ピンチをチャンスに変えた?「伊達男」政宗奇跡の逆転劇! | 「ガイドが教える 仙台城を10倍楽しむ方法!」

「ガイドが教える 仙台城を10倍楽しむ方法!」

仙台城のボランティアガイドが、仙台城の魅力や伊達政宗のトリビアな話を出し惜しみせず、ボリューム満載で語り尽くしまーす。(^_^)

仙台観光をお考えの方は、旅支度の前に予習としてご一読を頂ければ、仙台城が10倍楽しめるかも。

仙台城ガイドボランティア会のブログをご覧頂きまして、ありがとうございます。m(_ _)m

 

伊達政宗と言えば、多くの逸話や武勇伝が多い武将としても有名です。

 

その話の中には、半沢直樹張りの胸がスカッとするような話もあれば、ピンチに陥ったギリギリの状況で逆転ホームランをかっ飛ばした話もあります。

 

今日みなさんに紹介するには、そんなピンチをチャンスに変えた「政宗奇跡の逆転劇」のお話です。

 

東照大権現こと徳川家康公が亡くなられて(1616年)から1年後。

 

1周忌には諸大名が銘々に燈籠を奉納することが示し合わされておりました。

 

しかし、伊達家はこの情報の入手が遅れ、慌てて灯籠の作成を模索するも時すでに遅し。

 

石燈籠は石材の入手から、作成まで時間が掛かるし、銅の燈籠を作るにしても、当時銅の入手にはこれまた時間を要した。

 

これを単なる灯籠の品評会と思うなかれ。

 

実はここにも大名同士のつばぜり合いがありました。大体察しが付きますよね、誰々さんの燈籠は立派だとか、イカしてるとか自慢話のオンパレードになる分けです。

 

まさか、天下の「伊達男」政宗様が奉納を見送る?

 

いえいえ、そんなことをしたのでは、「伊達男」の面目が丸つぶれではありませんか。

 

とはいえ、時間は無い。 さあ、どうする?伊達政宗、絶体絶命のピンチ!

 

しかし、ここからが逆転の「政宗」の本領発揮、なのであります。

 

なんと、ポルトガルから取り寄せた南蛮鉄でもって、燈籠を鋳造。(鉄は銅よりも入手がしやすかった)

 

かくして、突貫工事でもって、無事に見事な鉄燈籠が完成。

 

しかも、転んでもただでは起きないのが我らが政宗様。

 

2代将軍徳川秀忠の家老 土井利勝に手を回して、一番良い場所をキープ。

(陽明門の前の階段の右側らしいです)

 

大名のほとんどが石燈籠を奉納する中、政宗様のみが鉄の燈籠。

これだけでも十分に目立っていたんですが、実はこの燈籠は二刀流だった。

 

鉄の燈籠ですから、時が経ちますと、錆びて程良い重厚感とお趣を醸し出すのです。

(石燈籠は苔が蒸したり、石が欠けたり、色褪せたりするのです)

 

こちらが、その写真。

 

                     

まさに、ピンチをチャンスに変える逆転の「伊達男」、ここにあり!

 

日光東照宮に行ったことはあるけど、見逃していたという方は是非ともご自分の目でご確認ください。

 

そして、「あーこれが、例の逆転ホームランなのね」と、一人悦に入って頂けたらうれしいです。!(^^)!

 

※昨今の歴史研究の進展は目覚ましいものがあり、過去の書物に記された史実や出来事などとは別の説が発表されたり、歴史認識が改められたりしている事も多く見受けられます。このブログで書かれたことは、諸説ある中でも多く語られることの多い部分を抽出して書かれたものであり、歴史認識や見解の確からしさを断定するものではありませんことをご理解頂きますようお願い申し上げます。