雨の降る中、もう一つのカワセミの聖地へ(恩田川) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

これは、前回の記事でもちらと触れました

本来1月の「首都圏生きものめぐり」講座を開催する予定だった

1月21日の記録です。午前中は大降りだったのですが

午後から小康状態になるという予報がありましたため

昨冬1回訪問しました恩田川に行ってまいりました。

 

いたち川と比べると川幅が狭いのですが

何気に二級河川のいたち川に対し

こちらは一級河川だったりします。

下流の方で鶴見川と合流しているのですが

今回は上流方面へと歩を進める形になります。

(途中で横浜市から東京都町田市に入ります)

 

写真の川の中にいるのはすべてカワウです。

結構な数が来ていました。

 

 

 

 

 

川近くの車道をウロウロする

変なポーズのハクセキレイ

 

都会に最も順応したセキレイと言えば

間違いなくこのハクセキレイですが……↓

 

 

 

 

 

 

恩田川をちょいと覗いてみれば

キセキレイ(左)やセグロセキレイ(右)など

より自然度の高い場所を好む種も多くいます。

特にこの日はキセキレイとよく遭遇しました。

 

前日から続く大雨の影響で水嵩が増していましたが

それでもちゃんと中洲などは残っていましたし

倒れた注水植物などもよい足場になりますので

あまり影響はなかったようです。

 

 

 

 

 

 

セグロカモメ(左)とイソシギ(右)もいました。

イソシギの方は、たまにコンクリ壁を突いていましたが

貼りついた藻を食べていたのか、

それとも藻から発生する小昆虫を食べていたのか……?

(Wikiには動物食と書いてあるのですが)

 

いずれにせよ、非常に歩きにくそうなコンクリ護岸を

それでも離れまじと懸命に歩いていた辺りからすると

余程魅力的な「食」があったに違いない……。

 

 

 

 

 

こういうふうに

簡単に食事にありつける奴らと比べると

イソシギの苦労がよくわかります(爆)

っていうか野菜食うな

 

 

 

 

 

 

上流の方に進むと、ソメイヨシノの列植されたエリアへ。

実際、春のサクラの名所として知られています。

ちなみにここは横浜市ではなく、町田市の中になります。

 

どうしてもいたち川と比べると護岸が寂しいですが

それでも結構な率でコサギ(右)などに出くわします。

(ただ、恐らくはいたち川の方が全体的に多い)

 

 

 

 

 

カワセミも出てきました。

これもいたち川に比べると遭遇率はやや低いですが

それでも探すのに然程苦労しないレベルです。

 

写真にもしっかりと雨が写っています通り

予報に反して結構ダラダラと降り続けていましたが

予報アプリにぶつくさ文句を言いつつ構わずもっと上流に向かいます。

 

 

 

 

 

ムクドリ(左)とオナガ(右)

珍しく1羽ずつ並んだので撮っておきました。

 

いずれも都市部ではコモン枠の鳥……なのでしょうが

オナガに関してはここ数年でかなり増えた気がします。

メジロほど顕著ではありませんが、ブログを始めた頃と

比較すると遭遇率は明らかに上がっています。

特に戸田市内はエンカウント率が高めです。

 

 

 

 

 

すばらしい懸垂能力

 

しかし、東京五輪を機に一気に広まった

スポーツクライミングなるものを見ていると

鍛錬さえ積めば人であっても

これしきのことはできる……らしい。

鍛錬が必要であって私ができるとは一言も言っていない(迫真)

 

 

 

 

 

まったく自然護岸な部分がないわけではなく

所々草木の生えているところが確認できます。

 

赤い丸の中にカワセミがいるのですが

拡大してもわかりにくいかも?(汗)

 

 

 

 

 

というわけで、そのカワセミを極限までクローズアップ。

ちょうど食事中でした。この後何度か魚を叩きつけて

ほぼ死亡同然の状態にしてから丸のみにし

どこかへ飛んで行ってしまいました(爆)

 

まあ、完全に生きたまま腹の中で消化されるより

あらかじめ息の根を止めてもらった方が

魚的にはマシ……なのかどうかは微妙かなり微妙……。

 

 

 

 

 

 

もっと上流へ。川幅がより狭くなりましたが

周りは閑静な住宅街になっています。

散歩道としてはちょうど良いかもしれません。

 

護岸の草むらからはいたち川と同じく

アオジが何度か飛び出してきました。

 

 

 

 

 

エナガが、ヨシの茎を齧ろうとしています。

オオジュリンやシジュウカラがやるシーンは

よく見かけますが、エナガは初めてかも?

 

 

 

 

 

 

さらに上流へ進むと、バンの幼鳥(右)が。

近くに大人の個体もいましたので

間違いなく親子でしょう。

 

で、これ以上は上流に進んでも

川幅が狭すぎて成果がなさそうなので

歩いて長津田方面に「逆行」します。

昨冬はこの後バスを駆使して

こどもの国方面まで行きましたが

この日は午後スタートで時間がなかったので……。

 

 

 

 

 

コガモの集団。彼らは浅い川を好みますが

これは川底の藻などを嘴で削り取って食べるため。

身体が小さく潜るのが苦手なコガモにとっては

こういう場所が一番居心地良いのかもしれません。

 

 

 

 

 

最後に、斜めになったコンクリ護岸から

水面を見下ろしているカワセミです。

(中央やや右側にいます)

この日は確かに増水はしていたものの

そんなに水が濁ってはいませんでしたので

彼らの「狩り」にもあまり影響はなかったみたいです。

実際、魚を捕っている個体もいましたしね。

 

講座が延期になり咄嗟の思い付きで出かけましたが

結果的には結構な数の鳥に会えました。

ほとんどコモン枠しかいませんが

こういう見慣れた鳥が安定して見られるということは

環境が良いということの証でもあります。

 

なお、本当はクイナなんかも来ている模様です。

時間があったら探しに行きたいところ。

 

 

 

 

 

【1/21 恩田川で撮影した生きもの】

アオサギ、アオジ、イソシギ、エナガ、オナガ、カルガモ、カワウ、カワセミ、キジバト、キセキレイ、コガモ、コサギ、シジュウカラ、セグロカモメ、セグロセキレイ、ツグミ、ハクセキレイ、バン、ヒドリガモ、ヒヨドリ、ムクドリ、メジロ

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2024年3月17日(日)に開催いたします。

 行先は「皇居周辺」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。