ハエトリグモでセコく新顔登録を稼ぐ……(小網代の森~ソレイユの丘) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

雑誌の〆切間近につき、

更新が遅れてしまって申し訳ありません。

 

前回の翌日の話ですが、毎年GW恒例の小網代の森

昨年リニューアルオープンしたソレイユの丘

ハシゴしてまいりましたので、さくさく紹介します。

 

 

 

 

 

 

きれいな水環境が整っているだけあり

例年通り、小網代はトンボの楽園になっていました。

カワトンボ(右)はともかく、ダビドサナエ(左)は

そう簡単に会える種でもないはずですが

この日は3回ほどエンカウントしました。

 

 

 

 

 

この時はまだフジが満開でしたね。

(あれから約1ヶ月経過しています……)

 

ちなみに、ちょうど花が最盛期だったからか

この距離でも散策路を歩いていると

フジの花の良い香りが漂ってくるほどでした。

これなら「鬼滅」の鬼も近づけまい

 

 

 

 

 

ここから、ハエトリグモが続きます。

今まで「ハエトリグモの一種」で済ませていたものを

ちゃんと識別して新顔登録していきましょう。

中には過去に撮ったものもいますので

少々卑怯な気がしないでもないですが(汗)

 

まず、上の写真はシラヒゲハエトリ

名前の由来については、まあ見たまんまですね。

 

遭遇率・・・3 (それなりに目にする種)

インパクト・・・1 (小さいので仕方なし)

美しさ・・・2 (配色は地味で毛むくじゃら)

俊敏性・・・3 (歩く速度は速い)

知名度・・・2 (「ハエトリグモ」で片づけている人が多い模様……)

 

 

 

 

 

こちらはネコハエトリ

図鑑で調べたところ、どうやらメスみたいです。

ハエトリグモの仲間はオスとメスで

カラーリングが違うものも多いので

その都度識別が必要みたいです。

 

遭遇率・・・3 (これも普通種らしい)

インパクト・・・1 (上に同じ)

美しさ・・・3 (模様の入り方が素敵)

俊敏性・・・3 (やっぱり上に同じ)

知名度・・・2 (やっぱり上ry)

 

確かに名前通り、模様がネコっぽいかも?

 

 

 

 

 

こちらはマミジロハエトリ(オス)。

これについては過去のフォルダを漁ってみると

結構な数の写真がヒットしましたので

普通種の中でも特にポピュラーみたいです。

 

遭遇率・・・4 (都心部でも結構出る模様)

インパクト・・・1 (上に同じ)

美しさ・・・2 (ちょっと地味かもしれない)

俊敏性・・・3 (やっぱり上に同じ)

知名度・・・2 (やっぱり上ry)

 

 

 

 

 

これは、先日新顔登録したアオオビハエトリ

思えばこの美麗種を撮影したのが

ハエトリグモの識別を始めた切っ掛けでした。

 

両腕(というか前脚)を上げているのは、

一説によりますとアリの触角に見せかけて

アリに擬態し、近づいてきたアリを襲うためだとか?

人間の目線からだとそんなにアリに似ているようには

見えませんが、アリ目線だと誤認するんだろうか?(?_?)

 

 

 

 

 

カメノコテントウ

相変わらずテントウムシにしては大きく

直接目にするとすごく印象に残ります。

 

ちなみに、ハラグロオオテントウ

どちらが大きいかは微妙なラインです。

個体による……という感じかな?

 

 

 

 

 

 

カニも発生。チゴガニ(左)はダンス中で、

アカガニ(右)についてはまだ穴倉から

出てきてはいませんでしたが

覗いてみると結構な数が確認できました。

気温が上がり、活動が活発になっているようです。

 

 

 

 

 

コケを食べている(らしい)アカガニ

彼らは雑食性で結構色々なものを食べ、

たまに生ゴミを漁ることもあるそうです(爆)

 

相変わらず小網代の名物ですが

今後も末永く観察できることを願うと共に

現地を維持管理されている有志の皆さんに

この場を借りて深く感謝申し上げます。<(_ _)>

 

 

 

 

 

いきなりウグイス君

こちらを見て首を傾げたかと思いきや

次の瞬間にはもう藪の中。

 

狙って撮ろうと思うとストレスが溜まるので

まあ「撮れたらラッキー」くらいに思いましょう(爆)

 

 

 

 

 

徒歩とバスを駆使して、ソレイユの丘へ。

昨年春のリニューアル時にはまだ充実していなかった花壇が

この日はご覧の通り。ネモフィラやリナリア、

ルピナスなどが彩るフラワースケープは圧巻でした。

 

 

 

 

 

 

黄土色の見たことのない甲虫が……と思いきや

単に土まみれのコアオハナムグリでした(汗)。

地面から出てきたばっかりだったみたいですね。

 

 

 

 

 

この時期の花壇では、ルピナスが特に存在感を発揮します。

かつては「一面菜の花畑」みたいなところでしたが

花の数・種類共にリニューアルに伴って

ずいぶん充実してきたように感じます。

 

 

 

 

 

一方で、こういう渓流を彷彿とさせるエリアも。

夏の夜になるとホタルが観察できるそうです。

 

 

 

 

 

 

自然度が高いため、カナヘビ(左)が出て来たり

ミズキの花の上にコアオハナムグリがいたり(右)と

ささやかながら色々な出合いがあります。

 

 

 

 

 

 

花畑の充実しているソレイユの丘ですが

海に近いだけあり、風がかなり強いのがネック。

そのため、上記の広いお花畑では

あまり昆虫の姿は見られません。

(風で植物が揺れて止まりにくいから?)

 

この日はむしろ、キャンプ場の近くで

シロツメクサにミツバチの仲間が来ているのを確認しました。

背丈の低いシロツメクサは風の影響を受けにくいため

落ち着いて蜜と花粉を集められる……ということでしょう。

 

 

 

 

 

ソレイユの丘は、以前にもお話しましたが

磯に降りることもできます。この日はサンダルがなかったので

あまり磯散策はできなかったのですが

ざっと調べてみただけでもイソクズガニ(写真)など

磯の生きものが複数確認できました。

 

 

 

 

 

この魚は……何だろう?

写りがちょっと悪いので判断が難しいです。

大きさは全長15センチくらいだったでしょうか?

背びれ近くにトゲのようなものが確認できたため

手を出して捕まえるのは控えました。

 

 

 

 

 

最後に、タイドプールで偶然見つけた

おなじみのアオウミウシです。

本当にたまたま1匹だけいましたので

手持ちのペットボトルの蓋を使って捕獲・撮影。

前日の真鶴では会えずちょっと寂しかったので

存分に撮影を楽しませていただきました。

 

 

 

 

【4/29 小網代の森~ソレイユの丘で撮影した生きもの】

鳥類・・・イソヒヨドリ、ウグイス、コサギ、ツバメ、トビ、メジロ

昆虫類・・・アオオビハエトリ、アカタテハ、カトウカミキリモドキ、カメノコテントウ、カワトンボ、キタテハ、キリギリスの幼虫、クロウリハムシ、コアオハナムグリ、コチャバネセセリ、シマアメンボ、シラヒゲハエトリ、スジクロシロチョウ、セイヨウミツバチ、ダイミョウキマダラハナバチ、ダビドサナエ、ナガメ、ナナホシテントウ、ニッポンヒゲナガハナバチ、ネコハエトリ、ババムカシハナバチ、ヒシバッタ、ヒメギス(幼虫)、ヒメホシカメムシ、ホオズキカメムシ、ホソヒラタアブ、マミジロハエトリ、ムシヒキアブ、モモブトカミキリモドキ、モリチャバネゴキブリ(幼虫)、ヤマサナエ

その他・・・アオウミウシ、アカテガニ、アゴハゼ、アメフラシ、イソクズガニ、イソヨコバサミ、ウメボシイソギンチャク、コメツキガニ、チゴガニ、ニホンカナヘビ、ヒライソガニ、フナムシ、ベンケイガニ、ムラサキウニ、ヨロイイソギンチャク

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2024年6月16日(日)に開催いたします。

 行先は「代々木公園~明治神宮御苑」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。