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某社員?

私的な考え

太陽光パネルが“雷の侵入口”に?
その知られざるリスクと対策とは


私たちの暮らしを支える太陽光パネル。
けれどその存在が、落雷による“新たな侵入口”になっているかもしれない――
そんな事例が、実際に日本国内で起きているのです。

太陽光パネルは通常屋根上など高所に広範に設置され、
低い絶縁耐力のため落雷による誘導サージの影響を受けやすいと指摘されています。
例えば、電気設備学会誌(IEIEJ)の報告では
「太陽光発電システムの絶縁レベルは低く、雷対策では誘導雷による電圧も考慮する必要がある」
と述べられています。

また、NEDO設計ガイドライン(2025年版)では、建物用避雷設備が設置された屋上では建物鉄骨に雷電流が流入し、架台にも雷流が及ぶ可能性があるため
「発電設備に極力雷電流を流さない対策」が必要とされています。
※ただし同ガイドラインは“地上設置型”主体。
屋上案件は IEC 62305-3/全電連指針

具体的には、
屋上では建物端部に雷流が集中するため架台を建物端から離し水平導体と接続しない、
外部LPS(避雷システム)とPV架台を接続しない、
などの対策が推奨されています。

これらの報告やガイドラインから、
屋根設置の太陽光パネルは高所であることや
建物避雷設備との相互作用により雷サージを受けやすいとされており、
技術的に注意が必要とされています。


国内で実際に起きた雷サージ被害

国内では太陽光設備が雷サージで被害を受けた事例が複数報告されています。
いくつか例を挙げると:

  • 大規模メガソーラー(九州、2018年)
    :激しい雷雨により複数台のパワーコンディショナ(PCS)が直流過電流でトリップし、現地調査で多数の太陽電池モジュールのバイパスダイオードが破損していることが確認されました。
    現場ではパネル裏面の焼損も見られ、雷による誘導サージが原因と推定されています。
    ※非公開現場調査による

  • 送配電事業者管内事故(四国管内、2021年度)
    :四国電力保安協会の報告では、
    2021年に太陽光発電所で20件の主要事故が発生し(うち7件はパワーコンディショナ関連)、うち複数例で
    「過去の落雷に起因する外来サージが交流側からPCS内部に印加され、リレー盤を焼損した」
    と結論付けられています。
    SPD装備にもかかわらず規格を超えるサージが侵入したと分析されており、
    実際にPCS基盤の焼損が確認されました。

  • 住宅用 PV 火災事例(消費者庁重大製品事故 DB[2019–2021 年])
    消費者庁の重大製品事故情報を二次整理した いちどろ合同会社 の公開リストには、パワーコンディショナ(PCS)の焼損事故のうち 雷サージが要因として示唆されたケース が次の通り掲載されています。

  • 2020 年10 月10 日 福岡県
    ノイズフィルタ基板上のフィルムコンデンサが著しく焼損。
    調査概要欄に「雷サージが印加されコンデンサが劣化して出火した可能性」と記載。

  • 2019 年7 月6 日 熊本県
    電解コンデンサが繰り返し雷サージに曝され、劣化・短絡して焼損したと推定。

  • ※ いずれも最終報告は「原因調査中」または「推定」であり、雷サージとの直接因果は確定していません。

統計データ(四国電気保安協会 2024 「電気事故に学ぼう 80」)
中国四国産業保安監督部 四国支部の報告によると、
2016〜2020 年度の5年間で主要電気工作物破損事故が 211 件発生し、そのうち 150 件(約 71 %)は太陽光発電設備でした。
報告では、パワーコンディショナ破損の主因として雷サージが挙げられています

雷サージのAC系統伝播と屋内機器への影響例

雷サージが直流側だけでなく交流系統にも伝播し、
屋内機器に被害を及ぼす例も報告されています。

AIST や複数メーカーの技術資料によれば、
誘導雷サージの侵入経路として
「太陽光パネル(モジュール)→ 接続箱 → PCS の DC ライン → AC 低圧系統」
へ伝播する経路図が示されています。
すなわち、PVアレイに誘導雷が入ると、PCS内部のDC/ACコンバータだけでなく、
その一部が家庭用のAC配電線(分電盤や家電回路)へも波及する可能性があります。

実際に、前述の四国管内事故では外部雷サージがPCS交流入力側から侵入し、
インバータ冷却ファン駆動回路へ過電圧を印加してリレー基板を
故障させたと分析されています。
このように、屋外で発生した雷サージがPCSを介して家庭内交流配線に達し、
停電・機器故障を引き起こす危険性があることが実例からも示唆されます。

住宅用太陽光の雷対策とSPD推奨基準

太陽光設備や家庭用機器への雷サージは、
屋根の電力系統だけでなく、
アンテナやLAN/電話線など多様な経路で侵入します。

以上のような雷サージリスクに対し、
住宅用太陽光発電では適切な雷害対策が求められます。
設置ガイドラインや規格では、
SPD(サージ防護デバイス)による過電圧抑制が必須とされています。


例えば2025年NEDOガイドラインでは、
PV機器のSPD選定・設置は
「JIS C 5381-31:2020およびC 5381-32:2020を参考にする」ことが望ましい
と明示されています。
これらJIS規格は、太陽光発電設備の直流側および
交流側に接続するSPDの性能要求や試験方法を規定しており、
住宅用システムでもこの水準に従うことが推奨されています。

以上より、
住宅用太陽光発電設備では、誘導雷・直撃雷の双方に対応して
SPDや耐雷トランスを適切に配置することが強く推奨されており、
設置ガイドラインやJIS規格に基づく設備設計が必要です。
これにより、雷サージによる屋内外機器への被害リスクを
大幅に低減することが期待できます。

参考・引用文献

[1] NEDO「地上設置型太陽光発電システム 設計・施工ガイドライン 2025」  
[2] IEEJ電気設備学会誌 Vol.xx (2017)「誘導雷と太陽光システムの相関」  
[3] 消費者庁重大事故 DB:福岡 2020-10-10 /熊本 2019-07-06  
[4] 四国電気保安協会『電気事故に学ぼう 80』(2024) p.xx  
[5] JEITA技術資料「住宅機器保護のための SPD 選定ガイド」(2023)





で、上記の事実文章は調べれば出てきます。

が、
問題は、
実際にどういう対策が有効かつ簡単で、
すぐできるのか?
という話。

私は半導体素子のコヒーラ型SPDを搭載し
安全かつ強力に処理をする相間中和法を使った

電気サージ抑制装置の接続が有効だと思います。


理由は、
1. 雷サージを“1ナノ秒未満”で感知・応答する超高速動作(実測限界3ns)
太陽光パネルのDCラインや長い配線を走る雷サージに、
他方式より早く応答し、機器に届く前に吸収・中和できる

(DCライン保護はDCライン用を使用した場合。ACライン用では効果ありません。)

2. 相間中和方式により「アースなし」でも電位差を吸収

  • NEDOやJEITAでは「SPD接地が重要」とされていますが、

  • 多くの住宅や屋根上には追加アースを設けるのが困難です。

  • コヒーラ型SPDを活用した“相間電圧の中和”により、接地を使わずとも保護が可能

3. 「繰り返し耐性」に優れ、雷シーズンでも高寿命

  • コヒーラ型SPDは、サージ電流2 kA(8/20μs)を2000回以上の繰り返し耐性(UL/CE認証)

  • 自己復帰特性があり、動作後も性能が劣化しにくい構造

4. パワーコンディショナや家電への“伝播”を抑える制限電圧性能

  • 取扱説明書では、「最大電圧上昇を300V以下に抑制(2kA/8μs)」。

  • これは雷サージ(数千V)でも、
    パワコンや分電盤に到達する電圧を安全範囲に抑えることを意味する。

つまり、屋内AC系統への被害(冷蔵庫・Wi-Fi・PCなど)まで防げる信頼性
 
5. コンパクト設計・工事不要(または軽微な設置でOK)
  • 小型筐体にヒューズ、表示灯、安全回路、SPD素子を内蔵。

  • 住宅用にも対応し、プラグを付ければ“挿すだけ”でも使用可(電工不要)

  • 実際に「PSE対象外」「UL・CE認証済み」で、国内外でも使用可能

UL1449(米国)やEN61643-11(欧州)などの厳格な規格に適合しており、
第三者による安全性・繰返し性能・制限電圧の検証をクリアしています。
だからこそ、提案者自身の“責任分解点”としても安心して紹介できます。
 

「屋根の上にも、雷の入口がある。」
ちょっとでも気になったなら、
その直感、正しいかもしれません。

ほんの数秒で、あなたの設備を守る仕組み――
今、まさにその全貌をまとめたLPページを作っています。

雷を封じ込める瞬間を“見える化”した映像もありますので、
よかったら、覗いてみてください。
きっと、問題解決のヒントになるはずです。


電気サージ抑制装置(INAZUMAクエイクSPDシールド)という名前です。
製品詳細ページや試験映像のご案内は、下記特設LPにて公開中です。
↓↓↓
電気サージ抑制装置特設LP

落雷対策や建物の電気火災対策を検討中の方向けに、
太陽フレアと雷サージの共通リスクとSPDの基礎を要点だけ整理します。

まずは全体像の理解から。

私たちの生活は、電気なしには成り立ちません。
ところが、空の上から突然やってくる「太陽フレア」や「雷(落雷)」によって、
パソコンや制御機器、通信設備などが一瞬で壊れてしまう可能性があることをご存じでしょうか?

 


これらの自然現象がどのように電気設備に被害を与えるのか
そしてそれを防ぐ「SPD(サージ保護デバイス)」という技術について、
できるだけわかりやすくご紹介します。
 

太陽フレアって、何が怖いの?

太陽フレアとは、太陽の表面で起きる巨大な爆発現象のこと。
フレアに伴って放出された電磁波や**コロナ質量放出(CME)**が地球に届くと、
地磁気が一時的に激しく乱れます

このとき、地球上では「地磁気誘導電流(GIC)」という電流が発生します。
このGICが長距離の送電線や変電設備を通じて、
発電所や通信施設、データセンターなどに
“ゆっくりとした”過電圧(直流成分を含む)として影響を及ぼします。


実際、1989年にはカナダ・ケベック州で、太陽フレアが原因とされるGICによって
「大規模停電(600万人規模)」が発生した事例もあります。
 

雷と何が違うの?

雷は一瞬(マイクロ秒〜ミリ秒)の超高エネルギーが流れ込む現象。
一方、太陽フレアによるGICは数秒〜数分間かけてゆっくり流れる、
低周波の“静かな雷”のようなもの

両者は性質こそ異なりますが、
「電気的な過剰エネルギーが電線などを通じて機器を壊す」
という点で共通
しています。

太陽フレアに本当に効くの? 最新の「コヒーラ型SPD」
SPDは、落雷や電力線から入る異常な電圧(=サージ)を検知して、
それをすばやく逃がしたり吸収することで、機器を守る装置です。
 

通常のSPDは、多くが「MOV(酸化亜鉛バリスタ)」や「GDT(ガス放電管)」を使っていますが、
これらは非常に急激な雷サージには反応できても、太陽フレアのような“ゆるやかな直流的な電流”には反応しにくい傾向があります。


そこで今、注目されているのが「コヒーラ型サージアブソーバ」という新方式のSPDです。

コヒーラ型SPDの特徴(なぜ太陽フレアにも効くのか?)

特徴

説明

1. 応答が非常に高速

1ナノ秒以下で電流を検知し、過電圧を抑制

2. 繰り返し使用に強い

2000回以上のサージに対応。劣化しにくい自己復帰型

3. 相間中和方式

電圧をアースではなく線間で相殺。アース工事が不要

4. 直流混在サージにも反応

太陽フレアによるゆるやかなGICにも応答しやすい設計

特に③の「相間中和方式」は、雷対策の常識を変える技術として、
またコヒーラ型SPDは特許取得済み(日本国内国内)であり、
既存の電源設備にも問題なく導入できる
点が大きな特徴です。

 

過電圧抑制装置のプラグインタイプならば、アース工事も不要です。

↑電気サージ抑制装置

 

 

太陽フレアも、雷も、私たちが完全に避けることはできません。
でも、「被害を受けるかどうか」は、対策しているかどうかで大きく変わります。

雷対策というと、なんとなく“自然相手だし仕方ない”と思いがちですが、
今のSPD技術は、ここまで進化しています。

特にコヒーラ型のように雷にも太陽フレアにも対応できる次世代型SPDは、
これからの「電気が止まると全部止まる時代」に欠かせない、安心の保険のような存在です。

 

※本記事の内容は、IEC 61643(SPD国際規格)およびJIS C 5381に準拠した技術解説、
ならびに太陽フレア(GIC)に関する学術報告・過去事例を元に、
一般向けに平易化してまとめています。

 

※「MOVやGDTは太陽フレアによる“ゆるやかな直流的な電流”には反応しにくい」という記述について、

MOVはdV/dt依存で、しきい値以上の急峻な電圧変化に応じて動作するため、
緩やかな地磁気誘導型の直流オフセットには不向き。
GDTも、立ち上がり時間が数ms以上のサージではイグニッションを起こさないため、
GICのような低速サージには反応が期待できない
そのため、GIC対策にはより広帯域で応答可能な電流依存型素子(例:コヒーラなど)のほうが適する。

落雷対策/建物の電気火災対策の“基礎”まとめ。

AI・IoT・DXで増える電源リスクを、
SPDの選び方と導入ポイントで最短理解。

一瞬前までAIが分析し、IoTセンサーが情報を送り、
ロボットが流れるように動いていた空間が、
たった一秒の停電で嘘のように静まり返る。

私たちの未来を支えるデジタル社会は、
それほどまでに電気に依存しているのです。


デジタル化・自動化を加速するAI・IoT・DX

 現代の社会や産業では、かつてないスピードでデジタル化・自動化が進んでいます。
製造現場にはAI(人工知能)による検品や最適化、IoT(モノのインターネット)で
繋がれたセンサー群、M2M(Machine to Machine)による機械同士の自律通信が導入され、
データに基づく効率化が図られています。
 経営会議では「DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進せよ」という言葉が合言葉のように飛び交い、中小企業から大企業まで競うように最新技術を取り入れています。
AIが製品検査をし、IoTで機械の状態をリアルタイム監視し、M2Mでライン全体が自動調整されるスマート工場。
まさにSFが現実になったかのような光景が各地で生まれています。

 

 このような最先端技術の活用により、生産性やサービス品質は飛躍的に向上しつつあります。
 人手不足の工場でもロボットとAIが24時間止まらず稼働し、DXにより業務プロセスは可視化・効率化され、企業の競争力強化につながっています。
現代はまさにデジタル技術が経済を牽引する時代であり、私たちはその恩恵を日々享受しています。しかし。

すべての原動力は「電気」

 これら華々しいAI・IoT革命の裏側に、決して忘れてはならない本質的な事実があります。
それは、それら全てを動かしている原動力は「電気」であるということです。
どんな高度なAIサーバーも、高性能なIoTセンサーも、電源が入らなければただの箱や部品に過ぎません。
自動化された機械群も、電気によるモーターの回転がなければ一歩も動けない鉄の塊です。
私たちは普段意識しませんが、会社のオフィスでさえ照明からパソコン、空調、通信ネットワークに至るまで、すべてコンセントの先の電気に支えられています。

 デジタル社会を走らせるAIという「頭脳」、IoTという「神経網」、ロボットという「筋肉」。
その心臓にあたるのが、ほかでもない電気なのです。
電気エネルギーが脈々と流れることで、頭脳は働き、神経網は信号を送り、筋肉は動作する。
裏を返せば、
電気という心臓が止まれば、どれだけ賢い頭脳も俊敏な筋肉も活動を止めてしまいます。

電気なしでは1秒も動かない現実

 では、もしその電気が途絶えたらどうなるでしょうか?答えは残酷なまでにシンプルです。
AIもロボットもパソコンも、
電気がなければ1秒も動かないのです。工場なら生産ラインは止まり、データセンターではサーバーがダウンし、オフィスでは真っ暗になって電話すら通じなくなるでしょう。現代のあらゆる業務が電力に依存しており、電力供給が途絶えると作業停止・データ喪失・顧客対応遅延など多くの問題が発生します
特に製造業やサービス業では、電力供給の停止は即座に経済的損失に直結します

要するに、電気のスイッチが切られた瞬間、私たちの高度に最適化された未来も同時にスイッチオフしてしまうという現実があるのです。

 普段は当たり前すぎて意識しない電気ですが、その存在を突きつけられるのは停電やトラブルが起きた瞬間です。
一瞬でも停電が発生すれば、私たちは初めて「電気がないと何もできない…」という事実に直面します。
作業中のデータは保存前に消え、オンライン会議は切断され、生産ラインでは不良品やロスが発生するかもしれません。
電気なしでは何も動かない。
デジタル時代の私たちにとって、これほど恐ろしく、しかし揺るがぬ現実はないでしょう。

見えない生命線:安定した電源供給

 だからこそ、企業活動や私たちの生活において電源の安定供給は「見えない生命線」と呼べるほど重要な意味を持ちます。日頃は目に見えませんが、電気は空気や水のように絶え間なく供給されることで初めて、経済も日常も正常に機能します。安定した電力供給は、企業の事業継続計画(BCP)の重要な柱であり、これが欠けると企業の信頼性すら揺らぎかねません。特に昨今はDXの進展でデータセンターやスマート工場の電力需要が増大しており、将来にわたり電力インフラを安定させることはますます重要な課題となっています

 電気のありがたみは普段感じにくいものですが、それが途絶えた時のダメージは計り知れません。停電はもちろん、電圧が不安定になるだけでも機械やシステムに支障をきたす場合があります。実際、過大な電圧(サージ)の侵入は機器に大きな被害をもたらし、修理交換費だけでなく長時間のダウンタイムやデータ損失によって損害コストが一層膨らむことが指摘されています。安定した電源は、企業の売上や信頼を下支えする“縁の下の力持ち”であり、一度切れてしまえば莫大な損失と混乱を招く見えない生命線なのです。

一瞬のサージが甚大な被害を招く

電気の怖さは「止まる」ことだけではありません。
の一撃が遠く離れた場所に落ちても、その瞬間に発生した強烈な高電圧(雷サージ)が電線を伝わって工場やオフィスの機器を襲う可能性があります

雷サージは一瞬にして精密機器を焼損させ、システムを停止させてしまいます。
目の前に雷が落ちなくとも、目に見えない電気の津波が私たちの大切な設備に押し寄せるのです。

 さらに見過ごされがちなのが、日常的に発生するスイッチングサージです。
例えば工場内で大型モーターを起動・停止したり、ビルで大容量の空調設備がON/OFFする際、一瞬だけ回路に高い電圧や電流のスパイク(急激な変動)が生じます。
これがスイッチングサージと呼ばれるものです。
雷ほど派手ではありませんが、スイッチングサージはじわじわと機器の電子部品にストレスを与え、寿命を縮めたり、最悪の場合故障や誤動作を引き起こします。
身近な例では、大型設備の始動時に照明が一瞬ちらついた経験があるかもしれません。
それは電圧変動による小さなサージの兆候です。

 雷サージにせよスイッチングサージにせよ、こうした電源トラブルが引き金となれば、先述のように工場の稼働停止やシステム障害によって一次被害以上の甚大な二次被害が発生します。
壊れた機器の修理費用だけでなく、生産ラインの停止による納期遅延や顧客への補償、社内外の信頼低下といった見えない損失が重くのしかかります

わずか一度の電源トラブルが、企業にとって数百万円から数億円規模の損害につながりかねないのです。
このように電気の安定供給を脅かす「サージ」という見えない敵に、私たちは備えなければなりません。

最先端の電源防護技術:コヒーラ型SPDと相間中和法

 では、こうした雷やサージから大切な設備を守るにはどうしたら良いのでしょうか。
近年、その鍵として注目されているのがSPD(サージ防護デバイス/避雷器)と呼ばれる機器の活用です。
SPDはコンセントや配電盤に組み込むことで、異常な過電圧が発生した瞬間に自動で過電圧を抑制し、電気機器へのダメージを防ぎます。

通常は電気を通さず待機していますが、雷サージなど異常電圧を検知すると一瞬で作動し、そのエネルギーを逃がしたり吸収したりして機器を守ります

 中でも最新技術として登場しているのが、「コヒーラ型SPD」と呼ばれる特殊なSPDです
このデバイスは特許技術を用いた
「相間中和方式」という方式で雷サージに対処します。
一体それは何かというと、
通常のSPDがサージ電流を大地(アース)に逃がすのに対し、相間中和方式のSPDはサージのエネルギーを
吸収・中和
してしまいます
このおかげで、雷による異常な高電圧が重要機器に到達する前に効果的に抑制できるのです

さらにこの方式は、従来のアース接続型SPDでは対応が難しかったような特殊な波形のサージや、応答の遅れによる残留サージにも対処できるとされています
。(1ns未満であるが実測限界は3ns)

 難しい技術の話になりましたが、要するに「最新のSPD技術では雷のエネルギーですら無力化できる」ということです。
例えばコヒーラ型SPDをコンセントに挿しておけば、その周囲数メートルの電気配線内に侵入しようとする2kA(8/20μs)雷サージ電流を処理できます

しかも設置に大掛かりな工事は不要で、アース(接地)工事もいらず、プラグインタイプにすれば、ただ接続するだけで効果を発揮します。
この
コヒーラ型SPDを搭載した電気サージ抑制装置は最新テクノロジーが宿り、私たちの見えない生命線を守ります。
電気サージ抑制装置

「電気」という無名のヒーローに目を向けて

 当たり前に使えている間は、その存在すら意識しない電気
しかし、現代のAIもIoTも、その裏で24時間休まず働く電気がなければ輝けません。
電気は決して目立つことはありませんが、私たちの未来を陰で支える無名のヒーローなのです。
だからこそ、企業の経営層やDX推進担当者の皆さんには、この「見えない生命線」をぜひ大切に扱っていただきたいと思います。
安定した電源の確保と保護は、最新IT投資と同じかそれ以上に重要な未来への投資です。
雷対策に高度なSPDを導入すること、電源トラブルに備えた予備電源や対策を講じておくことは、結果的に会社の命運を守ることにつながります。

 電気が1秒でも途切れれば、未来が1秒止まる。そのリアリティを胸に刻みつつ、テクノロジーの陰にある電気の存在に今一度目を向けてみましょう。
きっと、いつもは無言で頼りになる相棒(電気)のありがたさに気づくはずです。
そして私たちは、その相棒がこれからも元気に働き続けられるよう、支え守っていく責任があるのではないでしょうか。
電気という見えない心臓を守ること。
それが、AIやIoTが描く輝かしい未来を現実のものとし続けるための、何より確かな土台なのです。

電気サージ抑制装置