仙台城ガイドボランティア会のブログをご覧頂きまして、ありがとうございます。m(_ _)m
我らが伊達政宗様はエピソードの宝庫!
そんなエピソードの中には一休さんもびっくりの「とんち問答」のようなウィットに富んだものもあったようです。
今回はそんな痛快な出来事を紹介しましょう。
大阪夏の陣が終わった頃(慶長20年(1615年)5月8日以降)政宗様は徳川家康の孫である松平忠直が開いた「香合わせ」に招かれました。
「香合わせ」とは、客が持ち寄った香をその場で焚いて、どのような香かを当てるという大変雅な遊び、ということはもともとの発祥は京の都の公家でして、茶の湯や能とともに武士にも広まったということのようです。
勝者には「懸けもの」と言われる賞品が与えられることになっており、弓矢や槍・楯など戦国武将らしい、気の利いた品物を出品することになっていました。
各々が趣味の見せ所として、自慢の一品を差し出すのですが、我らが伊達政宗様が持ってきたのは、合戦中腰にぶら下げていたただの瓢箪(ひょうたん)でした。
これを見た諸将は、「奥州の龍や日本一の伊達男と呼び声が高いが、所詮は田舎者なのだなぁと腹の中で笑い合います。
勝負が進み、勝った者は皆見事な武具を欲しがり、政宗様の出品した瓢箪には誰も見向きもしませんでした。
それではあまりにも気の毒と思ったのでしょう。ある者が政宗様の瓢箪を所望しました。
会も終わり、皆が帰り支度を始めた頃、政宗様のお供の者が見たこともない素晴らしい馬を引いて現れました。
政宗様は先ほど瓢箪を求めた武将を手招きし、「その方にこの馬を取らせる」と言い手綱を渡しました。
あっけにとられる一同に向かって、政宗様はこう言いました。
「瓢箪は変わりにおいたのじゃ、座敷に馬を上げる分けにもいかぬであろう。それ、瓢箪から駒というではないか。」とおかしそうに政宗様は笑いましたとさ、どんとはれ。
さすがは大どんでん返しを演出するのが好きな我らが伊達政宗様ですな。
気の毒に思ってくれた武将の心遣いにきちんと倍返しをするあたり、半沢直樹もびっくりです。
「情けは人のためならず」という言葉がありますが、そういう教訓も含まれているんですかね。
「情けは人のためならず」とは、他人に対して親切にすると、その善行が巡り巡って自分にも良い影響を与えることを意味する言葉です。
※昨今の歴史研究の進展は目覚ましいものがあり、過去の書物に記された史実や出来事などとは別の説が発表されたり、歴史認識が改められたりしている事も多く見受けられます。このブログで書かれたことは、諸説ある中でも多く語られることの多い部分を抽出して書かれたものであり、歴史認識や見解の確からしさを断定するものではありませんことをご理解頂きますようお願い申し上げます。