多くの人が刷り込まれている「学問のすすめ」の勘違い | 仙台城 謎の覆面ガイド「すこっち」のブログ

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どうも、すこっちです。!(^^)!

 

学生時代に誰もが教科書等で目にしてきた福沢諭吉の「学問ノススメ」の有名なくだり。

 

「天は人の上に人を作らず 人の下に人を作らず」

 

これをほとんどの人は、「へえ、福沢諭吉って、明治時代に人の平等を説いた立派な人だよねぇ」という認識で終わっている。

 

がしかし、この有名な「天は~」のくだりに続きがあることは意外と知られていない。

 

『学問のすすめ』に書かれているのは「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと言えり」となっている。最後の「言えり」が肝でして、「言えり」とは「言われてきた」という意味。

 

つまり、別に福沢諭吉が自分の思想の中から民衆に訴えかけるために生み出した言葉ではなくて、アメリカの独立宣言にも使われ、フランスの人権宣言などにも出てくる耳に心地いい民主主義の決め台詞を引用しただけ、だったりするのです。


そしてね、続けてこう書かれてある。

「されども今広くこの人間世界を見渡すに、かしこき人あり、おろかなる人あり、貧しきもあり、富めるもあり、貴人もあり、下人もありて、その有様、雲と泥との相違あるに似たるは何ぞや」

つまり福沢諭吉は、現実には人と人との間に大きな格差がある、と言っている。

では、この差はどうして生まれるのか? 賢い人と愚かな人は何が違うのか?
その理由を、福沢諭吉はこう述べている。

「学ぶと学ばざるとにより出来るものなり」

つまり「人は平等に生まれてはくるけれど、学問をするかどうかで大きな差が出るのだ」と言ったのだそうです。 


まあ、最終的には学問を勧めてるんで、本筋を逸脱しているわけではないんです。ただ、彼が人の平等を説いたわけではないってことは、勘違いしていた方はこれを機会に「言えり」がついていたって事を覚えておいて頂きたい。

少年老い易く学成り難し、学問を極めるていうのはなかなかしんどいもの。意外と小さな事の積み重ねである「凡事徹底」が効いてくるのかな。