英検一次の合否が出て、二次面接に向けて練習している学生たちがいると思います。挑むみなさんは、頑張ってください!
今日はちょっと、久しぶりの辛口コメントです。
ここ数年の英検一次のテストの設問内容に、少々問題ありと常々思っておりましたが、今回は、それにも増して、合否判定の判定基準に大きな欠陥を見つけてしまいました。そして、この合格基準が、あまりにお粗末で、やはり英検なんかに振り回され、合否に一喜一憂するなど、もってのほかであると、あらためて感じたのです。
準2級の問題ですが、レベル的には中学3年間の集大成であり、中3までの文法と高校1年生の文法や単語力、読解力を有しているものが合格と判断されるべきテストです。
実際の内容的には、文法の範囲もほぼ高校1年前半で習う仮定法や分詞構文などの文法解釈までを70%程度理解していることが望ましいのだと、指導する側からは見て取れます。
文法や長文読解のリーディング問題が37問で7割が合格ボーダーであるならば、最低でも25問程度の正解が合格ボーダーとなるべきです。リスニングなどで補っても、最低60%=20問以上は正解することが常識の範囲内と言えます。
確かに一つ一つの問題は、文法や単語を適切に理解しているかどうかを試される問題であり、準2級であれば、この程度の単語や熟語はわかっていて欲しいというものが出題されています。
しかしながら、なんと、今回の合格者に、長文大問題(3)と(4)が全問不正解、会話文(2)が5問中3問不正解。単語力や熟語、文法力を問う大問(1)でも、20問中11問不正解=すなわちリーディング全体の正解がたったの11問。正解率が29%であるにも関わらず、準2級1次に合格した生徒が出現してしまいました。 さすがにこの判定には、前代未聞の驚きです。
ではリスニングが満点だったのか?というと、リスニングすらも63%程度の正解率です。 じゃあ、なぜ合格したのか?
自由作文となったライティングが16点満点中13点で81%でした。内容を吟味しても、減点法で採点されており、可もなく不可もなく程度の普通の作文です。作文の採点方法はさておき、スコアに直した時の、1点あたりの返還配分が、リーディングやリスニングの2倍の重みをもち(作文で獲得す1点は、リスニングの2問分と同等)、作文を無難にこなせれば、大逆転が可能ということです。では、リーディング、リスニングに対して、作文の比率にこんなに格差があっていいものなんでしょうか?作文で使っている英単語は、5級や4級程度の単語と文法です。
合格した生徒からしてみると、合格させてくれてありがとうですが、この偏った評価の仕方に、益々英検の「権威」や「品格」というものに不信感を抱かざるをえない結果を見せられた気がします。
英検に抗議したところで、どうにもなるものではありません。 うちは10年以上も準会場をやってます。英検を求める生徒や英検を面接や入試の合格基準とする学校があることも事実なので、ガリレオ先生は今後も合格者をできるだけ多く出すべく、指導していきますが、同時に欠陥資格であることも肝に銘じて置こうと、ますます思ったのです。