アオバトに始まり、アオバトに終わる……(大磯町・後編) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

 

前回の続きです。大磯城山(じょうやま)公園にて、

上の写真はまだ旧吉田茂邸地区のものになります。

左は、今更説明不要と思われるヤマトシジミ

石垣(右)の隙間から生えているのはイソギクです。

もちろんまだ開花期には早過ぎますが

前編でもお話したクロマツと同様

臨海域らしい植物と言えるかもしれません。

 

 

 

 

 

 

こちらは、公園北側に位置する旧三井別邸地区です。

名前の通り、三井財閥の別荘跡地だったらしいのですが

吉田茂邸のように別荘の建物そのものは既に残っておらず

辛うじて一部の蔵などが残っているのみとなっています。

 

地区内は起伏がかなりあり、広場もありますが

基本的には「森」を主体としております。

森林浴にはちょうど良い環境かもしれません。

 

 

 

 

 

 

この地区内には茶室があります。

かつてあった国宝の茶室「如庵」を模しており

その名を「城山庵」というそうです。

 

基本、こういう茶室では一度は抹茶をいただくのが

自分の中でルール(?)となっております。

ちょうど通り雨も降ってきたので、

雨宿りも兼ねて一休みさせていただきました。

お茶菓子は「桔梗(キキョウ)」です。

(今年は全体的に開花期が遅れたため、キキョウがこの時点では最盛期でした)

 

 

 

 

 

雨上がり後、茶室の庭で見かけた

ニホンカナヘビです。まだ子供。

体色が変なのは脱皮の途中だからかも?

 

 

 

 

 

公園を出ました。川の奥に見える緑の丘が

大磯城山公園 旧三井邸別邸地区となります。

ここからは川沿いを下り、河口から海岸線を歩いて

再び照ヶ崎海岸に戻ります。

 

 

 

 

 

 

川ではアオサギ(左)やコサギ(右)

あるいはカルガモやイソシギなどの

オーソドックスな水鳥が観察できました。

(川の名前は「ふどう川」といい、二級河川です)

 

 

 

 

 

カワセミにも遭遇しました。

吉田茂邸で見かけたのとは(恐らく)違う個体。

羽の色からして、まだ若い個体と思われます。

 

 

 

 

 

手前が上流、奥が下流です。

右奥の松林のそのまた奥に、大磯ロングビーチがあります。

スライダーの上に人の姿が見えたので

小雨ながらオープンしていたようです。

 

 

 

 

 

道中、こんな広い草原もありました。

時間をかけてじっくり探せばササキリやコオロギなどの

鳴く昆虫も多数見つかったのでしょうが

上記の通り途中で雨が降ったため

足下が湿っていて、あまり深入りはできませんでした。

 

 

 

 

 

その後、河口から海水浴場の方に出ました。

あとはこのまま照ヶ崎海岸までひたすら歩き続けます。

シギ・チドリの類でも観察できればと思ったのですが

見かけたのはウミネコのみでした。

 

 

 

 

 

照ヶ崎海岸につきました。

道中、ずっと砂浜で一本道だったわけですが

ふどう川の河口からここまでかかった時間は

大体30~40分くらいでした。

時間的には大したことないのですが

何しろずっと砂の上を歩いていたため

結構乳酸が溜まったような気がします。orz

 

 

 

 

 

ここからはアオバトの写真が続きます。

前編でも書きました通り、彼らは午前中早めの方が

観察できる数が多いらしく、実際午後の観察では

多くても30羽くらいでした。(それでも十分多い)

 

新カメラの方だったら飛んでいる写真も

もっと綺麗に撮れたかもしれませんが

あいにく諸事情あって忘れてしまったため(汗)

旧カメラで昨年同様に撮影しております。

(色については大分Photoshopで補正しています)

 

 

 

 

 

こちらに向かって飛んでくる集団。

 

 

 

 

 

岩場に降り立ったところ。

 

 

 

 

 

クローズアップ写真では、これが一番綺麗かも。

 

 

 

 

 

ちなみに、左の羽に赤味を帯びているのがオス

赤い部分がない右の個体がメスだそうです。

 

 

 

 

 

以前にも書きましたが、大磯町の鳥として親しまれ

港の灯台にもアオバトをモチーフとした装飾が見られます。

 

 

 

 

 

灯台辺りから見る湘南平方面。

今回はいけなかったのがちょっと残念。

 

 

 

 

 

最後に、観光案内所で受け取ったパンフレットを確認。

照ヶ崎海岸はアオバト飛来地として天然記念物に指定されていますが

見ての通り磯遊びのメッカにもなっており、立入禁止でもありません。

というか、アオバトの邪魔だからと磯遊び客に「どけ」などと言うと

そちらの方が完全にマナー違反となるようです。(大汗)

 

もっとも、ここは人目につきやすい場所でもあるし

そういう素行の悪いウォッチャーは今のところ見たことがありません。

そこについては安心です。

 

 

 

【8/28 大磯町で撮影した生きもの】

鳥類・・・アオサギ、アオバト、イソシギ、イソヒヨドリ、ウミネコ、カルガモ、カワセミ、キジバト、コサギ、シジュウカラ、ダイサギ、ツバメ、トビ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、ムクドリ

昆虫類・・・アオバハゴロモ、アオメアブ、アカボシゴマダラ、アジアイトトンボ、アブラゼミ、イチモンジセセリ、ウスイロササキリ、オナガササキリ、カノコガ、キマダラカメムシ、クロアゲハ、コフキトンボ、シオカラトンボ、ショウジョウトンボ、ショウリョウバッタ、ツクツクホウシ、ツチイナゴ、ハイイロゲンゴロウ、ヒメウラナミジャノメ、ヤマトシジミ

その他・・・ニホンカナヘビ

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2022年9月25日(日)に開催いたします。

 行先は「秋の里山ガーデン&四季の森公園(横浜市)」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。