どうも、すこっちです。(^^)
あまり触れたくない話ではありますが、アタシの勤める会社で退職者が結構続出中なのです。
主に作業に従事する技能職とデスクワーク中心の事務職とに分かれるんですけど、ここ1年技能職も事務職もまんべんなく会社を去っていく。
技能職に関しては、「せっかく資格を取らせて育ったのに」という入社5年以上10年未満の「これから活躍世代」が多かったり、事務職に至っては理由は様々なんでしょうけど、30歳ぐらいでの退職が多いような気がするなぁ。
退職していく後輩と退職手続きの時に少し話をしたのですが、どうやら大学時代のつてを頼ってすでに就職先が決まっていて、千葉県に行くという。(出身は宮城県)
まあ、今の時代他に有利な条件で採用してくれるところがあるのであれば、縛られることも躊躇することもなく、そっちの方をチョイスするっていう若者は多いのかもしれない。独り身であればそのへんは動きやすいのかもしれませんね。でも、家族のある身で安易に退職を決めてしまう方の神経がアタシらアラフィフ世代にはなかなか理解し難い。
ジェンダーフリーでダイバーシティの世の中ではあるけれど、男が一家の主となったからには、妻子を養っていくという気構えを失いたくはないものだという考えは古いんでしょうか?
でね、最近こうした離職者話を目の当たりにして、「どうしてウチの会社を辞めていくんだろうか?」なんてことをアタシなりに真剣に考察をしてみたんです。そしたら、こんな仮説が出来上がった。
ウチの会社の新人教育、社内教育を見ていると、もちろん最初のうちは仕事のやり方であったり、電話の取り方や接客の作法なんかを丁寧に教える。そうして、そんなことが身についてもうアシストが無くとも独り立ちができそうになった頃に、自分の耳に突然悪魔の囁きが聞こえてきて、一瞬は迷うんだろうけど、いつの間にかその囁きでスイッチが入った想いがどんどん増幅して行って、ある日突然退職の意志を上司に伝えるという形になっているような気がするんです。
これをね、お酒に例えてみるとしましょう。
ビール、日本酒やワインは醸造酒、発酵酒ともいいまして、麦、米、ぶどうといったものに酵母を加えて発酵させ、ある程度ろ過して飲みやすいお酒が出来上がる。
一方ウィスキーは発酵した原酒を沸騰して蒸気にして、冷やして液体にして、また沸騰させて蒸気にして、冷やして液体にしてを2回ほど繰り返してアルコール濃度を高め、それを樽に入れて寝かせる(熟成させる)。そうして美味しいウィスキーが出来上がる。
つまりね、「社員教育」、人を育てるということは、どこかこのウィスキーづくりに似ているようにアタシは思うのです。醸造酒は確かに美味しいし、ビールも日本酒もワインも根強い人気がある。この時点でお酒として十分に満足できる代物だ。
そこにあえて蒸留というめんどくさい工程を追加して、さらにそれを樽に詰めてなんもしないで4年以上寝かせたりするウィスキー。コスパにタイパが重視される現代においてこれほど非効率の極みとも言えるお酒が存在すること自体が不思議である。
でもね、人間のアイデアや考えって、一瞬いいアイデアだ!名文だ!とその時は思っても、一晩寝かせてみると、「やっぱここはこうした方がいいかも」といったふうにさらにブラッシュアップされたいい作品になるってことが結構ある。
人の育て方も実はこのウィスキーの「蒸留する」=「何度も反復して仕事を体に覚え込ませる」
「樽で熟成する」=「今の自分に合った仕事のやり方を自分なりに考えてアレンジする」という工程を踏まないと、一人前に育っていかないのではないだろうか?
人を育てるには時間が掛かる。美味しいウィスキーが出来るのにも時間が掛かる。
寝かせることで、深みのある味わいと香りが醸し出されるようになるのは、ウィスキーも人間も同じってことなんじゃないでしょうかね。
モルトウィスキーとグレーンウィスキーをブレンドするブレンデッドもまたしかり。
色んな人と交わって、いろんな意見や話を聞いて、いろんな体験をするからいい味が出せる。
時には氷を入れたり、ソーダで割ったり、水で割ったり。
他人の意見も取り入れて、自分を薄めて同化することで、さらに新たな香りやテイストが生まれる。仕事なんてそんなもんですよ。
仕事とウィスキー、なんて似た者同士なんでしょう。(^^)