最強は誰か?(三番瀬&谷津干潟&谷津バラ園) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

潮干狩りで駐車場がごった返して

数十分下手すりゃ1時間待ちになりかねない中、

徒歩で1人堂々と公園に入るのは結構爽快です(ゲス顔)。

それはさておき、昨年撮れなかった春の渡りのシギ・チドリを撮りに

この日は三番瀬谷津干潟を訪ねました。

 

三番瀬は前情報通り、シギ・チドリが多数。

上の写真はかなり遠距離ですが、やはりミヤコドリが目立ちます。

周りにいるハマシギと比べるとサイズ差も歴然としていますね。

 

 

 

 

 

マンション群をバックに。

 

 

 

 

 

たまたま、

キョウジョシギ(左)、ダイゼン(中)、ハマシギ(右)が

一列に並んでくれました。サイズ差はよくわかるかなと。

 

 

 

 

 

ミヤコドリの手前に、何羽かのコアジサシがいます。

夏鳥ですが、もう渡ってきているようです。

(昨日越谷レイクタウンでも見かけました)

 

 

 

 

 

ちなみに潮干狩り客と「それ以外」という形で

現地はしっかりと区分けされていました。

こちら側でシギ・チドリを探している分には

密がどーたらこ―たらとか煩わしいことを

過剰に気にする必要もないので気楽です。

 

 

 

 

 

オオソリハシシギもやってきました。

ミヤコドリに並ぶくらいの大型種で、やはりよく目立ちます。

 

 

 

 

 

 

ダイゼン(左)とオオソリハシシギ(右)。

オオソリハシシギには足にタグが付いていました。

ナンバーまで写っているのでその気になれば

どこから渡ってきたのかわかるはず。

(めんどいのでそこまではしていません(汗))

 

 

 

 

 

ハマシギをクローズアップ。

夏羽に切り替わり、腹部の黒色がくっきり浮かび上がっています。

珍しくジッとしていてくれたおかげで、

思い切りクローズアップすることができました。

 

 

 

 

 

ホウロクシギでしょうか?

1羽だけですが、そこそこの距離で撮れました。

現地にはチュウシャクシギが結構な数飛来していましたが

一緒にいると差が歴然としていて(サイズや嘴の長さ)

簡単に識別ができますが、これ1羽だけだったら迷ったかも?

 

 

 

 

 

メダイチドリの食事シーン。

サイズ的にも、恐らく獲物はコメツキガニでしょう。

三番瀬ではとんでもない数のコメツキガニが

泥の下で暮らしているため、食事には困らないようです。

 

 

 

 

 

上の方の写真でも紹介した通り、

潮干狩りスペースとそうでない所(実質鳥用スペース)は

明確に区分けされていますが、鳥の方はあまり気にしないらしく

潮干狩りスペース外で人に近づいてくることもしばしば。

 

ちなみに潮干狩りスペース外での潮干狩り(?)について

特に規制はしていないようでした。(右のお2人の名誉のため)

 

 

 

 

ちなみにこの三番瀬、猛毒の針を持つアカエイ

頻繁にやってくることで有名なようで、

注意を促す看板が常設されています。

アカエイは名前に反してわかりやすい赤色などしておらず

水底に隠れていることも多いので、うっかり踏んづけてしまい

毒針を撃ち込まれることもあるのだとか……。

 

アカエイの毒針は鋭利で大きく、かつ毒が強力。

そして腐敗すると凄まじく臭いことでも有名

オーストラリアの有名なハンターが

アカエイの針で昇天したという話はその筋ではそこそこ有名です。

この日、特に潮干狩り会場にアカエイが出たという話は

聞いていませんでしたが……。↓

 

 

 

 

 

なんと、カラスが干潟でアカエイを捕獲してしまいました。

もちろん大人ではなくまだ小さいですが、ちゃんと生きた個体。

当然毒針も健在で、最悪人を殺せるレベルなのに

カラスなんて刺されたらひとたまりもない……はず(汗)。

 

この時、件のカラスは他のシギ・チドリを追い散らしたりと

私も含め現場のバードウォッチャーから顰蹙を買っていたのですが

こ~んなレアシーンを見せてくれたものだから

一転して皆がカメラを向ける人気者に早変わりw

ちなみにいくらカラスが気に入らないからと言って

物を投げたりして追い払うようなことをしてはいけません。

そんな輩は逆にまわりのウォッチャーから追い払われます。

 

無論、このカラスが毒針の存在を知らなかったのかもしれませんが

それでもやはり、東京の自然界において「強い」とはどういうことか?

改めて考えさせられるシーンでございました。

 

 

 

 

 

ちなみにアカエイについては

その後谷津干潟に移動した後に何度か見かけました。

しかも上記のカラスに捕まった小さいのとは違い

全長1.5メートルくらいはある成熟した個体です。

さすがにこれではカラスでもミサゴでも手も足も出ないでしょう。

まさにこの干潟では最強と言えるかもしれません。

 

 

 

 

 

 

以下、谷津干潟での記録です。

こちらはチュウシャクシギがやたらと多く、

私が見て確認しただけでも40羽以上は集まっていました。

食料はやはりカニがメイン。コメツキガニ程度ならともかく

ヤマトオサガニのような大型種(左)を食べるとなると

丸呑みはできないため、何度か叩きつけて解体してから食べます。

 

 

 

 

 

コメツキガニのようなものを食べるイソシギ

この日はとにかくシギ・チドリの捕食シーンを

多く撮ることができました。

 

 

 

 

谷津バラ園にも立ち寄り。今年は開花期が前倒しになっているので

この時点でそれなりには咲いていたものの

やはりほとんどはマダツボミにすらなっておらず、早過ぎた様子。

ただ、おかげさまで(?)100円で入園できました。

 

 

 

 

 

 

数が少ないだけで、ちゃんと咲いているバラもありましたし

つる性になるモッコウバラ(左)はちょうど最盛期でした。

人が少ないので、満開のバラ風景にはこだわりがなく

1つひとつのバラを静かに観賞・撮影したいのなら

この時期に足を運ぶというのも一つの選択肢かもしれません。

 

その後、再び谷津干潟へ戻ります。↓

 

 

 

 

 

ここで注目。谷津干潟で満潮になった時に

一ヶ所だけ残るこの陸地ですが、

ホンビノス貝というここで大量発生する貝(食用)を

水路が詰まらないように移動させて積み上げたものらしく

干潟内では一番高い所となっています。

(2年くらい前に積み上げた山で、割と新しい)

 

 

 

 

 

そのため、満潮時間になると多くのシギ・チドリが

ここで休憩するようになります。

泳ぐことのできない彼らにとっては貴重な場所のようです。

 

 

 

 

 

最後の1枚……なのですが

何だろう? 言葉に言い表しにくい怖さを感じる……。

(何で揃ってこっちを見る?)

 

 

 

 

【4/25 三番瀬&谷津干潟で撮影した生きもの】

鳥類・・・アオサギ、イソシギ、オオソリハシシギ、オナガ、カルガモ、カワウ、キジバト、キョウジョシギ、コアジサシ、コガモ、コサギ、シジュウカラ、ダイサギ、ダイゼン、チュウシャクシギ、ツグミ、ハクセキレイ、ハシビロガモ、ハマシギ、ヒヨドリ、ホウロクシギ、ミヤコドリ、ミユビシギ、ムクドリ、メダイチドリ

昆虫類・・・シオカラトンボ、セイヨウミツバチ、モモブトカミキリモドキ、ヤマトシジミ

その他・・・アカエイ、アカミミガメ、アシハラガニ、コメツキガニ、ミズクラゲ、ヤマトオサガニ

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2021年5月16日(日)に開催いたします。

 行先は「横浜自然観察の森」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらをご覧ください。

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。