駅前親水公園を比較検証してみる話(別所沼公園&浮間公園) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

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雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

今日ご紹介するのは、久々に訪れた別所沼公園(さいたま市)

お馴染みの浮間公園(東京都北区&板橋区)の2ヶ所です。

それぞれ中浦和駅、浮間舟渡駅と埼京線の駅前に位置し、

戸田市を挟んで反対側に位置しています。

 

今年は体感的に水鳥(主に冬鳥)が多い気がするのですが

実際のところがどうなのかを判断するには

より多くのスポットの情報が必要と判断し

仕事帰りにちょっと乗り越して中浦和へ。

ついでに、似たような面積・環境である浮間公園にも足を運び

良い機会なので両公園を独自に比較検証してみることにしました。

 

上の写真は別所沼公園ですが、水面にカモが浮いていません。

少なくとも写真で見える範囲はガランとしています。

 

 

 

 

 

 

とはいえ、これだけの親水公園なので

全く水鳥がいないということはなく、ちょっと奥まで入ってみると

カイツブリ(左)のほか、キンクロハジロの集団(右)がいました。

また、キンクロryの中に数羽スズガモが混じっていました。

 

これに加えてマガモと、留鳥のカルガモがいたのですが……そんだけ

池の面積と形は浮間公園(後述)とほぼ同じくらいなのですが

明らかにあちらと比べて鳥の密度が低いのです。

以前に来たのは5年以上前ですし、しかも夏場でした

冬にここを訪れたのは今回が初めてなのですが、夏の散策時にも

やはり浮間公園と比べて生きもの(この場合は主に昆虫)の数が少なく

少々寂しい感じがしたことは拭えません。

(ただ、キンクロハジロだけは結構多くいました)

 

理由はどこにあるのか? ハッキリしたことはわかりかねますが

「食料が少ない」「周りに高木や建物が多いので飛来しにくい」など

何となくこれかな?と推察できるものはいくつかあります。

浮間公園はその点オープンな環境で、荒川の河川敷にも隣接しているので

都市公園でありながら渡り鳥が飛来しやすい環境が整っているのです。

 

 

 

 

 

 

ただ、別所沼公園には池を見下ろせるカフェが隣接しており(左)

メタセコイアの巨木並木があり、短いながらも小川が流れているなど、

浮間公園にないコンテンツもいくつか見られます。

水鳥の数が圧倒的に少ないことは間違いないですが(汗)

別の方向で散策する面白さがあると言えるかもしれません。

 

 

 

 

 

 

そのメタセコイアの根本(右)を始め、

園内の広場に結構な数のシジュウカラが飛来していました。

(どうもエサやり疑惑があるので手放しには喜べませんが)

 

 

 

 

 

上記のメタセコイアと、手前にカモの集団を据えて。

 

ちなみにこういう写真を雑誌等に使用して

「冬の別所沼にはカモの集団が飛来します」と書くと

嘘や誇張を交えずとも、浮間公園レベルの集団が来ていると

誤解を与えることができてしまいます(汗)

カメラマンや編集者の常套手段なのでご注意ください(爆)

 

 

 

 

 

これが中浦和駅から見た別所沼公園です。

浮間公園と違って池は見えませんが

奥にメタセコイアの並木が確認できるので場所はすぐわかります。

 

 

 

 

 

水鳥が少なく何か消化不良だったため、

中浦和から浮間舟渡まで移動し、浮間公園へ。

(ちなみに最寄駅からの距離もこっちの方が近い)

 

前々から何度も紹介しているので今更感がありますが

こちらはカモの集団とユリカモメが毎年飛来しており

池が大変にぎやかです。

 

 

 

 

 

集団が観察できる冬ガモは

写真のヒドリガモをはじめ、キンクロハジロホシハジロなど。

オナガガモも毎年来ていますが、そこまで多くありません。

鳥との距離が近いため、お子さんたちも喜んでいます。

 

実は先日の記事で紹介したモニターツアーの会場について

不忍池でなくこっちでやろうかとも検討したことがありました。

ただ、神奈川在住の友人が少し遠くなり過ぎてしまうことと

最初はより都会っぽさを感じるスポットで「意外と鳥が多い」ことを

体感していただきたいという思いもあり、あちらになりました。

 

 

 

 

 

 

何度か紹介しているアメリカヒドリは、この日も健在でした。

たまに単独行動していることもあるのですが

ほとんどの場合は通常のヒドリガモと一緒にいますし

ヒドリガモの方も特に疑問には感じていないようです。

(たまに喧嘩することもありますが、まあ他の鳥でもよくあることでしょう)

 

 

 

 

 

ちょっとアグレッシブなポーズに見えるかもしれませんが

実は足を滑らせて転びそうになったところです(爆)

 

 

 

 

 

浮間公園といえば、夏になるとササゴイの飛来地として

その筋では結構有名です。ただ、あれは夏鳥なので今は不在。

代わりに……というわけではなく四季を通じて「いる」のですが

バードサンクチュアリ内にゴイサギのコロニー(?)があります。

所感として、一番ゴイサギが観察しやすい公園かもしれません。

(ただ、昼間は写真のように寝ていることも多いので一応要注意)

 

……というわけで、駅前でお手軽にバードウォッチングしたいのなら

埼京線沿いでは浮間公園一択といえそうです。(;^_^A

 

 

 

 

 

【おまけ(浮間公園の後日談)】

子供達が一生懸命植えた花壇に

土足で踏み入り球根を食う連中

 

……と一瞬思いましたが、実はチューリップには毒があり

鳥に食べられることは基本的にないみたいです。

実際、この時ヒドリガモ(&アメリカヒドリ)が食べていたのは

芝や雑草、その隙間に落ちた種などであり

ワークショップで植えたチューリップには危害はなかったようです。

 

 

 

 

 

芽も結構生えてきていました。

来月以降が楽しみです。

 

 

 

【2/5 別所沼公園&浮間公園で撮影した生きもの】

アオサギ、アメリカヒドリ、オオバン、オナガガモ、カイツブリ、カルガモ、カワウ、キンクロハジロ、ゴイサギ、コサギ、シジュウカラ、スズガモ、ツグミ、ハクセキレイ、バン、ヒドリガモ、ヒヨドリ、ホシハジロ、マガモ、ムクドリ、ユリカモメ

 

★生きもの探索ツアー開催に向けて準備中! 2021年4月開始予定です。

 ご期待ください。m(_ _)m