手(OH/183cm/高知中央高校/ナイジェリア)
2 前田美紅 選手(OH/170cm/岐阜協立大学)
3 木村友里 選手(OH/169cm/日本体育大学)C
4 菅原里奈 選手(MB/174cm/東海大学)
5 赤星七星 選手(S/175cm/鹿屋体育大学)*新加入
7 伊藤摩耶 選手(MB/174cm/日本体育大学)
8 田村愛美 選手(S/167cm/東京女子体育大学)
9 草島華穂 選手(OH/164cm/富山大学)
10 柳沢紫子 選手(MB/169cm/順天堂大学)
12 石盛めるも 選手(S/166cm/龍谷大学)
13 岡村南奈 選手(OH/174cm/天理大学)*新加入
14 長尾のどか 選手(S/163cm/東海大学)
15 工藤真帆 選手(L/167cm/札幌山の手高校)*新加入
16 角田南見 選手(OH/172cm/三重高校)
17 有村涼美 選手(OH/172cm/鹿屋体育大学)
18 佐藤菜々美 選手(MB/177cm/花巻南高校)
19 有薗未也美 選手(L/156cm/長崎国際大学)
20 小野山博子 選手(OH/175cm/天理大学)
以上、18名。
キャプテン
木村友里 選手(3/OH)
https://www.aranmare.jp/volleyball/player/yuri-kimura/
監督
北原 勉 監督
https://www.aranmare.jp/volleyball/profile/
入団
赤星七星 選手(S/175cm/1995.1.7生) ← 福岡ギラソール(←鹿屋体育大学)
https://www.aranmare.jp/volleyball/%e3%81%9d%e3%81%ae%e4%bb%96/230522-2/
岡村南奈 選手(13/OH/174cm/2000.7.7生) ← 天理大学(←誠英高校)
工藤真帆 選手(15/L/167cm/2004.8.5生) ← 札幌山の手高校
https://www.aranmare.jp/volleyball/news/22120802/
退団
宮本菜月 選手(6/OH)
https://www.aranmare.jp/volleyball/%e3%81%9d%e3%81%ae%e4%bb%96/230522-01/
【2024/25 内定選手】(2024.1.17追記)
11 川釣奈津(かわつり なつ)選手(MB/172cm/2001.7.16生) ← 園田学園女子大学 *1.26登録済み
28 インディグウェ シンディ 千想夢(インディグウェ シンディ チソム)選手(MB/184cm/2005.8.16生) ← 八王子実践高等学校 *1.26登録済み
https://www.aranmare.jp/volleyball/news/20240116/
【2024/25 退団選手】
1 オケケアル メソマチ ウゴチンイェレ 選手(OP)
https://www.aranmare.jp/volleyball/%e3%81%9d%e3%81%ae%e4%bb%96/20240403/
4 菅原里奈 選手(MB)
14 長尾 のどか 選手(S)
16 角田南見 選手(OH)
17 有村涼美 選手(OH)
19 有薗未也美 選手(L)
20 小野山博子 選手(OH)
https://www.aranmare.jp/volleyball/news/20240603/
プレステージ・インターナショナルアランマーレについては、昨季までV2リーグに所属していたチームですので、正直なところ、全く何も分かりません。
分からないだけに、選手の皆さんのポジションのほかに身長や出身校も記載してみましたが、特に大して参考になるとは思えませんね。
アランマーレのV2リーグにおける成績を見てみますと、2015/16のチャレンジリーグⅡからVリーグに参戦していますが、
2015/16 チャレンジⅡ 5位/5チーム中
2016/17 チャレンジⅡ 4位/6チーム中
2017/18 チャレンジⅡ 5位/6チーム中
2018/19 V2リーグ 4位/10チーム中
2019/20 V2リーグ 5位/8チーム中
2020/21 V2リーグ 3位/9チーム中
2021/22 V2リーグ 3位/10チーム中
2022/23 V2リーグ 1位/11チーム中
となっていますね。
https://www.vleague.jp/women/team_detail/457
これを見ますと、V2リーグ(またはチャレンジリーグ)においても、常に上位を走ってきたチームというよりは、2015年の創部以来、徐々に力をつけてきて、ここ数年でグンと力をアップさせて、一気にV1リーグに昇格を果たしたチームといえそうです。
確かに、考えてみましたら、私は、相当前から毎年チャレンジマッチを観戦してきていますが、昨季のチャレンジマッチ以外でアランマーレが出場した記憶はなく、アランマーレは、昨季のチャレンジマッチが初出場の一発勝負で、ヴィクトリーナ姫路を負かして昇格を果たしたチームなのだったと思います。
しかし、そういう意味では、非常に大一番に強い、勝負強いチームと言えそうですね。
また、このチームの個々の選手の皆さんのことは全然分からないのですが、1番のオケケアル・メソマチ選手(OH/183cm/高知中央高校/ナイジェリア)は、ナイジェリアのご出身だそうで、ウィキペディアからの情報によりますと、2020年1月には、ナイジェリア代表として東京オリンピックのアフリカ大陸予選に出場されたのだそうです。
ですので、出身高校は高知中央高校とされており、日本での居住歴は長いのではないかと想像されるものの、国籍は今もナイジェリアなのかもしれませんね。
その意味では、アランマーレの中でも、外国人選手に該当する選手なのかもしれませんが、アランマーレには、高知中央高校卒業後の2021年に入団されたそうですので、いわゆる外国人枠を使った選手というわけではないのかもしれないと思います(そのあたり、全く不明です。なお、メソマチ選手は2021年から入団されたそうですが、Vリーグには毎年登録しているのか、今季は、2023.10.12にVリーグ登録の効力が生じています-https://www.vleague.jp/women/team_detail/457)。
いずれにしましても、メソマチ選手は、昨季のチャレンジマッチでもサイドの一角として出場され、昨季V2リーグでも主力として出場されてきたようですので、現在のアランマーレの中心的なエースアタッカーになられているのだと思います。
2年前にメソマチ選手が加入されたことが、今季のアランマーレのV1昇格を実現させた、ひとつの要因になった面があるかもしれませんね。
ちなみに、上記のとおり、アランマーレには現在18名の選手がおられ、かなり充実していますが(特にセッターは4名と多いです)、昨季のV2リーグの終盤10試合くらいとチャレンジマッチのスタッツ票を概観してみますと、主力選手は比較的固定されており、この中でも主力的に出場されていたのは、
OHは、1番のメソマチ選手、3番の木村友里選手、2番の前田美紅選手がメインで、次いで17番の有村涼美選手もしばしば主力的に出場され、この4選手が主力と考えられますが、ときに13番の岡村南奈選手(当時は内定選手)と9番の草島華穂選手あたりも出場されています。
また、MBは、4番の菅原里奈選手と7番の伊藤摩耶選手の二人にほぼ固定されており、ときどき10番の柳沢紫子選手、18番佐藤菜々美選手が出場されていますね。
そして、セッター(S)は、12番の石盛めるも選手が主セッターを務められており、ときに14番の長尾のどか選手が出場されているようです。
また、リベロ(L)は、一貫して19番の有薗未也美選手が務められてきており、毎試合、リベロは1名登録で試合に臨んでいます。
*全部引用しますと多いですので、直近7試合くらいを引用します。
https://www.vleague.jp/form/b/28271
https://www.vleague.jp/form/b/28271
https://www.vleague.jp/form/b/28259
https://www.vleague.jp/form/b/27962
https://www.vleague.jp/form/b/27960
https://www.vleague.jp/form/b/27954
https://www.vleague.jp/form/b/27949
とにかくアランマーレは、今季初めてV1リーグで戦うことになりますので、果たしてどんな感じになるのかは全然分かりませんが、従前までは、V1リーグとV2リーグではかなりの力の差がありましたので、一般的には、今季はどこまでやれるかが注目点ということになるのだと思います。
ただし、ここ数年は、V2リーグの上位チームとV1リーグの下位チームの力は接近傾向にありましたから、予想外に躍進されることも十分あり得ますね。
いずれにしましても、新規のチームですので、今季のアランマーレがどんな活躍をすることになるか、非常に興味深いところです。
2.岡山シーガルズ(昨季11位)
(Vリーグ登録選手)
https://www.vleague.jp/women/team_detail/263
(チームサイト選手紹介ページ)
https://okayama.v-seagulls.co.jp/seagullsplayers/
1 濱田真友 選手(S)*昨季加入
2 佐伯亜魅加 選手(OH)*昨季加入
3 田口絢佳 選手(MB)
5 宇賀神みずき 選手(S)
7 山城愛心 選手(ライト)*新加入
9 高柳有里 選手(OH)
10 甲斐理香菜 選手(ライト/L)*昨季加入
11 城戸陽菜 選手(L)*新加入
12 妹尾紗香 選手(S)*昨季加入
13 遠藤彩萌 選手(ライト)
14 宮下 遥 選手(S)
15 新名優花 選手(S)*新加入
17 城戸うらん 選手(OH)
18 金田修佳 選手(OH)
19 安田梨夏 選手(OH/L)*昨季加入
20 藤原絢奈 選手(OH)*昨季加入
21 中井心音 選手(MB)*昨季加入
22 船田芽衣 選手(L)
23 前田明里 選手(OH/MB)
25 岡野亜依 選手(OH)*新加入
26 長瀬そら 選手(MB)
27 楢崎慈恵 選手(L)
28 川島亜依美 選手(MB)
32 松本舞佳 選手(OH)
33 中本柚朱 選手(OH)
以上、25名。
キャプテン
川島亜依美 選手(MB)
副キャプテン
宮下 遥 選手(S)
宇賀神みずき 選手(S)
監督
河本昭義 監督
https://okayama.v-seagulls.co.jp/seagullsplayers/
入団
城戸陽菜 選手(11/L) ← 福岡工業大学附属城東高等学校
新名優花 選手(15/S) ← 都城商業高等学校
岡野亜依 選手(25/OH) ← 中国学園大学
https://ameblo.jp/seagullsfan/entry-12784160127.html
山城愛心 選手(7/ライト) ← KUROBEアクアフェアリーズ(←筑波大学←東九州龍谷高校)
https://ameblo.jp/seagullsfan/entry-12806641772.html
退団
及川真夢 選手(8/ライト/MB)
付 欣田 選手(24/MB)
https://ameblo.jp/seagullsfan/entry-12800767595.html
タナッチャ・スークソッド(Thanacha Sooksod)選手(7/OH)
https://ameblo.jp/seagullsfan/entry-12799468573.html
【2024/25 内定選手】
4 小松原凜香(こまつばら りんか) 選手(OH/176cm) ← 京都橘大学
16 内山優衣(うちやま ゆい) 選手(L/162cm) ← 長崎国際大学
https://okayama.v-seagulls.co.jp/seagullsnews/2023-24naitei/
【2024/25 退団選手】
28 川島亜依美 選手(MB)
14 宮下 遥 選手(S)
23 前田明里 選手(OH)
13 遠藤彩萌 選手(ライト)
https://okayama.v-seagulls.co.jp/seagullsnews/20240426yutai/
今季の岡山シーガルズは、どうでしょうね。
昨季は、全体の11位でチャレンジマッチに回るという極めて不本意な成績で終わった岡山シーガルズでしたが、昨季と比べますと、退団されたのは、及川真夢選手(8/MB/ライト)と付欣田選手(24/M)、それにタナッチャ選手(7/ライト)の3選手で、新たに入団されたのは、城戸陽菜選手(11/L)に新名優花選手(15/S)、岡野亜依 選手(25/OH)に、山城愛心選手(7/ライト)の4選手ということになりました。
昨季退団の及川選手、付欣田(ふ しんてん)選手、タナッチャ選手は、いずれも主力的にご活躍された皆さんですので、これら3選手の退団は、シーガルズに取って、かなりの痛手になるとは思いますね。
及川選手は、スピードと巧さ、冷静な判断力を兼ね備えた素晴らしい選手で、全日本代表にも登録されたことがあり、いずれシーガルズを背負って立って頂ける選手だと思っていましたし、付欣田選手は、シーガルズでの在籍期間は数年間だったと思いますが、スピードとパワーのある強烈MBで、要所要所でシーガルズの強力な得点源になられていました。また、タナッチャ選手(タイ代表)は、シーガルズのチームで初めて外国から移籍してこられた外国人選手で、昨季は一貫してライトの主力として出場され、パワフルなアタックで得点を量産されました。
この3選手が抜けたことからしますと、今季の岡山シーガルズは、少なくともパワフルさにおいては、昨季よりも減退したと言わざるをえないのではないかと思いますね。
ただ、先日の開幕記者会見(10月13日(金)15:00)において、河本監督が話されていましたように、昨季はパワーで決め切ることができる場面が増えた反面、その分守備や繋ぎ、粘りの力にばらつきが生じ、どうしてもパワーに頼る場面も出てくるようになったこともあって、チーム全体としてのまとまりや粘りに乱れが生じたという側面はあったのではなかったかと思います。それがまた、昨季の最終的な不本意な結果につながったような気がしますね。
その意味では、今季のシーガルズは、再び純和風のチームとなり、改めてこのチームが信条としてきた粘りとまとまりのあるバレーに迷いなく集中し、チームとしての力を発揮することができる土壌は整った状態になっているのではないかと思います。
現に先日の特別国体(鹿児島大会)では、川島キャプテン(MB)と宇賀神選手(S)、そして新加入のライトの山城愛心選手も不在のチームで、まとまりのよい粘りのあるバレーを展開し、見事に準優勝を果たしました。
決勝戦の久光戦でも、若手中心ながらもほぼ全員が全日本経験のある選手で固められた強力チームを相手に、フルセットの激闘を演じ、あと一歩で優勝の座を掴むことができるところまでもっていくことに成功しましたね。
また、個々の選手の戦力という意味では、今季サマーリーグや皇后杯中国ブロック大会に先日の国体決勝戦等を見た感じからしますと、個人的には、今季は、まずは長瀨選手(MB)が、ここ1~2年のご成長が著しく、Vリーグ全体のMB陣の中でも、トップクラスの力を発揮できるようになっているのではないかと感じられます。
そして、昨季は控えに回られ、今季も国体本大会までは出場機会の少なかった宮下選手が、特別国体では濱田選手のヘルプとして登録メンバーに入られ、実際にコートに入られチームを安定させる役割を十分に果たされた点、さらには、まだ若干未知数ながらも今季はライトに一定のパワーを有する山城愛心選手が加入されて、大いにご活躍が期待される点が、プラス要因ではないかと感じています。
山城選手は、東九州龍谷高校のご出身で、田口選手と同期なのだそうですが、先日の開幕記者会見のときの河本監督のお話ですと、高校3年当時、山城選手は、東九州龍谷チームの中でも、最も身体能力の優れた選手だったのだそうです。
その後、山城選手は筑波大学を経てKUROBEアクアフェアリーズに入団されましたが、KUROBEはその当時からタイ代表のコクラム選手(OP)の移籍加入がありましたので、新人の山城選手(OP)は出場機会を得られず控えに回られることが多くならざるを得なかったという事情があったのではないかと個人的には思っていますが、河本監督によりますと、山城選手は、現在では高校当時よりもパワーは断然ついてきているし、今季シーガルズに入団し、キレとスピードも戻ってきているとのことですので、チームには同期の田口選手もおられ、日本人選手としてチームの輪にも入り易い状況にあると思いますし、さらにはご本人の明るい性格も相俟って、今季はシーガルズのライトプレーヤーとして大いにご活躍頂けるのではないかと期待しています。
先の皇后杯中国ブロック大会では、その片鱗を見せられましたね。
あくまで見た感じからしますと、外見は可愛らしくて気は優しい印象を受けますが(実際のところは、もちろん全く知りません)、ぜひ今季のシーガルズのNo1プレーヤーとなってチームをグイグイ引っ張るくらいの、強気のご活躍を期待したいですね。
今季、ここまでの経過からしますと、今季の岡山シーガルズは、
セッターは、1番濱田真友選手と5番宇賀神みずき選手に14番宮下遥選手、
MBは、26番長瀨そら選手に3番田口絢佳選手、28番川島亜依美選手が中心となり、さらには23番前田明里選手がこれに加わる可能性があり、
OHは、18番金田修佳選手と、2番佐伯亜魅加選手、33番中本柚朱選手、9番高柳有里選手、
ライトは、13番遠藤彩萌選手に10番甲斐理香菜選手、7番山城愛心選手、
Lは、22番船田芽衣選手と11番城戸陽菜選手、
あたりが中心となるでしょうか。
付欣田選手が中国籍だった(と思われる)ことからしますと、数年ぶりになるでしょうか、「完全純和風」になった岡山シーガルズですが、果たして今季、和の力を結束させてどこまで力を発揮できるか、非常に楽しみですね。
なお、今年のスローガンは、「心を紡ぎ、”頂戦”」だそうです。
ぜひ岡山シーガルズが伝統的に大事にしてきたチームの結束と粘りを信条に、頂点を目指して頑張って頂きたいですね。
3.KUROBEアクアフェアリーズ(昨季10位)
(Vリーグ登録選手)
https://www.vleague.jp/women/team_detail/277
(チームサイト選手紹介ページ)
https://www.kurobe-aqua.jp/player/player.html
3 髙橋愛未 選手(OH)*昨季加入
7 中村安里 選手(MB)*昨季加入
8 依田茉衣子 選手(L)*新加入
9 住田帆志乃 選手(OH)*新加入
10 山口真季 選手(MB)*昨季加入
11 安田美南 選手(S)*昨季加入
12 浮島杏加子 選手(OP)
13 梅津憂理 選手(OH)
14 ゼベジオール デルヤ 選手(OH/トルコ)*新加入 → 2024.1.29退団
17 佐藤彩乃 選手(S)*昨季加入
18 佐藤黎香 選手(MB)*新加入
19 福本 眸 選手(L)*昨季加入
20 中山夏菜子 選手(MB)*昨季加入
26 ピンピチャヤ・コクラム 選手(OH/タイ)*一昨季から更新
以上、14名。
キャプテン
佐藤彩乃 選手(17/S)
副キャプテン
中村安里 選手(7/MB)
山口真季 選手(10/MB)
https://kurobe-aqua.jp/wp-content/uploads/2023/08/file_3_715_3.pdf
監督
伊東克明 監督
https://kurobe-aqua.jp/wp-content/uploads/2023/08/file_3_715_3.pdf
入団
依田茉衣子 選手(8/L/160cm/2000.6.3生) ← 青山学院大学(←下北沢成徳高校)
住田帆志乃 選手(9/OH/173cm/2000.12.21生) ← 青山学院大学(←八王子実践高校)
佐藤黎香 選手(18/MB/176cm/2001.1.10生) ← 日本女子体育大学(←盛岡誠桜高校)
ゼベジオール デルヤ 選手(14/OH/187cm/トルコ代表)← Vakifbank(トルコリーグ)→ 2024.1.29退団(腰を痛めたためとのこと)
https://kurobe-aqua.jp/news/1402/
コクラム ピンピチャヤ 選手(26/OP/176cm/タイ代表)
https://kurobe-aqua.jp/wp-content/uploads/2023/09/%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%AA%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B9-%E3%80%80%E5%8A%A0%E5%85%A5%E9%81%B8%E6%89%8B-4.pdf
退団
舛田紗淑 選手(1/OH) → ルートインホテルズブリリアントアリーズ
https://twitter.com/routeinn_volley/status/1710140321244631216
イヴェゲン・トゥーバ 選手(4/OH)
菊池杏菜 選手(5/S)→ ルーマニアCSMブカレスト
https://kurobe-aqua.jp/news/832/
山城愛心(あみ) 選手(6/OH)→ 岡山シーガルズ
https://ameblo.jp/seagullsfan/entry-12806641772.html
小杉凜華 選手(14/MB)
https://kurobe-aqua.jp/wp-content/uploads/2023/08/file_3_713_3.pdf
戸部真由香 選手(15/MB) → 東レアローズ
https://www.toray-arrows.jp/women/news/detail.html?contentId=66a264y2
星加 輝 選手(16/S) → チーム広報
https://kurobe-aqua.jp/wp-content/uploads/2023/08/file_3_715_3.pdf
【2024/25 内定選手・入団選手】
6 田邉彩七(たなべ あやな) 選手(MB/171cm/2001.6.6生) ← 日本大学
15 大久保真美(おおくぼ まみ) 選手(MB/174cm/2001.10.7生) ← 鹿屋体育大学
5 秋重若菜(あきしげ わかな) 選手(OH/171cm/2002.10.23生/*インターン選手) ← 早稲田大学
15 永澤詩音(ながさわ しおん) 選手(S/173cm/1999.11.2生) ← アルテミス北海道
https://kurobe-aqua.jp/news/1859/
1 古市梨乃 選手(OH/170cm) ← ヴィクトリーナ姫路)
2 金田莉実 選手(OH/178cm) ← ヴィクトリーナ姫路)
17 浦山絢妃 選手(L/165cm) ← アルテミス北海道)
https://kurobe-aqua.jp/member/
【2024/25 退団選手】
26 コクラム ピンピチャヤ 選手(OP/タイ)
https://kurobe-aqua.jp/news/1634/
3 髙橋愛未 選手(OH)
17 佐藤彩乃 選手(S)
18 佐藤黎香 選手(MB)
https://kurobe-aqua.jp/news/1708/
19 福本 眸 選手(L)
https://kurobe-aqua.jp/news/1755/
KUROBEアクアフェアリーズは、昨季は、大量の主力選手が退団し(9選手が退団)、同時に大量の新人選手が加入する(8選手が入団)とともに、監督も丸山貴也監督から、伊東克明監督に交代されるという、大改革が図られました。
それは、KUROBEが2018/19季にV1リーグに昇格して以降、なかなか成績が上がらず、毎年のようにチャレンジマッチに回ることを繰り替えしてきていたこと、加えて一昨季のチャレンジマッチではV2リーグのルートインホテルズに思わぬ苦戦をし、危うくV2リーグに降格しかねない事態になったこと(KUORBEは、3-1勝利と2-3負けの1勝1敗で、かろうじてルートインに勝る結果を残しました-https://ameblo.jp/seagullsfan/entry-12736568516.html)等を踏まえて、昨季は、チームの大幅改革を図り、心機一転してV1リーグ上位を狙いたいという意図があったのではないかと思います。
その結果、昨季のKUROBEは、ギリギリながらもV1リーグ10位となり、チャレンジマッチを回避することに成功しました。
そして、今季はさらに、一昨季以前から所属されていた桝田選手や菊池選手、山城愛心選手、小杉選手、星加選手など7選手が退団されて、新たに6選手が加入されることとなり、結果として、従前からKUORBEに所属していた選手は、わずかに浮島選手(12/OP)と梅津選手(13/OH)の二人と外国人選手のコクラム選手(26/OP/タイ)の3選手のみになりましたね。
他は全員が、昨季か今季新加入の、KUORBEのチームとしては新人選手ばかりということになりました。また、総勢14名と、比較的コンパクトなチームになりましたね。
新しい選手が多いだけに、今季のKUROBEがどんな感じになるかは分からないところがありますが、昨季ご活躍されたルートインからの移籍加入の高橋愛未選手(3/OH)と山口真季選手(10/MB)は健在であり、また、チームを安定させることに貢献されたと考えらるセッターの安田美南選手(11/S)は引き続きこのチームの司令塔になられます。
また、このチームの得点源となってこられたコクラム選手(26/OP/タイ代表)は今年もKUOROBEに所属されることとなりましたので、そうした点からしますと、今季もかなりの人数の選手が退団されたとはいえ、力的には大きく減退するようなことはないだろうと思われますね。
ただ、このチームは、昨季もやや上昇したとはいえ、ギリギリチャレンジマッチ回避に成功した状態でしたので、大改革の本来の意図からしますと、もっと上位を狙いたいところだと思います。
その観点からしたときには、昨季よりもさらにパワーアップしないといけないわけですが、そのあたりになってきますと、昨季加入の多くの新人選手の皆さんがどれだけなじまれ、チームとしてまとまってきているかという点と、今季の新外国人選手のゼベジオール・デルヤ選手(14/OH/トルコ代表)がどの程度チームにフィットし、得点を稼いでくれるかによってきそうですね。
なお、KUROBEアクアフェアリーズは、先日の特別国民体育大会には富山県代表として出場し、日本人選手だけの構成でベスト8に進み、準々決勝で埼玉県代表の埼玉上尾メディックスに敗れたものの、5位7位決定戦では兵庫県の神戸親和大学を3-1で下して、最終5位の成績となっています。
https://ameblo.jp/seagullsfan/entry-12823615417.html
https://ameblo.jp/seagullsfan/entry-12823703105.html
今季のKUOROEも、中心選手は、
Sが、安田美南選手(11)、控えに佐藤彩乃選手(17)、
MBは、山口真季選手(10)と中村安里選手(7)に中山夏菜子選手(20)
OHは、髙橋愛未選手(3)とゼベジオール・デルヤ選手(14/トルコ代表)、梅津憂理選手(13)、
OPは、ピンピチャヤ・コクラム選手(26/タイ代表)と浮島杏加子選手(12)、
Lは、福本眸選手(19)
になるでしょうか。
その他、新加入の日本人選手3名は、いずれもバレーボールの名門高校から名門大学を渡り歩いてこられた選手の皆さんですので、私は個々の選手の皆さんのことを全然知らないのですが、ポテンシャルは相当高いのではないかと推測されます。
今季のKUROBEは、そうした今年の新人選手が、想定外に大活躍される可能性を秘めている感じはしますね。
昨季の下位3チームについては、以上のとおりです。
この関連の記事は骨が折れますので、本当に開幕に間に合うかどうか分かりませんが、次の3チームについては、記事を改めて整理してみたいと思います。