お昼過ぎ、「こんにちは~」という声。
「は~い」と出ていくと、小さなおばあさんが箒をかついで玄関先でニコニコ。
「おじいさんの100歳のお祝いに買ってちょうだいよ~」とおばあさんは早速玄関に腰をかけ品物を広げる。
お、あれは私がいつか欲しいと思っていた棕櫚の箒。
いやいや・・・どうしよう。ちょっと戸惑いです。
値段を聞いて丁重にお断りしますが、値を下げてきて交渉。。。もう一人後からやってきて二人による売り込みです
聞くと伊勢原から箒をかつぎバスに乗って来たらしい。帰りに荷物になるから買ってくれ、とのこと。特にお店を構えているわけでなく、三代にわたって箒職人の家なのだという。
でもこのご時世それが本当かどうか、騙されているのかよくわからない。
名刺もなければ、店も構えていない。強引な商法も、状況証拠だけは限りなくクロに近いので~す
30分~40分くらいおばあさんたちも粘って粘ってがんばります。正直に、こういうご時世だし、判断もつかないので買う事は出来ないと説明。
怪しいものではない、と言っては下さるのですが・・・。
最後は儲けがないけど、この金額で買ってちょうだい、と。
わたしがほしいと思っていた棕櫚の箒は京都の老舗が売っている1万円は超えるもの。それよりはだいぶだいぶ安い。
おばあさん達の熱意?(しつこさ)に負け、またこれなら買っても損はない値段と判断して購入することに。
もし、おばあちゃん達がまっとうな行商人だったらもしかすると失礼な値段で買ってしまったのかもしれません。私は手作りの良い商品は値がはっても仕方がないと思うし、納得したら購入したいとも思う。
ただ、いつのころからか訪問販売=悪徳商法というイメージがついてしまい、私もその感をぬぐえません。
子どもの頃は、豆腐屋さん、野菜売りの方、時にはカゴ屋さんなどの行商人が珍しくありませんでしたが。。。。
これが購入した棕櫚の箒です。ワイヤーがピンクなのが残念。