“くび”だけをこちらに向けるのは……(稲敷市・浮島)※後編 | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

 

前回の続き、稲敷市浮島の後編です。

ハス田から北東へ移動し、チュウヒの飛来地である

巨大なヨシ原 妙岐ノ鼻に向かいました。

 

巨大……といっても渡良瀬のようなものではなく

霞ヶ浦の畔の鼻のように突き出たごく一部分が

ヨシ原になっているに過ぎません。

ただ、この限られたフィールドに毎年多くの

チュウヒや各種猛禽類が飛来するということで

バードウォッチャーの聖地として知られています。

 

ヨシ原らしく、オオジュリン(左)も多数見られます。

噂では夏頃だと「コジュリン」なる小鳥も来るとか……。

 

 

 

 

 

 

これは渡良瀬でも同じなのですが

保全の観点から立ち入れる場所が制限されているため

大抵のバードウォッチャーは見晴らしのよい高台で

三脚を構えてひたすら鳥の飛来を待ちます。

(右は、この日最初に出てきたチュウヒです)

 

一応、ヨシ原の中に観察小屋のようなものがあるのですが

この日はほとんど利用者がいなかったようです。

 

 

 

 

 

わかりにくいですが、魚を捕まえているミサゴ

心なしか、獲物が小さく不機嫌ヅラ(爆)

 

 

 

 

 

ミサゴ×2のいる風景

 

 

 

 

 

ミサゴ×3のいる風景

 

……もうおわかりでしょうが

ここは異様にミサゴの多いエリアです。

妙岐ノ鼻に来たのは今回が初めてなので

昨年、一昨年と比較しての増減はわかりません。

一つだけ確実に言えるのは、あまりに多過ぎるので

バードウォッチャーには途中から結構な率で

無視されていたということです。

 

ミサゴ目的で足を運ぶエリアというのも

都心部には多いのでちょっと寂しい気もしますが

数が多いというのは良いことです。

 

 

 

 

 

 

左の写真が、上で触れた観察小屋です。

駐車場&展望台(?)から歩いて10分弱で行けると思われます。

ただ、展望台から結構な数のカメラが向けられていたため

ルール上問題なくても変にヨシ原の真横を歩くのは

ちょっと憚られました(鳥が飛んでしまう可能性があるので)。

 

この日は、なんと大人数のバスツアーで

バードウォッチングに来られている方々もいらっしゃいました。

皆さんずーっと展望台にスタンバイされていましたので

かなり身体が冷えたのではないかと少々心配。

何せ、風除けになるようなものは何もありませんので

この時期足を運ぶのなら防寒対策は必須です。

 

 

 

 

 

奥の方に見えるのが霞ヶ浦です。

地理で習う、日本で2番目にデカい湖ですね。

3位がサロマ湖、4位が猪苗代湖だったか?

我らが彩湖はランク外。まあ、あれは人工湖ですし。

 

 

 

 

 

かなり距離がありましたが、

木にとまったチュウヒです。

こういう頭の白い個体は

チュウヒの若鳥に多いのだとか?

 

過去、渡良瀬で何度か撮影している鳥ですが

大抵飛んでいるシーンしか見られませんし

仮に止まってくれても非常に遠いので

一応証拠写真になるレベルで止まったシーンを撮れたのは

意外にもちょっと珍しかったりします。

 

 

 

 

 

チュウヒのいる風景

……肝心のチュウヒが小さすぎるのはご愛敬。

 

 

 

 

 

これはコミミズクなのですが

最初、展望台から見た時はこれが限界でした。

 

後に何人かのバードウォッチャーの皆さんが

下の遊歩道の方に下りていかれたので

ちょっと姑息な気もしますが便乗してついていきました。↓

 

 

 

 

 

そっぽを向いているコミミズク

それなりに距離はありましたが

今まで手賀沼で撮ったものと比べると

なかなか鮮明に撮れています。

 

 

 

 

 

くる~りと首だけこちらに向けてきました。

本当に胴体部分は微動だにせず首だけ動かすので

人によっては若干不気味な印象を受けるかも?

 

もちろん、これまでに撮ったコミミズクの中では

ダントツによい写り。素直に嬉しいですね。

そういえば今年は江戸川の河川敷にも

飛来しているとかで、結構話題になっています。

ここのような自然地ならまだしも

都心近郊に出るというのは珍しいようですからね。

 

 

 

 

 

寝てる(単に目を閉じているだけかも)

 

最初に撮影し新顔登録した時は大変残念な写りでしたが

もしこれくらいしっかり撮れていたら

新顔ランキングでももうちょい上に行けてたはず。

新顔登録年のランキングは8位)

ちなみにフクロウ・ミミズクの仲間としては

今のところ登録できているのは本種とアオバズクだけ。

そろそろ無印のフクロウに会いたいものです。

 

 

 

 

 

ハイイロチュウヒ♀が出現しました。

多少色の調整はしていますが

遠距離の割にはなかなか良い写りだったかも?

 

 

 

 

 

こちらは、ヨシ原に近い低位置を飛んだ瞬間。

夕方になり「ねぐら入り」の時間が近づいてくると

本種やチュウヒが次々と姿を現しました。

かなりの生息密度になっているのではないでしょうか?

 

 

 

 

 

オスのハイイロチュウヒも出るには出ましたが

遠距離なだけでなく大分陽が傾いていたため

こんな写真しか撮れませんでした……orz

 

まあ一応、ハイイロryであることはわかる……かな?(弱気)

メスみたくもうちょい早い時間に出てきてくれりゃあ……。

 

 

 

 

 

 

その後、何度かチュウヒがヨシ原上空を飛び回りましたが

ほとんど頭の白い個体ばかりでした。

若鳥が多いエリアなのでしょうかね?

 

 

 

 

 

チュウヒ(右)をミサゴ(左)が追い回すという

ちょっと珍しいシーンを見かけたりもしました。

魚釣り(爆)専門で小鳥にすら恐れられないと

一部で聞くこともあるミサゴですが

こういうシーンは猛禽らしいと言うべきか?

 

実際、爪もクチバシも猛禽のそれであり鋭いので

なめてかかると怪我する可能性はありますしね。

(たまに魚以外を捕食することもあると聞きますし)

 

というわけで、一日がかりでの稲敷・浮島編。

新顔の登録こそできませんでしたが

猛禽類からシギ・チドリまでと

十分過ぎるほどに色々な出合いがありました。

遠方につきおいそれと足を運べる場所ではありませんが

また、ぜひ季節を変えて行ってみたいものです。

 

 

 

 

 

【おまけ】

上から目線

 

……夢に出てくるかも

 

 

 

 

【2/4 稲敷市・浮島で撮影した生きもの】

アオサギ、アオジ、エリマキシギ、オオジュリン、オオバン、カイツブリ、カシラダカ、カワウ、カワラヒワ、カンムリカイツブリ、クサシギ、コガモ、コサギ、コミミズク、セグロカモメ、セグロセキレイ、タカブシギ、タゲリ、タシギ、チュウヒ、チョウゲンボウ、ツグミ、トビ、ハイイロチュウヒ、ハクセキレイ、ハマシギ、ヒヨドリ、ホオジロ、ホシハジロ、ミサゴ、ムクドリ、ムナグロ、メジロ、モズ、ユリカモメ

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2023年3月19日(日)開催いたします。

 行先は「泉の森&ふれあいの森(神奈川県大和市)」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。

 

 

【お終いに】

当方が現在主宰しております自然散策講座「首都圏生きものめぐり」ならびに更新中のブログ「首都圏生きものめぐり」は、当方の現在の勤務先(雇用形態は業務委託です)の発行物、店舗での営業内容、Instagram等でのSNSでの発信内容、および各種活動とは一切関係しておりません。また、当方の自然感や政治・文化的な主義主張もまた必ずしも勤務先のそれと一致するものではありません。

当方勤務先のあらゆる事業・活動内容につきまして、「首都圏生きものめぐり」主宰者としては一切お答えしかねますので、あらかじめご了承ください。また、特定の政治的・文化的な価値観の押しつけやそれに関連する各種活動への勧誘等は、従来どおり、本講座におきましては一切いたしませんことを、ここに明記させていただきます。

今後とも「首都圏生きものめぐり」を何卒よろしくお願いいたします。