うさぎとお花のイースタークッキー | ~Cookie Crumbs~クッキー・クラムズのアイシングクッキー

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4日はイースターということで、うさぎとお花のクッキーを作りました。
 

 

うさぎのクッキーはどちらも2つの型を組み合わせたものです。

ブーツに入ったうさぎのクッキーは、Daisy'sさんのブーツ型とうさぎさん型。

走っているうさぎさんには、またまた葉っぱのプランジャーを使いました。

 

 

 

うさぎは共通で、こちらの型です。

 

 

 

ブーツから出ている手の部分は、生地を適当に丸めてくっつけました。

 

丸いクッキーには、ほんとうはHappy Easterと書こうかと思ったのですが、Happyという文字は筆記体となると絶望的なのでほかの言葉を探しました。

(特に難しいところがPPの連続で、くるくるするところが連続するうえ、さらに次にYが来るのが致命的です)

Hello Springとかでもいいかなと思いましたが、もうちょっと変わったものにしたいということで、ロシアのことわざであるA kind word is like a spring day.にしました。

 

 

 

もう1枚の丸いクッキーには、Love and Compassionと書いてみました。

Compassionは「慈悲;思いやり」といった意味です。

 

 

 
 
うさぎは、白いベースが乾いたあとゆるいアイシングを筆で叩くように塗って、それが乾いてから粉糖をはたきました。
卵もだいたい同じですが、こちらはふわふわというよりマットな感じにするために、ゆるいアイシングはサッと薄く塗るだけにして粉糖をはたきました。
 
 
さて、ここからまったく話が変わりますが、お時間ある方おつきあいくださいませ。
 

最近アジア人へのヘイトクライムのニュースに関連して、80年代に起きた「ヴィンセント・チン殺人事件」というものを知りました。アメリカ、デトロイトで中国系アメリカ人のヴィンセントが二人の白人男性に殴り殺された事件です。

 

当時は「日米貿易摩擦」の時代で、日本車をはじめとする安くて優秀な日本製品がアメリカにどんどん流入し、一方でアメリカ製品は需要が減り日本にも参入しづらいじゃないから、自動車輸出を自主規制しろとか牛肉の関税なくして日本で安く売れとかいったことがありました。日本車のせいで仕事を奪われたと思うアメリカの人々も当然いて、特に自動車の街デトロイトでひどい「ジャパンバッシング」があったことは想像に難くありません。

 

ヴィンセントはストリップ・クラブにバチェラー・パーティー(結婚直前の新郎の男同士のパーティですね)で来ていたところ、犯人の白人2人がヴィンセントを日本人だと思って、日本車が売れててムカつくという理由で殴り殺してしまいました。2人は第2級殺人(murder)で起訴されたものの、結局故殺(manslaughter)となって、結局3000ドルの罰金のみという信じられない軽い量刑となりました。当然こんな判決にアジア人コミュニティは反発して、今度は公民権侵害の罪で裁判が争われ、ひとりは25年、ひとりは無罪を言い渡されましたが、結局この判決も再審で撤回されてしまいました。

 

アメリカでは、現在でも人種が犯罪の捜査や裁判に影響することがあるようです。「白人に対する黒人の罪は重く、黒人に対する白人の罪は軽い」ということは私も知っていましたが、「アジア人に対する白人の罪も軽い」ということは知りませんでした。アジア人は比較的地味でまじめな人が多いので黒人ほど差別されたり攻撃されたりしないはずとつい考えてしまうのは私だけではないと思います。また、少なからぬ日本人が「ほかのアジア人より優れている、欧米でも好かれている」と考えがちです(アジア人同士の差別、分断があるのも事実ですね)。でも、こういう認識はやはり甘いというか楽観的にすぎるかもしれません。30年前の話とはいえ、日本人が憎いからといって殴り殺す、そして殺されたのはアジア人だからといって罪が軽くなる、ということが起こっていて、またこれが唯一の事例などというはずもないでしょう。

 

黒人差別はアメリカでは常に非常に大きく取り上げられる問題なので、黒人の容疑者や被告に対する警察や司法の不当なやり方を描いたドキュメンタリーや映画などはたびたび見てきましたが、アジア人を扱ったものはあまり見たことがなく、深刻に考えたこともありませんでした。これを機会に、アジア人差別、アジア人同士の差別や軋轢について考えてみてもいいかもしれません。