第3のタマムシ(国営武蔵丘陵森林公園) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

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雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

久しぶりの武蔵丘陵森林公園

天気予報では「晴れ」だったのですが

朝の開園時間から明確に「雨」続き。

単に予報が外れただけならいさ知らず

雨雲レーダーにも表示されてないのに

上空雨雲で覆われザーザー降りだったので

さすがに予報アプリに文句のひとつも

つけたくなりましたが(爆)まあそこは我慢……。

 

写真は中央口付近の花壇です。

ジニアやトレニアなどの夏花が咲く

ウェルカムガーデンのような立ち位置で

華やかなだけでなく、昆虫にとっても

貴重な食事場となっています。

 

 

 

 

 

 

チョウやミツバチのほかにも

花壇の中にキリギリスが隠れていました(左)

 

他にもオンブバッタなどが結構な数隠れていましたが

同時にバッタを狩るハチ クロアナバチ(右)が

相当数飛び回っていたのが印象的でした。

多分トップの花壇の周りだけで10匹以上いたはず。

結構サイズの大きいハチなので、知らない人が見たら

ビビって逃げたのではないかと思われます。

(もちろん、大人しいハチではありますが)

 

 

 

 

 

だんだんと小降りになってはいったものの

開園から1時間くらいは雨続きだったため

その間昆虫の動きは非常に鈍いものでした。

(トップのクロアナバチは例外)

写真は、雨宿り中のキボシカミキリです。

 

 

 

 

 

 

ニイニイゼミ(左)と樹液場の面々(右)。

2年前と違い、残念ながらカブトムシの姿は

見られませんでした。 あの時は凄かったからなぁ…。

 

 

 

 

 

久しぶりのチャイロスズメバチ

何年か前に急激に数が増えたことがあり

凶暴だから気をつけろ……みたいな声が

方々から挙がりました、その後パタッと姿を消し

昨年は確か1匹も撮れませんでした。

 

コイツにも「周期」みたいなものがあるのか?

 

 

 

 

 

 

ナラ枯れの発生した樹木。

最近あちこちの公園で悩みの種となっていますが

原因となる虫は元々日本にいたものですし

そもそも何で急増したのかもわかっていないので

ここも含め、公園によっては急ぎの対策は

していない場合もあります。

 

一応、コナラでの発生率が異常に高いということは

わかっているようです。先日ナラ枯れ関係の記事を書きましたので

もし興味ありましたらこちらをどうぞ。(思い切り宣伝)

 

 

 

 

 

雨が上がり、徐々に陽が差してきました。

ヒマワリ畑にも人が増えてきました。

(やっぱこの花は雨天では映えません)

 

 

 

 

 

セイヨウミツバチも飛来。

 

 

 

 

 

オミナエシの咲いている(植栽ですが)場所へ。

オオセイボウは残念ながら出ませんでしたが

鎌倉で撮れなかったブルービー(ルリモンハナバチ)

何度か姿を見せてくれました。

 

 

 

 

 

オオカマキリが待機中。

ここではいつものことです。

夏~秋にかけてとにかくカマキリが多く

それだけ「獲物」が多いのだとよくわかります。

 

集虫効果という点でオミナエシに匹敵する植物は

そうそうないと思われますが、どうしても園芸植物より

見栄えがしない&雨上がりに臭いということもあり

これで大々的にお花畑を作る人はいないようです(汗)。

そもそも虫が来るから植えないという人も多いかと思われますが

 

 

 

 

 

ノコギリカミキリが出現。

自然度の高い森の住人ですね。

 

 

 

 

 

 

朝とは打って変わり、青空が覗けるように。

昆虫の出もよくなるのでありがたい話ですが

気温が急上昇し、湿った地面からの「蒸気」も

バカにならないので、熱中症には要注意ですね。

 

右はコリウスのみで作ったガーデン。

広い面積を活かし、ダイナミックに魅せています。

葉っぱが主役ですが花も咲きますし

昆虫もそれなりにやってくるので侮れません。

 

 

 

 

 

レンゲショウマも開花していました。

そういや今年はまだ御岳山に行けていないのですが

仕事のピークが過ぎたら平日にでも行ってこようかと

今検討しているところです。 最盛期は過ぎてしまいますが

 

 

 

 

 

キイトトンボ

コイツは小さいので、旧カメラと比べても

焦点を合わせるのにかなり苦労しました。

(イトトンボの撮り難さについてはこちらも参照)

 

 

 

 

 

手の届くところに来てくれたので

ちょいと捕獲してみました。

口を微妙に開いている辺り

抗議されているような気がしないでもない。

 

でも、何だかんだでいい写りに。

基本スペックは旧カメラより高い(はず)ので

ちゃんと焦点が合えばあちらより鮮明に撮れます。

 

 

 

 

 

そして、この日最大の収穫がコレ。

いつぞやのウバタマムシによく似ていますが

あちらよりもやや華奢で、そのくせ色は

本家のタマムシとはまた違う方向で見事。

アオマダラタマムシといいます。

 

遭遇率・・・1 (数は少ない模様)

インパクト・・・3 (光沢があり、サイズも小さくない)

美しさ・・・5 (本家に勝るとも劣らない美麗種)

俊敏性・・・3 (飛ぶ速さ等はタマムシに準じる)

知名度・・・2 (本家やウバタマムシには劣る)

 

手持ちの図鑑にはハッキリ「数が少ない」とあり

タマムシの仲間の中では一番レッドデータの

カテゴリに入っている県がおおい(12県)ので

レア種であることは間違いないようです。

 

 

 

 

 

お腹から見るとこんな感じです。

 

幼虫は、サクラやウメなどの

ありふれた樹木の枯れ木や朽木を食べるそうですが

その割に遭遇する機会は非常に低い模様。

元々の個体数が少ないようです。

 

ここ最近撮影してきた新顔の昆虫の中では

昆虫ファンからの人気が頭一つ抜けているので

かなりラッキーだったと言えるでしょう。

 

 

 

 

 

日が傾いてきて帰る途中。

立て看板の下にムモンホソアシナガバチの巣が。

不用意に近づかず、写真だけ撮って

すぐに立ち去らせていただきました。

 

 

 

 

 

 

最後に、池の近くにチョウトンボが多数飛んでいたので

今年初の撮影をさせていただきました。

 

下のリストを見ればわかりますが

やはり昆虫とのエンカウント率は非常に高く

毎年夏は欠かせないスポットと言えそうです。

 

 

 

 

【8/7 国営武蔵丘陵森林公園で撮影した生きもの】

鳥類・・・カイツブリ、ガビチョウ、カワウ、ゴイサギ、ダイサギ

昆虫類・・・アオバハゴロモ、アオマダラタマムシ、アカボシゴマダラ、アジアイトトンボ、アシグロツユムシ、アブラゼミ、イチモンジセセリ、イボバッタ、ウスバキトンボ、オオコフキコガネ、オオシオカラトンボ、オオスズメバチ、オオチャバネセセリ、オジロアシナガゾウムシ、オンブバッタ、カナブン、キイトトンボ、キタキチョウ、キボシカミキリ、キリギリス、キンケハラナガツチバチ、ギンヤンマ、クマバチ、クルマバッタ、クルマバッタモドキ、クロアナバチ、クロウリハムシ、クロカナブン、ササキリ、ササグモ、サトキマダラヒカゲ、シオカラトンボ、ジャノメチョウ、ショウジョウトンボ、ショウリョウバッタ、シロテンハナムグリ、セイヨウミツバチ、チャイロスズメバチ、チャバネセセリ、チョウトンボ、ツクツクホウシ、ツチイナゴ、ツバメシジミ、ツマグロヒョウモン、トラマルハナバチ、ナナホシテントウ、ニイニイゼミ、ノコギリカミキリ、ノシメトンボ、ハグロトンボ、ハナグモ、ハラアカヤドリハキリバチ、ハラビロカマキリ、ヒカゲチョウ、ヒメギス、ヒメコガネ、ヒメジャノメ、ベッコウハゴロモ、マメコガネ、ムモンホソアシナガバチ、ヤブキリ、ルリモンハナバチ

その他・・・アカズムカデ、ヌマガエル