昨年も紹介しました、葛西臨海公園の大花壇。
真夏に咲く「夏花」を用いたこの花壇ですが
今年はデザインを一新し、花火をモチーフとしたそうです。
(デザインを担当された方よりお話を伺っております)
一年草で構成されているので
ここで見られる植物は基本的にこの年限り。
ただし植え替え前提なのでデザインの変更がしやすく
こうした期間限定で毎年やる花壇においては
むしろ宿根草よりもやりやすい面があります。
クリスタルビューから見下ろした風景。
きれいに花火状に植栽されているのがわかります。
(ガラス越しなので写り込みがあるのはご愛敬)
黄色のジニアを手前に据えて。
クリスタルビューをバックに。
手前にある赤・白・紫の花はペチュニアです。
使用されている植物は基本的に昨年と同じですが
高低差をつけるために昨年よりやや大きい植物を
多めに使っているようにも見受けられました。
ハッキリ花火の形と認識するためには
クリスタルビューに登る必要がありますが
下からでも何となくそれらしい形に見えます。
かなり複雑なデザインだけに
植え込みも管理も大変だったことでしょう。
(開花期などもちゃんと念頭に置いておく必要があるので)
ジニア(左)とアンゲロニア(右)。
色のバリエーションが豊富なので
同種・異色で混植すると
デザインの幅も広がっていきます。
花壇での参考になるかもしれませんね。
さて、花壇用の一年草が主体の「夏花」ですが
昨年もお話しました通り蜜源としても優秀です。
今年も多くの昆虫が来ていました。
写真のクマバチのようにデブ大型のものもいれば……。↓
全長1cmにも満たない小型のハチも。
青白い微細な毛を纏った、ちょっときれいな種で
コウベキヌゲハキリバチというそうです。
遭遇率・・・2 (ここでは結構多くいた)
インパクト・・・1 (サイズは小さく、ミツバチ以下)
美しさ・・・3 (青白い毛が良いポイントに)
俊敏性・・・4 (頻繁に飛ぶので撮りにくい)
知名度・・・2 (図鑑には掲載されています)
名前の「キヌゲ」というのは
やはり絹のような質感(?)の毛があるからか?
あと、ハキリバチには結構ありがちな話ですが
身体と比べて頭部が大きくなっているのが目立ちます。
上記の通り非常に小さいので
花を一つひとつチェックしていかないと見落としがち。
こちらも新顔のハチになります。
カタグロチビドロバチというそうです。
遭遇率・・・2 (希少種とはされていません)
インパクト・・・1 (こちらも1cm程度とかなり小型)
美しさ・・・2 (基本的に地味)
俊敏性・・・4 (ハチなのでそれなりのスピードで飛び回る)
知名度・・・1 (図鑑には載っていないことも)
見た目等は特徴もなく地味な存在ですが
名前に「チビ」と入った生きものは
初めて撮ったような気がします。
花壇の散策路を横切った
絶滅危惧種……もといニホンカナヘビ。
……個人的にそんなに本種が減った気はしません。
東京都内でも公園・緑地ではそこそこ目にしますし
依然としてニホントカゲよりは見かけます。
ただ、彼らの好む「草地」環境は
「森」よりも優先順位が低く考えられがちなので
そこは少々気になっているところではあります。
草地といえば、夏花花壇の前の草原に
アジアイトトンボが何匹か飛んでいました。
近くに池のようなものがないので
一体どこで羽化しているのかちょっと気になりますが……。
(鳥類園などには池もありますが、遠過ぎる気もするので)
こちらは鳥類園にて。
抜け殻ではなく、羽化する寸前のセミの幼虫です。
薄暗い所だったので、昼夜を勘違いしたか?
ちなみに公園内では多数の抜け殻を見かけますが
ほとんどアブラゼミのようです。公園スタッフの立会いの下、
どんなセミの抜け殻があるか調べるイベントを実施していましたが
結果は見ての通りでした。クマゼミの個体数が気になってはいましたが
実際私もこの日は鳴き声を聞きませんでしたので
メディアで騒がれているほど東京では増加していないのでしょう。
卵のようなものをぶら下げているクモ。
これは……何だろう? (;^_^A
クモについては図鑑を持っていないので
今の時点ではまだ不明です。
後日ちょっと調べてみます。
アカテガニのいる風景
夏場であれば、鳥類園で高確率で観察できます。
単に本種を撮りたいだけならば
小網代の森よりもアクセスしやすく
観察・撮影も簡単かもしれません。
前にも書いた気がしますが
甲の両サイドに切れ込みが「ない」のがアカテガニ。
(右上にちらと写っているのはクロベンケイガニ)
微細な切れ込みがあるのがベンケイガニです。
最後に、ヒマワリ畑の撮影もしてきました。
こちらも夏に合わせて新しく設えられたものです。
写真だと種類だけに見えるかもしれませんが
実際には開花期の微妙に異なる色々な品種を
ゾーンごとに植え分けています。
ヒマワリも昆虫を呼ぶ効果があり
クマバチやセイヨウミツバチ(写真)、
キンケハラナガツチバチなどが訪れていました。
いずれも大人しいハチですので
静かに花を観賞している分には無害な存在です。
夏花花壇もヒマワリ花壇も8月いっぱいは
継続されるようなので、興味がありましたら
ぜひお早めに足を運んでみてくださいませ。
【8/6 葛西臨海公園で撮影した生きもの】
鳥類・・・アオサギ、ウミネコ、カルガモ、カワウ、キジバト、ダイサギ、ハクセキレイ、ムクドリ
昆虫類・・・アオスジアゲハ、アオバハゴロモ、アジアイトトンボ、アブラゼミ、イチモンジセセリ、ウラギンシジミ、カタグロチビドロバチ、キンケハラナガツチバチ、クマバチ、クロバネツリアブ、コウベキヌゲハキリバチ、コフキゾウムシ、シオカラトンボ、ショウリョウバッタ、シロテンハナムグリ、セイヨウミツバチ、セグロアシナガバチ、ツマグロヒョウモン、ニイニイゼミ、ミンミンゼミ、モンシロチョウ、ヤマトシジミ
その他・・・アカテガニ、アカミミガメ、アシハラガニ、クロベンケイガニ、ベンケイガニ、ヤマトオサガニ