12月初頭の公園でも、昆虫を追いかける(こども自然公園) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

前回の続きです。

正午前に境川遊水地公園を後にし

午後は同じ相鉄線沿いにある

こども自然公園(大池公園)に行きました。

 

昨年に引き続き、クビワキンクロ♀が

飛来しているという情報がありましたので

それを確かめるのが一応第一目的でありましたが

12月にしては気温がかなり高かったので

昆虫もある程度期待できるかと踏んでおりました。

 

例年ですとこの公園は11月に訪問していましたし

その時期にはカマキリやバッタもそれなりに出ていたので

ある意味「安定」していたのですが、12月となると

季節上は冬ということになりますので話は違ってきます。

例年より気温が高いとはいえ、ちょくちょく真冬の気候になったりと

決して常に温暖というわけではないので

それでもなお昆虫が観察できるのか?

その辺を確かめるという意味ではちょっと新鮮な訪問でした。

 

 

 

 

 

 

池の方ももちろんチェックします。

カメ(アカミミガメ?)も出ていましたが

これ自体は真冬でも天気が良ければありうることです。

あと、カワセミはこの日少々不発気味でして

一度遠方に出現しただけでした(右写真)。

 

 

 

 

 

 

中池の方に移動。

今冬もキンクロハジロが集団で来ており

その中に1羽だけクビワキンクロのメスが

混じっていました。これもまた昨年と同じ。

(なぜかメスしか来ていないのも同じ)

 

ただ、一応は違う種として互いに認識しているのか

クビワryが1羽だけ集団から離れることも

しばしばありました。(右写真参照)

 

 

 

 

 

件のクビワキンクロのメス。

昨冬と同じ個体なのでしょうか?

割と近くまで来てくれましたが

逆光につき、写りはイマイチかもしれません(汗)

 

 

 

 

 

一通り水鳥を撮影し、

11月にいつもやっているように

とりでの森の草原を探ってみました。

 

ここからはほぼ昆虫の紹介になります。

 

 

 

 

 

また、指先にとまったアキアカネ

 

トンボの中では年内でも最長クラスに

遅くまで見られる種の一種ではありますが

12月ともなるとさすがに数はまばら。

とは言え、例年に比べて今月多いのは

間違いないかなと思っております。

(成虫越冬するオツネントンボはそもそも都心だと遭遇率が低い)

 

 

 

 

 

ショウリョウバッタモドキも健在。

とりでの森の斜面の草原全域に生息しており

11月ほどではないものの多数観察できました。

 

 

 

 

 

オオカマキリも見つけました。

ただ、そろそろ寿命が迫っているのか

頼りない足取りで地面を歩いていました。

 

上の写真だと鋭い目で威嚇しているように

見えるかもしれませんが……↓

 

 

 

 

 

実際のところは歩くのがやっとで

見ての通り翅もボロボロ。

このあと無事子孫を残して

天寿を全うできたのか否かは微妙です。

 

 

 

 

 

こちらは、出産を控えたハラビロカマキリ

金属柵の上を妙に低姿勢で歩いています。

 

 

 

 

 

こちらはハラビロカマキリの卵のう。

何ヶ所かで確認できました。

 

ところで「ムネアカハラビロカマキリ」は

どうなんているんでしょうか?

まだ今のところ、自分の散策範囲では

確認できていません。したくもありませんが

今秋も数多くのハラビロカマキリを見かけ

その都度ムネアカryか否かを確認してきましたが

幸いすべて在来種でした。

 

 

 

 

 

とりでの森の広場で見かけたヒナバッタ

ここではおなじみの「鳴く」バッタです。

 

 

 

 

 

 

午後の散策だったので大分陽が傾きかけており

日陰の部分も多くなっていました。

この時期は日照によって体感温度が大きく変わるため

陽が陰って寒くなると一気に昆虫の動きも止まります。

 

上の写真は、夕暮れ時に見られた

ツチイナゴ(左)とヤマトシジミ(右)です。

いずれも草むらでジッとしていました。

ツチイナゴは成虫越冬なので

この先も気温がある程度高くなれば

冬場でも姿を見かけることがあるかもしれません。

 

 

 

 

 

ちょっとわかりにくいかもしれませんが

オオカマキリの産卵シーンにも遭遇しました。

顔が葉で隠れていてわかりにくくてサーセンw

先月、神代植物公園で撮影した

チョウセンカマキリに続き、2度目の産卵シーン。

何気にオオカマキリでは初めて見たかもしれません。

 

 

 

 

 

チョウセンカマキリのそれとは明らかに形が違いますが

泡状の卵のうが細長い卵を包み込み、

最後は硬くなって春まで卵を守る……という

基本的な構造は同じです。

 

この写真は大分産卵が進んだ段階のようでしたが、

時計の針が16時を回り急激に冷え込んできたので、

最後まで観察することはできずにギブアップ

風邪をひく前に退散することとなりました(汗)

 

とりあえず、来春無事に孵化することを祈ります。

 

 

 

 

 

陽が陰ると急激に寒くなり

写真まで寒々しくなるこのシーズン。

皆様も体調にはくれぐれもお気を付けくださいませ。

<(_ _)>

 

 

 

 

 

【12/2 こども自然公園で撮影した生きもの】

鳥類・・・カルガモ、カワセミ、キジバト、キンクロハジロ、クビワキンクロ、マガモ、メジロ

昆虫類・・・アキアカネ、オオカマキリ、コバネイナゴ、ショウリョウバッタモドキ、ツチイナゴ、ナナホシテントウ、ハラビロカマキリ、ヒナバッタ、ベニシジミ、ホソヒラタアブ、ヤマトシジミ

その他・・・アカミミガメ

 

 

 

 

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