「主(あるじ)なき 台座寂しき 盛夏かな」  | 「ガイドが教える 仙台城を10倍楽しむ方法!」

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仙台城のボランティアガイドが、仙台城の魅力や伊達政宗のトリビアな話を出し惜しみせず、ボリューム満載で語り尽くしまーす。(^_^)

仙台観光をお考えの方は、旅支度の前に予習としてご一読を頂ければ、仙台城が10倍楽しめるかも。

仙台城ガイドボランティア会のブログをご覧頂きまして、ありがとうございます。m(_ _)m

 

前回、7月8日のブログで政宗様の騎馬像が台座から取り外されたことについての続報です。

 

では、あの後どうなったのか?

 

現在はこのようになっております。↓

 

伊達政宗の騎馬像が台座だけの状態になるのは、実に78年ぶり。

 

当然、78年前のこれとよく似た光景をご覧になったという方にはそうそうお目に掛かれないでしょうね。初代の騎馬像は、昭和10年(1935)に建設されたのですが、昭和19年1月(1944)太平洋戦争による金属類回収令によりまして、台座のみとなりました。

 

現在の騎馬像は2代目で、昭和39年(1964)東京オリンピックの年に復元したものであり、台座のみは、2代目復元から58年ぶりとなります。

 

台座ののみ姿は、7月12日まで見学することができましたが、7月13日には修復用の足場が設置されました。

 

 

 

来年3月に伊達政宗騎馬像が修復から戻ってくるまで、こちらのグラフィックス幕が掲示されます。(7月15日現在)

 

さて、ブログをご覧の皆さんはこの光景をご覧になって、なにを思われましたでしょうか?

 

人それぞれ、思いは様々お有りかと思いますが、来年の春に騎馬像は元の場所に戻ってきます。

 

例えばあなたがアメリカのニューヨークに「自由の女神」を見に行ったとしましょう。

 

ちょうどその時、「自由の女神」がお色直し中でお姿を写真に収められなかったとします。

 

「なぁんだ、せっかく来たのに残念だなぁ~」と思う人がほとんどでしょう。

 

「見れないのなら始めっから行かない!」という人もいるでしょう。

 

でも、数は少ないですがこう考える人が100人に一人ぐらいはいるはずです。

 

「へぇ 自由の女神がお色直し中の瞬間に立ち会えた、なんてラッキーなんだろう!」

 

そして、そう考える人はきっと、こうも考えるでしょう。

 

「よし、じゃあ今度はお色直しが終わったべっぴんさんの自由の女神に会いに来るよ!」

 

一粒で二度美味しい”仙台旅”。

 

今ある状況をそう受け止めて頂ける皆さんのお越しを、私たち仙台城ガイドボランティア会一同、心待ちにしてこれからも活動を続けてまいります。

 

最後に、菅原道真公の有名な和歌を紹介します。

 

・「東風吹かば 匂ひおこせよ梅の花 あるじなしとて春を忘るな」


これは菅原道真公の有名な和歌なんですが、道真公の場合「春になって東風が吹いたならば、香りだけでも私のもとへ届けておくれ、梅の花よ。主人がいないから(自分が太宰府に左遷されたから)といって、春を忘れてはいけないよ」という意味になります。

 

この和歌を今回の1件と重ね合わせると、こんな解釈が出来るのかもしれません。

「梅の花が咲く頃(宮城県だと3月中旬~下旬)に芳しい匂いと共に主人(政宗様)が戻って来ますよ。それまで忘れないで、春が来るのを楽しみにして待っていましょうね。」