では、奴らの「家」はどこにあるのか?(伊佐沼) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

 

まだちょっと早いかなと思いつつ、

身体が空いたので伊佐沼にコアジサシの様子を見に行きました。

道中の田んぼではサギの仲間(左)と

お馴染みのトウキョウダルマガエル(右)の姿が。

 

シーズンがドンピシャだったのかもしれませんが

ダルマガエルの数は前回訪問した時より多かった気がします。

場所によっては、3歩歩くごとに1匹水路に飛び込むような感じ。

 

 

 

 

 

伊佐沼です。既に夏模様となっており、

さすがにもう冬鳥の姿は見当たりませんでした。

コアジサシは、主に上記の杭を足場にしていますが……。↓

 

 

 

 

 

おお、ちゃんといました。

まだ最盛期には早いかと思われますが、

結構な数が観察できました。

(昨年と違いハジロクロハラアジサシは見当たりません)

 

ところで気になっているのですが、

コアジサシといえば初夏に営巣するために日本に飛来し

主に河川の中州や海岸線の砂礫地などに営巣するはず。

伊佐沼には見渡す限りそのようなスポットは見当たらないのですが

彼らはなぜ毎年ここを訪れるのでしょうか?

(後述しますが、求愛はしている)

 

考えられるところとしては、すぐ近くに荒川があり

そこの河川敷の砂礫地を利用しているのではないか?ということ。

確かめてはいませんが、一番納得のいくパターンです。

伊佐沼は釣りでも人気のスポットですし、

川で魚を狙うよりも効率がよさそうなので

こちらまで出張してきているのではないでしょうか?

真偽は定かではないですが、辻褄は合います。

 

 

 

 

 

ひよこ饅頭みたい

 

 

 

 

 

予想外に陽が出て暑くなったために

口を開けて日光浴を始めたカワウとアオサギの足下で

求愛を始めるコアジサシのオス。(右下注目)

 

 

 

 

 

カイツブリの夫婦が巣を作っていました。

彼らの巣は写真のように浮巣なので、

泳ぎながら巣材を集め、こうして形を作っていきます。

 

 

 

 

 

巣作りは夫婦での共同作業らしく

代わる代わる水中等から草を集めてきては

注水植物の足下に積み重ねていきます。

 

水鳥としてはそれほど大きくなく軽いカイツブリですが

それでもこの後卵を産んで孵化させなくてはならないので

それ相応の頑丈なものが求められます。

 

 

 

 

 

座り心地(?)を確かめている模様。

この写真だけ見るとオスがこき使われているように見えますが(汗)

上記の通りあくまで共同作業ですので誤解のないように。

(左のオスの顔についている水滴が「汗」のように見えるのがポイント)

 

 

 

 

 

近くに、カイツブリのヒナが浮かんでいました。

もちろん上記の巣作り中の夫婦とは無関係。

写真に写っていないだけで、親も近くにいました。

 

コアジサシと違い、カイツブリはここで繁殖し

通年ここに滞在する水鳥。また秋に再度訪問予定ですが

その際にはこの子たちも立派な成鳥になっている……はず。

 

 

 

 

 

写りは非常に悪いですが、昨年に引き続き

ヨシゴイも1羽確認できました。

コンスタントに飛来しているのかもしれませんが

警戒心が強いのか、なかなか観察の難しい鳥です。

 

 

 

 

 

周囲は田園地帯のため、こうした水門も設置されています。

田んぼにはサギやコチドリなどがよく飛来するほか

稀にセイタカシギが観察できることもあります。

(今のところ、私は1度しか見たことがありませんが)

 

 

 

 

 

ちゃんとコアジサシが確認できたほか

カイツブリの営巣ならぬ「巣作り」まで見られて

個人的には満足です。足取りも軽やかに、帰路につきました。

 

 

 

 

【6/9 伊佐沼で撮影した生きもの】

鳥類・・・アイガモ、アオサギ、オオバン、カイツブリ、カルガモ、カワウ、キジバト、コアジサシ、コサギ、コチドリ、シジュウカラ、ダイサギ、ハクセキレイ、バン、ムクドリ、ヨシゴイ

昆虫類・・・コガネグモ、シオカラトンボ、セイヨウミツバチ、ベニシジミ、モンシロチョウ

その他・・・トウキョウダルマガエル

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2021年6月20日(日)に開催いたします。

 (19日はお休みとさせていただきます。ご了承ください)

 行先は「酒匂川河口&大磯 照ヶ崎海岸」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらをご覧ください。

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。