【ご報告】講座「首都圏生きものめぐり」のお知らせ(上野恩賜公園でのモニターツアー記録) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

さて、かねてより本ブログの記事の最後で

★現在、生きもの探索ツアー開催に向けて準備中!

という一文を掲載してまいりましたが、

このたび私は2021年4月(予定)より

関東自然探し講座『首都圏生きものめぐり』と題しまして

東京近郊の公園や自然地、街を巡る生きもの探しのツアーを

正式にスタートさせていただきます。

 

そこで去る1月中旬、上野恩賜公園・不忍池にて

プレイベントとして約1時間30分のモニターツアーを実施。

緊急事態宣言下ではありましたが、感染症対策を実施しつつ

4名の方を招きガイドとして案内させていただきました。

参加者はお子さん2名(姉弟)とそのお母さま、

それと私の高校時代からの友人(同級生)です。

友人は旅行会社に長らく勤めているということもあり

今後のツアー運営に向けて意見を貰いたく、参加をお願いしました。

 

雨模様な上に気温も低く、コンディションとしては最悪でしたが(汗)

今回のモニターツアーでは水鳥が観察対象だったこともあり

生きもの観察という観点ではあまり支障がなかったのは

不幸中の幸いだったかもしれません。

(ただ、寒さゆえにお子さんたちが凍えてしまったのが申し訳なかったです(汗))

 

 

 

 

 

【講座『首都圏生きものめぐり』とは何か?】

都会のイメージが強い首都圏にちりばめられた
意外なほど生きもの豊かな公園・緑地などを
まちづくりとガーデン雑誌の編集・ライターなどを務める
私自身がご案内する散策ガイドツアーです。

 

基本的には、本ブログでこれまでに私がご紹介してきた

東京・埼玉・神奈川・千葉等の都心近郊をご案内します。

現地集合・現地解散スタイルで、目的は主に「生きもの探し」です。

 

モニターツアーでは上野恩賜公園・不忍池で

冬のカモやユリカモメ等を観察して回りました。

飛来するカモの数・種類が都心の割に豊富なので

プレとして歩くにはうってつけかと思いました。

 

 

 

 

 

【どんな生きものに会えるのか?】

今回のモニターツアーでは主に冬の水鳥がターゲットでしたが

(写真はモニターツアー中に撮ったオオセグロカモメです)

企画中の講座本番では4月~翌年3月まで実施する中で

昆虫や他の小動物を観察することも予定しています。

この辺りも、本ブログの内容に忠実に行う予定です。

 

ただ、講座ではあまり遠出はしない予定です。

渡良瀬遊水地や銚子漁港などは現地集合・現地解散が難しいので

東京を中心に、せめて片道1時間以内のエリアを回りたいと思います。

 

 

 

 

 

【なぜ、今『首都圏生きものめぐり』の講座なのか?】

都心部の公園・緑地は上記の通り

意外なほど多くの生きものの暮らす場となっていますが

「どんな生きものが」「どこにいるのか」までは

満足に知られているとは言い難いものがあります。

それ故か、一般論として「最近の都会は生きものが減った」と

ネガティブな論調が飛び交っているように感じられますが

これはよろしくない流れで、非常にもったいなく感じます。

 

そこで、約8年間にわたり方々で生きものを探し続けてきた私が

現地をご案内し、生きものの探し方や触れ合い方などを

これまでのような文面や写真だけではなく

直接私の口からお教えしていきたいと考えております。

(本ブログはこのまま継続しますのでご安心(?)ください)

 

自然共生の促進や、昨今のコロナ禍による外遊びニーズの増加など

公園・緑地の役割がますます重要なものになっている今だからこそ

「生きものめぐり」という、新しい形での楽しみ方を

多くの方に知っていただき、実践してもらえれば幸いです。

 

 

 

 

 

【一般によくある自然観察ツアーと、何が違うのか?】

とは言え、自然散策ガイドツアーというだけならば

既に自治体やNPOの主催により、多くの公園で実施されています。

敢えてジャーナリストである私が執り行うにあたっては

そうした既存のツアーとは異なるコンテンツが必要不可欠です。

そこで、以前にも本ブログでご紹介しましたが

常に「なぜ?」という疑問を持ちながら歩く

より能動的な散策スタイルを提案していきたいと考えております。

 

モニターツアーで実践した例をご紹介しましょう。

上の写真は、特に何の変哲もない不忍池にある看板で、

見ての通り池で観察できる鳥を紹介しています。

こういう看板自体は基本多くの水場に設置されているものですが

これを見ていて何か「?」と疑問に思うことはないでしょうか?

 

過去にも本ブログで不忍池の情報を掲載してきましたが

本来ならこの手の看板で紹介されていて然るべき鳥が

どこにも見当たりません。↓

 

 

 

 

 

そう、カワセミです。

 

今も昔も人気者であったことに変わりのないこの鳥は

現在不忍池では決して珍しくない存在となっています。

だとすれば、真っ先にこの手の看板で掲載されるべき存在です。

その方が公園の自然度をPRするには有用ですからね。

(そもそもここでのカワセミ遭遇率はバンよりも上)

 

では、なぜ看板にカワセミの写真が掲載されていないのか?

●看板の設置された時代(1979年)にはカワセミはいなかった

●何らかの理由でカワセミの写真を用意できなかった

●カワセミ目当てのバードウォッチャーが集まるのを防いだ

……など、様々な理由が推測できます。

真実は看板を設置した方に聞かないとわかりませんが

真実か否かはともかく、上記のように推測して読み取ることで

こんな些細な看板1つからでも色々と思考を巡らせることができます。

この「なぜ?」を考えることを散策中にやってもらうことで

自然散策は、生きものや景観に「感動」するだけに留まらず

次のステップに行けるのではないか?と、そう信じ、

ツアー内で実践していきたいと考えております。

 

 

 

 

 

ちなみに上記のカワセミはこんな所にいました。

一応、不忍池で撮影したことの証明にはなるかと。

 

 

 

 

 

【講座用テキストについて】

テキストは私が編集ソフトで作成しております。

行先となるスポットで観察できるであろう生きものをリスト化しており

実際のツアー時には、見つけた生きものの欄にチェックを入れながら

リストのコンプリートを目指すような造りにしました。

 

モニターツアーでも同様に、

不忍池で観察できる主要な生きものをリストアップ。

当日は雨天故、歩きながらテキストを開くことはできませんでしたが

後程、記憶を頼りに見かけた鳥をチェックしてくれたそうです。

(写真は後程、参加者姉弟のお母さまより送っていただきました)

 

 

 

 

 

 

ご姉弟より、ありがたい感想のコメントもいただきました。

オオバン(右)は、現地で私がカモとオオバンの見分け方について

足のイラストなどを描きながら説明したので

印象に残っていたみたいです。(お姉ちゃんの感想より)

 

また、弟くん(左)にはハトが丸くなって寒さに耐えている姿が

印象に残っていた模様。ここでいう鳩とはドバトなのですが

どこにでもいるとか外来種がどうとかはこの際気にせず、

生きものを直接観察し、興味がわいたこと自体が大切。

後日、弟くんは自宅近くの公園でハトの観察に勤しんでいたらしく

お母さんからその旨ご報告がありました。

 

 

 

 

 

これはお母様からの感想です。

こんなご時世に快くモニターとしてご協力いただき

本当にありがとうございました。

 

また、友人からは4月以降の本番に向けて

プロの視点から改善点等のアドバイスをいただきました。

この場を借りて、心より感謝申し上げます。

 

 

 

 

 

これは後日、改めて不忍池に立ち寄った際の写真。

モニターツアー中には観察できなかったオカヨシガモ

1羽だけ見られました。なお、一番見てもらいたかったヨシガモは

残念ながら今年は飛来していないようです。

相手は人間語の通じない別の生物ですので(爆)

なかなか思い通りにはいかないものですね。

 

 

 

 

 

これも後日の記録。ちょうどヨシの刈り取りをしていました。

自然地と違い、こうした街中の公園というものは

人の手があって初めて成り立つもの。

できればモニターツアーの時に、こういうシーンを

お見せしたかったという気持ちがあります。

 

今回のモニターツアーを参考に、本番のプランを組み

正式なツアーのご案内はまた後日、

この場をお借りして行わせていただきます。

もし、今の段階で興味のある方がいらっしゃいましたら、

一旦メッセージまたはコメントにてご連絡いただければ幸いです。

 

 

 

 

 

【おまけ】

モニターツアーの当日、朝早めに現地入りして

公園内をブラブラしていた時に見かけた鳥。

一瞬アカハラかと思いましたが、

目の上下に入った白いラインなどの特徴から

どうやらマミチャジナイではないかと思われます。

思わぬところで撮れた、今年3体目の新顔です。

 

遭遇率・・・2 (そこそこの観察記録は上がっています)

インパクト・・・3

美しさ・・・3

俊敏性・・・4  (シロハラ辺りに準じます)

知名度・・・2 (それなりの鳥類図鑑なら載っているはず)

 

毎年決まった場所に飛来するという情報がないため

狙って撮りに行くのは難しい鳥です。

今回、悪天候に加え急に出てきたということもあり

イマイチな写りになってしまいましたが、

とりあえず証拠写真くらいにはなる……かな?