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伊達政宗様の名言をネットなどで検索をすると、決まって登場するのが「政宗五常訓」と言われる有名な言葉。
ご存知ない方のために、こちらがその五常訓と呼ばれるものです。↓
・仁にすぎれば弱くなる
・義に過ぎれば固くなる
・礼に過ぎれば諂(へつら)いとなる
・知に過ぎれば嘘をつく
・信に過ぎれば損をする
これをもう少し分かりやすくしますと、こうなります。↓
・人に思いやりや情けを掛け過ぎると、自分が(相手も)弱くなる
・正しさや道理を貫きすぎると、考え方が固くなる
・他人を敬い尊重し過ぎると、媚(こ)びへつらいとなる
・賢すぎると、嘘つきなる
・相手を信じすぎると、騙(だま)されて損をする
うん、うん、なるほど。よくよく噛み締めてみると、大変含蓄のあるお言葉であり、さすがは我らの伊達政宗様、人生悟っているなぁと関心してしまいますよね。
かつてはこの「政宗五常訓」を「貞山政宗公遺訓」として、額に入ったものが売られていたり、手ぬぐいになったものが売られていたりしました。(今でもそういうグッズはあります)
長い間、政宗様が残した名言として伝えられてきたこの「五常訓」ですが、実は最近の研究調査で政宗様の作ではないことが明らかとなっています。
「五常訓」と同じような文言のものが、幕末に仙台関係の逸話を集めた「源貞氏耳袋」の中に水戸の水戸光圀の遺訓、紀伊徳川治資の作として収録されたものがあり、その言葉がピックアップされ、あまりにも英雄として崇拝された、政宗様のものであるという風に刷り込まれていったということのようです。
そう言えば、1987年の大河ドラマ「独眼竜政宗」の中でも、渡辺謙演じる伊達政宗がこの「五常訓」を述べるシーンがあったような、、、。
故野村克也さんが残された名言も、確か数多くの読書から引用していたものが多かったりしますので、仮に政宗様が残したという立証が出来なかったとしても、いい言葉であることには変わりはないし、レジェンドは同じようなニュアンスの言葉を残していたのではないでしょうか?
「五常訓」の言わんとしていることを要約すると「ほどほどにね」、「何事も程度問題だよ」
ということになるのですかね。(^^)
※昨今の歴史研究の進展は目覚ましいものがあり、過去の書物に記された史実や出来事などとは別の説が発表されたり、歴史認識が改められたりしている事も多く見受けられます。このブログで書かれたことは、諸説ある中でも多く語られることの多い部分を抽出して書かれたものであり、歴史認識や見解の確からしさを断定するものではありませんことをご理解頂きますようお願い申し上げます。