このまま春まで残りそうな雰囲気(戸田市内の水場など) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

 

本日紹介するのは平日のお昼の記録。

仕事(自宅作業)の合間に昼食がてら外出した際、

1時間半ほど戸田市内を歩いて鳥を探してみました。

 

まず、以前にご紹介しました戸田市内の小さな公園へ。

市役所の目の前にあるのですぐ見つかるはずです。

後谷公園といい、戸田市内では彩湖を除いて最大級の公園ですが

バードウォッチングのために訪れるような場所ではなく

基本的には市民のための憩いの場・遊びの場という感じ。

ちなみにWikipediaで検索をかけても公園単独のページは存在しません。

 

右写真のように池があり、結構な数のカルガモが常駐しているのですが

周りは完全に住宅街で、他の野鳥は期待できません。基本的には。↓

 

 

 

 

 

ところが、以前にもお話しました通り、

今冬はここに1羽だけヨシガモ♂が飛来しています。

(光の関係でイマイチな写りになり申し訳ありません)

たまたま流れ着いただけだろうなとは思いますが

カルガモが常駐していることからもわかる通り

食事には困ることがない様子。カルガモとも特に争う様子はなく

微妙に距離はあるものの、共存はしている模様です。

 

冬鳥なので、いずれは北国に帰っていくものと思われますが

首都圏の冬ガモは遅いと4月上旬くらいまで残っていることも多く

もうしばらくは会えるのではないかと思われます。

 

ヨシガモ自体はそれほど珍しいわけではないですが

どこにでも飛来する鳥とは言い難く、

あのような住宅街真っ只中の公園にいるというのはちょっとした驚き。

明日、仕事に出る前にもちょっと覗いておこうかと思います。

 

 

 

 

 

駅近くにて。

横断歩道前で信号待ち(?)をするハクセキレイ

飛べばいいのに、という気がしないでもない。

 

 

 

 

 

戸田ボートです。競技場は写真だとずーっと奥の方。

こちら側はカヌー等の練習場になっており

よく大学生の姿を見かけます。

 

上記のヨシガモは、基本的にこちらの常連さん。

私がここで撮ったのは昨冬が初めてなのですが

多分ずっと前から毎年のように飛来していたのでしょう。

(一羽だけでなくそこそこの集団で来ていますし)

 

 

 

 

 

カワウが集団で休憩中。

あと、1羽だけセグロカモメが混じっていました。

 

 

 

 

 

以前の記事でもご紹介したオカヨシガモ

昨冬は確認できませんでしたが、

今年は「つがい」を確認しております。

 

 

 

 

 

一方、この競技場で一番多いのはカモの仲間ではなく

こちらのオオバン。かなりの集団で飛来しており、

潜水(?)して水草を獲って食べることもあれば……↓

 

 

 

 

 

集団で上陸し、芝生広場で草や種を食べることもあります。

写真ではくつろいでいる個体も1羽いますね。

 

競技場の水草は練習等の邪魔になるためか

定期的に刈り取りなどをして綺麗に保たれているのですが

少し前に掃除がされたにも拘らず、オオバンはいなくなりません。

水草に頼らずとも食事は他にたくさんあるため、

引っ越す必要がない……ということかもしれませんね。

 

なんつーか、結局のところ生き残っていけるのは

こういう選り好みしない種ということなのかもしれません。

 

 

 

 

 

競技場のヨシガモ♂です。この日は3羽確認できました。

近くにメスらしき個体もいましたので

今年もここで集団越冬しているみたいです。

 

なお、以前に浮間公園で確認したヨシガモは

ここ数週間姿を見ていません。

意外とあそこからこちらに移動してきている個体もいるのかも?

オオタカに●られた可能性もゼロではありませんが

 

 

 

 

 

競技場を離れ、市内の運河へ。

いたち川のような自然護岸でもなく、

ごくありがちな「街中の川」なのですが

こちらにも複数のカモが飛来していました。

 

 

 

 

 

 

オオバンやカルガモも多いのですが

ヒドリガモの集団が来ていたのが印象に残っています。

その中に1羽だけ、アメリカヒドリの遺伝子を引き継いでいるらしい

頭に部分の濃い個体(右写真)を確認しました。

左写真の通常のヒドリガモ♂の写真と比べてみると、その差は明らかです。

 

 

 

 

 

ちなみに本家アメリカヒドリがこちら。

通常のヒドリと交雑することが多いらしく

頻繁に雑種を見かけますが、

これはほぼ純血種(?)かと思われます。

頭のグリーンの模様の形が、上の右写真とよく似ています。

※参考画像(浮間公園で昨日撮影)

 

写真のアメリカヒドリは草(ホトケノザ)を食べていますが

通常のヒドリも含め、彼らは植物食傾向が強い雑食性。

しかもオオバンと同じく、水面に浮く水草、陸上の植物、

そして海藻までと色々なものを食べられるので

首都圏でもかなり広範囲に飛来しています。

 

 

 

 

 

橋の下にいるのは、アオサギコサギ

ちょっとした喧嘩中のようです(汗)。

 

 

 

 

 

コサギをクローズアップ。

彼等の主食は当然魚となりますが

戸田市内でのコサギの遭遇率は決して低くありません。

人工護岸の運河で一見生きものなどいそうにないのですが

ちゃんと魚は生息しているみたいですね。

 

また、雨天直後などに濁ることはありますが

水質も決して悪くないようで、異臭を感じたりもしません。

加えてこれだけの住宅地であれば

さすがに天敵のオオタカなどは来ないと思われますので

水鳥達にとっては案外居心地がいいのかもしれません。

 

ただ、チョウゲンボウが戸田市内で観察できていますので

そろそろオオタカもやってくる可能性はなくもないです(汗)。

(チョウゲンボウのサイズではさすがにサギは襲わない(はず))

 

 

 

 

 

水深が浅いため、歩いているオオバン

水底にはほとんど水草の類が生えていないようなので

運河の個体は専ら陸に上がって草を食べているようです。

 

 

 

 

 

む? コンクリ護岸に見覚えのある青い鳥が。

 

 

 

 

 

なんと、カワセミも姿を現しました。

警戒心が強く逃げやすい個体だったため、

かなり遠距離からズームして撮影しております。

(そのため、写りはいつものカワセミ写真と比べてイマイチ)

 

渓流の宝石と呼ばれ珍重されたカワセミも

今では都心部の水鳥のコモン枠となりつつあります。

が、それでも常に会えるわけではありませんし

もし街中で見かけたら常に写真を撮るよう心がけています。

 

写真の個体は色褪せているようなので

恐らくまだ若い個体かと思われます。

しかし、あんな浅い川でもダイブして大丈夫なんだろうか?

(大丈夫だから「いる」のでしょうが)

 

 

 

 

 

ちなみに近くの土管で見かけた白いライン。

これは恐らく、カワセミのと思われます。

カワセミはとまった状態から勢いよく後ろに糞を射出するので

このような線状の糞になるのです。

 

以上、約1時間半、戸田市内の水場を巡ってみただけでも

14種類の野鳥を観察することができました。

時間がなかったからここで記録していないだけで

本当はヒヨドリやメジロ、オナガなども生息しているはず。

さすがにヒクイナのような珍しい鳥に会うのは難しいでしょうが

「鳥探し」という視点を取り入れるだけで

街中の散歩はグンと楽しみ方が広がるはずです。

 

 

 

【2/4 戸田市内の散歩中に撮影した生きもの】

アオサギ、オオバン、オカヨシガモ、カルガモ、カワウ、カワセミ、キジバト、コサギ、セグロカモメ、ツグミ、ハクセキレイ、ヒドリガモ(一部アメリカヒドリとのハーフらしき個体含む)、ムクドリ、ヨシガモ

 

★生きもの探索ツアー開催に向けて準備中! 2021年4月開始予定です。

 ご期待ください。m(_ _)m