ハンゲショウの谷から、静かな鎌倉の高台へ(花をたずねて鎌倉歩き・7月) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

7月の「花をたずねて鎌倉歩き」では

広町緑地の近くにある夫婦池公園へ。

何気に、私は初めて来た場所になります。

大小2つの池と森で構成される公園で

どうやら池にはカワセミも姿を見せる模様。

実際、この日もカワセミ目当てのカメラマンが

土手の上でスタンバイしていました。

 

 

 

 

 

ウチワヤンマが出現。

こういう止水域ではポピュラーな存在です。

頻繁に枝の先などに止まってくれるため

撮影しやすいトンボの一つといえます。

 

逆に、コシアキトンボやギンヤンマなどは

全然止まってくれないので撮りにくく

無理して撮ろうとすると「いらっ」としがち。

炎天下では身体に毒なので無視するのも一つの手です

 

 

 

 

 

谷戸の一角には、巨大なハンゲショウの群落が。

さすがにもう8月に入った今となっては

葉も緑に戻ってしまっているでしょうが

白色の時は圧巻です。ぜひ、一度ご覧いただきたいところ。

 

 

 

 

 

ちなみにハンゲショウの花は虫媒花。

目立ちにくい穂状の花を目立たせるために

葉を白くして昆虫を呼んでいるのだとか。

(写真は、花に来る虫を待つサツマノミダマシ

 

ただ、葉が白いということは葉緑素が少ない」

すなわち「光合成がしにくい」ということであり

植物にとってみればデメリットにもなります。

7月下旬になると葉が緑に戻っていくのは

受粉がひと段落したので、

栄養を蓄えるために葉緑素を葉に行き届かせて

光合成を促しているから……なのかもしれません。

(他に理由が思い当たらないもので)

 

なお、ハンゲショウはドクダミの仲間。

確かに葉や花の形を見ると納得いきますね。

 

 

 

 

 

一昨年の神代植物公園での体験以来

ヤツデの葉の裏を調べる癖がついてしまった。

 

ただ、ヤツデキジラミが見つかるのは

ほとんどの場合、それなりに自然度の高い所ばかり。

ヤツデ自体は街中にもよく植えられますが

そちらではほとんど観察できません。

 

 

 

 

 

開けた草地で一休み。この草地も秋になれば、

結構な数のバッタが現れるものと思われます

 

 

 

 

 

木道を走って逃げるニホントカゲ

鎌倉はカナヘビよりも、こちらの方が多め。

全体に湿ったところが多いので

乾燥に強いカナヘビより環境に適応しやすいのかも?

 

 

 

 

 

オオシオカラトンボ

ジッとしていたので、至近距離から1枚。

 

 

 

 

 

なぜか管理事務所前にガーデンベアが。

まあ、同じ神奈川県ですしね。

(横浜の花博は2027年開催)

 

 

 

 

 

 

夫婦池公園があるのは

鎌倉山と呼ばれる丘陵の一角。

近くにカフェ&お菓子屋がありましたので

立ち寄らせていただきました。

ル・ミリュウ 鎌倉山というそうです。

(食べ歩き用にクッキーを1枚購入)

 

眺望がいいので、もし近くに来られる機会があれば

ぜひお立ち寄りいただきたいお店です。

 

 

 

 

 

葉の上で休憩中のキボシカミキリ

久しぶりに会ったような気がします。

 

 

 

 

 

 

その後、歩いて懐石料理店「檑亭(らいてい)」へ。

日本蕎麦などを食べられる名店ですが

起伏のある自然庭園もまた魅力となっています。

 

入園料がかかりますが、後で食事をする際には

飲食代から入園料が差し引かれるのが有難いポイント。

 

 

 

 

 

 

アジサイも多数開花しており

鎌倉らしい雰囲気を醸し出しています。

園内を散策中、キビタキの声を聞きましたが

木が茂っていて姿は見えず……。

まあ、夏鳥はこんなもんです(汗)。

 

 

 

 

 

食事は、こちらの大きな建物で。

高台に位置しているので見晴らしもなかなか。

 

 

 

 

 

日本蕎麦も大変美味でした。

決して安価なお店というわけではないですが

入園料が差し引きされることを考えれば

決して割高でもなく、おすすめのお店です。

 

人の集まりやすい鎌倉の中心街からは

かなり離れていますが、この日は結構人が多く

相当繁盛している様子でした。

私はグルメ関係の情報については拙いのですが

相当の名店であることは間違いないようです。

 

まだまだ鎌倉には知らない場所が多く

毎度講座に参加するたびに目からウロコです。

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2023年8月20日(日)に開催いたします。

 行先は「小山田緑地(東京都町田市)」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。