こうもりさんは たちばを かんがえた(浦安の海岸) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

休日でしたが、ちょっと仕事で武蔵野線沿いに用事があり、

ついでに例の浦安の海岸まで足を延ばしてまいりました。

残念ながらこの日もコオリガモは見られずじまい。

今冬はもうダメかもしれません。orz

ビロードキンクロは割と岸近くまで来るのですが、もう十分撮りましたしええかなと

 

 

 

 

 

オオバンはとにかく多い。海岸の至る所で見かけます。

写真は溜まった海水を飲んでいるところ(と思われる)。

アオバトがミネラル分摂取のために海岸に来るのと同じでしょう。

 

 

 

 

 

 

めずらしく上陸していたスズガモ♀(左)と

割とここの海岸線で見かけるタヒバリ(右)。

 

 

 

 

 

スズガモ♀をクローズアップしてみましたが

一番目つきの悪く見える角度になってしまいました。

何か申し訳ない気持ちがあったり……(汗)

 

 

 

 

 

浦安の海岸に「コスズガモ」という

スズガモの近似種が飛来しているという情報があります。

くちばしの先端の模様が「∩」みたいな形になるのが特徴と

とあるサイトに写真付きで書いてあったので、

写真の個体を見て歓喜し何十枚と必死に撮りました。

 

しかし、背中の模様などその他諸々の特徴から

残念ながら普通のスズガモであることが判明。orz

個体によってはこのくちばしの模様も変化することがあるらしく

これだけでコスズガモと同定するのは不確実だそうです。残念。

 

ヒドリガモorアメリカヒドリみたいに明確な差があれば

誰でも簡単に見分けられるんですが、紛らわしいことこの上ないです。

まあ、そういう異なる種が来ている「事実」はあるようなので

この海岸の環境は渡りのカモにとって相当居心地がいいということは

どうやら間違いないのかなと感じております。

 

 

 

 

 

飛ぶ、スズガモ軍団

カワウと違って整った変態編隊飛行ではありません。

 

その後、日が傾くまで粘ったもののこれといった収穫はなく

そろそろ切り上げるかなと駅方面に向かおうとしたところ

前方で何やら褐色の小さな物体が地を這っている……

色からしてタヒバリか何かかと思いきや……。↓

 

 

 

 

 

なんとコウモリだった。

どうやら羽をけがしているようで飛ぶことができず

懸命に地面を歩いています。

正確にはアブラコウモリといい、

日本で最もポピュラーなコウモリでございます。

でも、撮影したのはこれが初めて。

そりゃあそうだ……夜間に飛んでるコウモリなんぞ撮れるわけがない(汗)

 

 

遭遇率・・・4 (ただし撮影難易度はMAX)

インパクト・・・4 (サイズは小さくても間近で見たら印象に残る面)

美しさ・・・2

俊敏性・・・Max  (歩いている時は2。飛んでる時はツバメ級)

知名度・・・4 (でも正式名称は知らない人も多いかも?)

 

 

 

 

 

横から見るとこんなん。

 

さて、初めてコウモリを撮影するということで興奮した一方

気の引き締まる思いがしたこともまた事実。

昨年から続く新型コロナウイルス感染症の発生源が

コウモリである可能性が高いという件は当然私も知っていましたし

それ以外にも過去にコウモリの糞などから大規模なパンデミックに

発展したケースは複数あると聞いております。

それ以上に恐ろしいのが、狂犬病ウイルスを有している可能性がある件。

これは感染→発症したら最後、ほぼ確実に死ぬ恐怖の病ですからね。

 

そうした恐ろしさはそこそこ生きものに詳しい方ならよく知っており、

「池の水ry」で登場する加藤先生も、別の某番組において

毒ヘビは平気で触る一方、コウモリは徹底して避けていました。

 

 

 

 

 

今回、私も撮影において以下の点に注意しました。

 

1.絶対に触らない(これは前提中の前提)

2.コウモリが通過した跡は踏まない(ウイルス付着の可能性がある)

3.最低でも1.5mは距離を置く

4.念のために撮影が終わったら手をアルコール消毒する

 

……ここまでやる必要があるのかどうかは別として(汗)

用心には用心を重ねました。

 

 

道行く人たちもコウモリに気づいていたようですが

やはり上述のコロナの件もあってか、かなり敬遠していた様子でした。

まあ、好奇心に負けて触れてしまうよりは遥かに賢明でしょう。

 

 

 

 

 

最大限にクローズアップしたもの。 不細工面とか言ってはいけない

 

ちなみに、いくら病原体の媒介になろうとも

コウモリ自身には何の罪もないので

イタズラ半分に危害を加えるようなことはしちゃあいけません。

そもそも、アブラコウモリは日本中あちこちに生息しており

もし彼らが飛んでいるだけで病原菌をまき散らすのであれば

首都圏ではもっと感染症が蔓延している可能性が高いです。

 

不用意に触ったりしない分には害などありませんし

日本のコウモリは人の血なんか吸いませんので

過度に恐れる必要もないのでしょう。

加えて、水辺で発生する小昆虫などを食べることで

蚊などによる被害拡大を防いでくれる益獣としての面も見逃せません。

 

 

 

 

 

その後、排水溝に駆け込んで金網にぶら下がりました。

怪我しているようですし、変に脅かして

落ちたりしたら致命傷になるので、この辺でストップしておきました。

 

ちなみにRPGの「MOTHER」シリーズには

「こうもりさん」という敵キャラが登場しますが

全作品を通じ、立場を考えて勝手に自分でメダパニ混乱するという

謎の習性があります。そのため、勝手に自滅してしまうことが多く

シリーズ屈指のネタキャラと呼ぶ人もいるとか。

 

 

 

 

 

上記の4の通り、手を消毒しました。

(触ったわけでもないですが一応念のため)

なお、あれから半月以上経過していますが

一度も具合が悪くなったことはありませんのでご安心を。

〆切に追われて頭がオーバーヒートしたことはありますが

 

 

 

 

 

 

よくワイドショーがやることで有名なアレ(爆)

 

 

 

 

 

ウミアイサの仲睦まじい「つがい」です。

今冬はよく見かけた気がします。

ちなみに、恐らくカワアイサより撮影しやすいです。

 

 

 

 

【2/13 浦安の海岸で撮影した生きもの】

鳥類・・・イソシギ、イソヒヨドリ、ウミアイサ、オオバン、オナガガモ、カワラヒワ、キジバト、スズガモ、セグロカモメ、タヒバリ、ツグミ、ハクセキレイ、ハジロカイツブリ、ヒドリガモ、ビロードキンクロ、ホシハジロ

その他・・・アブラコウモリ

 

★生きもの探索ツアー開催に向けて準備中! 2021年4月開始予定です。

 3月中旬に情報公開しますので、ご期待ください。m(_ _)m