3ヶ月ぶりの開催で(10月講座・長浜公園~八景島~称名寺)※前編 | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

緊急事態宣言期間中につき8月、9月と開催できなかった

関東自然探し講座「首都圏生きものめぐり」ですが、

このたび10月に無事実施することができました。

本来の実施日に天候に恵まれず、

結果かなりの方が参加できなくなってしまうなどの

不幸もありましたが、それでも実施できたことが

大きなプラスになったと考えております。

ご参加いただきました皆様、本当にありがとうございました。

 

 

 

 

 

10月の講座では、横浜市金沢区の長浜公園を軸に

シーサイドライン沿いの自然地・公園等をめぐりました。

集合場所は京浜急行の能見台。

そこからまず長浜公園……ではなく

まずは真逆の方向、徒歩5分程度の小さな公園に。

 

谷津坂第一公園といい、google mapなんかで見ると

一見住宅地の中にある小さな児童公園……なのですが

ここには上の写真の通り、意図的に作られた「草原」があります。

ボリュームあるチカラシバを主軸としていますが

シオンやカリガネソウなど、秋の花もちらほらと見られ

自然な雰囲気の草原という印象が強いです。

 

 

 

 

 

 

草原の一角に生えるコスモスに

キタテハが飛来していました。(左写真)

 

この時期の「草原」は昆虫捜索の重要なポイント。

バッタなどの他、花が咲いていれば

チョウやハチなども訪れ、それを狙うカマキリ等も

やってくる可能性があります。

 

児童公園には、子供達が身体を動かして遊べるような

広場が必要不可欠ですが、もし多少余裕があるならば

こうした草の生える場を設けると、

また違った楽しみ方が生まれるのです。

 

 

 

 

 

能見台へ戻り、長浜公園に向かう途中、

また例の外来種 クロマダラソテツシジミに遭遇しました。

この日あったのは1頭だけでしたが

まあ、正直あまり会いたくない昆虫ではあります。

 

 

 

 

 

ランタナの花で吸蜜するホシホウジャク

ランタナはペンタスと同じように小さい花の集合体なので

やはりホバリングする蛾の撮影には適しています。

 

ランタナもペンタスも園芸品種ではありますが

昆虫の蜜源としては優秀であり、無視できません。

 

 

 

 

 

 

長浜公園へ。当然ここでのメインターゲットは

毎年飛来するというミサゴなのですが……

この日は観察小屋を2往復くらいしても一向に現れず(汗)。

(今年も飛来しているという情報は得ています)

汽水池の中島はほぼカワウに席巻されていました。

 

当方も「ミサゴが必ず見られます」みたいな

無責任な集客PRはしていないので(大汗)

その点はまああまり問題ではないのですが……

やはり一番の目標種なだけにちょっと寂しいですね。

 

 

 

 

 

公園内をブラブラしている途中

成熟したオオカマキリ(多分メス)に遭遇しました。

立派な個体です。遭遇時に既にこちらを睨みつけており

腕をたたんでいるところからも警戒心の強さが伺えます。

 

 

 

 

 

でも、捕まえます。

もちろん素手です。まだ網買ってない

 

カマキリ観察の本格的なシーズンは

10月前半~11月前半辺り。

温暖であれば12月にも見られることはありますが

カマキリのファンとしては楽しみなところです。

 

 

 

 

 

オオスズメバチにも遭遇しました。

「生きものめぐり」である以上、

こうした天然危険物に会うことを

ゼロにすることはできません。

 

できれば単純に嫌悪・畏怖するのではなく

「正しく恐れる」ということ

そして「怖さだけでない魅力を伝える」ことも

講座を通じてやっていければと願っています。

 

 

 

 

 

さらに、こ~んな珍妙なハチにも遭遇。

人の常識で考えるとありえへん長さの産卵管を

ありえへん曲げ方で樹皮に突き刺しています。

どうやら木の中にいるキバチ類の幼虫に

卵を産み付けているらしいです。要するに寄生。

 

オナガバチといい、本ブログでは新顔です。

 

遭遇率・・・2 (あまり見ない模様)

インパクト・・・4 (一回見たら忘れない(汗))

美しさ・・・2 (若干キモい……かもしんない)

俊敏性・・・3 (そこまで早くは飛ばない)

知名度・・・2 (図鑑には載っていないことも)

 

 

 

 

 

産卵管を引き抜いたオナガバチ

見ての通り、身体よりも長いのが驚きです。

 

寄生ということで身構えてしまいがちですが

要するにジガバチなどと同じで(狩りはしませんが)

街路樹などを食い荒らす害虫を食料とするため

人にとっては益虫としての側面を持っているそうです。

 

……というか「刺されない」よう注意すれば

スズメバチも立派に益虫となりうるのですが……。

(仮にスズメバチが消えたら相当ヤバい)

 

 

 

 

 

長浜公園で撮影したカワセミ

本ブログでは行く先々で遭遇するお馴染みの鳥ですが

参加者の皆様にとっては貴重な出遭いです。

ミサゴには「まだ」会えていませんでしたが(詳細は後編で)

近距離で見るカワセミに興奮されている様子でした。

 

実は長浜公園では頻出ポイントが決まっており

よくバードウォッチャーが待ち構えています。

結構近い位置で撮れるので、初心者にもおススメかも?

 

 

 

 

 

長浜公園を離れ、

富岡並木ふなだまり公園に移動。

 

何てことのない親水公園……ですが

長浜公園よりも水場が近く

水鳥を間近で観察できるメリットもあります。

 

 

 

 

 

 

アメリカヒドリの血が混じったヒドリガモ(左)と

(もしかしたらアメリカryの方が血が濃いかも?)

集団行動するホシハジロ(右)です。

こうした冬ガモが頻繁に飛来するため

冬場は能見台ではなくこちらの方から回ることも多々あります。

(冬になると能見台周辺の草原では生きものがほぼ撮れない)

 

開けた水場に来たところで、敷物を敷いて昼食タイム。

上空からのトビの襲撃に警戒しつつ(爆)

暖かくなってきたのでピクニックを満喫します。

 

で、トビの動向を観察していると

上空に違う猛禽の姿が……。↓

 

 

 

 

 

おっと、これはノスリですね。

白い羽毛に腹巻模様の綺麗な個体。

遠距離ながらも晴天のおかげでくっきりはっきり撮れました。

 

最近の都心部では、下手するとミサゴよりも

会う機会が少ないかもしれない猛禽類。

ふなだまり公園の近くに小山がありますが

もしかしたらあのどこかに「ねぐら」があるのかもしれません。

(以前にもここでノスリを撮ったことがあります)

 

昼食中の思わぬ収穫でした。

 

 

 

 

 

移動中に遭遇したショウリョウバッタモドキ

この界隈では比較的ポピュラーな昆虫ではありますが

この日遭遇したのは1個体だけでした。

理由は簡単。この日は色々な場所を廻ったので

草むらをじっくり掻き分けている時間がなく

バッタの仲間はあまり観察できなかったのです。(;^_^A

 

次回の11月の講座では「草むら」を重点的に捜索するので

気温が極端に下がったりでもしない限り

バッタの仲間がメインになっていくはずです。

 

 

 

 

 

並木中央駅より、シーサイドラインに乗って

次なる目的地である八景島に向かいます。

長くなりますので、ここから先は後編でお送りします。

 

 

<後半に続く>

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2021年11月21日(日)に開催いたします。

 行先は「こども自然公園(大池公園)」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。