氷の上に立つように(秋ヶ瀬公園~彩湖~戸田公園) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

今の10代は小松未歩なんてわかんねえよ多分。

(コナンのアニメはまだ続いているのに)

 

 

 

 

この日は秋ヶ瀬公園から彩湖を経て、戸田ボートまで歩くという、

地元色の強い、それでいて成果の見込めるルートを歩きました。

昨年春の緊急事態宣言下でもほぼ同じ場所を散策しましたが

あの時は秋ヶ瀬公園が台風被害から復旧していませんでした。

 

写真は、秋ヶ瀬公園到着後にすぐ現れた猛禽。

羽の形や顔からして恐らくハイタカだとは思いますが、

もう少し鮮明に撮りたかったなと若干後悔……。

 

 

 

 

 

昨年もご紹介した桜草公園。現在はこんな感じです。

散策路沿いから、背丈の高い枯草がきれいに刈り取られていますが

もちろん自然にこうなったわけではなく、

人の手で草刈りが行われているからだと思われます。

 

昨年は、台風被害を受けて一度は水の底に沈みながらも

しっかりとサクラソウやチョウジソウが花を咲かせていました。

台風被害のなかった今年は更なる開花に期待したいところですが

さて、どうなることやら……。

(適度に氾濫があった方がよく咲くという話を小耳に挟んだもので)

 

 

 

 

 

 

昨年の秋に、雑誌でも採り上げさせていただいた

荒川第一調節池の風景。左写真は名物の横堤です。

 

いざという時には水没して役割を果たすため

基本的に建物の類はありません。

あるのはトイレと物置くらいか?

なんか物置は台風後に後片付けが大変だったと聞きますが(汗)

 

 

 

 

 

ここからは暫し、秋ヶ瀬公園内で撮影した野鳥をご紹介します。

 

まずはクイナ。藪の中に隠れて気配を殺していることが多く、

表に出た時にはハリネズミのごとく警戒心を尖らせ、

はぐれメタルのごとく俊敏に逃げてしまう鳥なのですが

この時はヨシの陰でボーッとしていました。

 

人の近づける場所ではなかったものの、

コンデジでも十分撮影できるような近距離だったので

多少影は入ったものの、最早撮り放題。

こういうクイナを見るのは初めてかもしれません。

 

 

 

 

 

これは近くにいた別個体。

こうして全身が露になると、

足の指が異常に発達(?)しているのがよくわかります。

だからあれだけ早く走れるのかもしれません。

 

沖縄のヤンバルクイナなんかもこんな感じなんだろうか?

それでもマングースには捕まるようですが

 

 

 

 

 

異様に寒い日が続いたため、凍ってしまった公園の池。

ふと見れば、そこにはアオサギの姿が……。↓

 

 

 

 

 

美しい立ちポーズ。光の当たり具合の関係で、

スポットライトを浴びるフィギュアスケーターの姿に

見えなくもない……かもしんない。

 

 

 

 

 

氷の下に魚がいたらしいが……

フッ、無駄な努力ですな。ニヤリ

(嘴が割れなかったのは幸いか)

 

アオサギほどの大きな鳥が乗っても大丈夫なのか?と

心配に思う方もいらっしゃるかもしれませんが

鳥の身体は飛ぶために体重が大変軽くなっており

余程薄い氷でもない限り、アオサギが歩いても割れることはありません。

 

まあ、水鳥であるアオサギの場合

ここで仮に落ちても死にやしないでしょうが。(足つくし)

 

 

 

 

 

公園の一角、とりわけバードウォッチャーの数が多かった池に

ルリビタキ♂が姿を現しました。

彼もまた、氷の上に立っています。

 

 

 

 

 

近くの枝まで来たところをクローズアップ。

この鳥は一度撮影ポイントに姿を現すと、頻繁にポジションを変えつつも

しばらくは目に見える範囲から離れないという特徴があります。

また、それほど人を恐れないようにも感じます。 餌付けではないと信じたい

そのため、現れるポイントさえ把握すれば

意外とビギナーにも撮りやすい鳥と言えるのです。

 

大晦日の大池公園よりも、さらに鮮明に撮れたかも?

 

 

 

 

 

光が強すぎて色が大分飛んでしまいましたが

マヒワの集団にも遭遇しました。

ハンノキの実を食べているようです。

 

秋ヶ瀬公園のハンノキといえばミドリシジミの食草として有名ですが

各種図鑑ではマヒワもこの実が好きであると記載されています。

今年は全体的にマヒワの飛来数が多いと聞きますが

好物に恵まれている秋ヶ瀬公園は、

よりその傾向が顕著に現れているのかもしれません。

 

そういえば去年は全くミドリシジミを撮れませんでした。

今年は絶対にリベンジしたい。(まだ新カメラで満足に撮れていない)

 

 

 

 

 

 

凍った池の畔、僅かにある水を求めて

地面に降りてきたマヒワの集団。

 

黄色が濃いのがオスで、他はすべてメスと思われます。

(つまりハンノキの実を食べている上の写真の個体はメス)

 

 

 

 

 

おっと、ここにもタシギが現れました。

この鳥は丸々と太っていて一見大きそうに見えますが……↓

 

 

 

 

 

実はアオサギと比べるとこんなに小さかったりします。

(タシギは写真の左下付近、池の畔にいます)

ちなみに舞岡公園によく現れるヤマシギはタシギより一回り大きく、

三番瀬に出るハマシギは逆にやや小さいようです。

 

 

 

 

 

ベニマシコも出現。角度が正面向きでないのが残念ですが

顔の赤い部分は一応撮れたのでヨシとすべきか……。

 

 

 

 

 

なお、近くにカワセミ♀が現れたのですが

ベニマシコの出ている間は基本的に無視されます(汗)。

というか、本記事でここまでに登場した鳥の内

ハイタカ、クイナ、ルリビタキ、マヒワ、タシギは

カワセミよりも優先的に撮っておくべき鳥というのが

バードウォッチング界隈では半ば共通認識となっています。

(もちろんカワセミ狙いの場合はこの限りではないですが)

 

 

 

 

 

下手すると、ジョウビタキの方が

カワセミより優先されることすらあります。

しっかし汚え川だなオイ。しかも何年前に放置されたゴミだよコレ……

 

もちろんカワセミの数が増えたから注目されにくいというのもありますが

最大の理由は、上記の他の鳥たちが頻繁に移動を繰り返して

すぐ隠れてしまうのに対し、カワセミは基本水場から離れず、

一度現れたらしばらくジッとしているから……と言えるでしょう。

 

人気の高い鳥を数多く撮影でき、大変満足。

ついでに持参したおにぎり(コンビニですが)で腹を満たし

土手を南下して彩湖に向かいます。↓

 

 

 

 

 

 

彩湖ではまだ一部、台風からの復旧作業が進められていました。

左写真はまさに工事中の光景。しかし、下の方をよく見てみると

キンクロハジロの集団が浮いています。

工事のために若干水位を下げているのですが、特に問題ない模様。

また、写真が悲惨だったのであえてアップしませんが

ミコアイサのメスも飛来していました。

 

右はご存知シロハラ。秋ヶ瀬公園にも多数いたのですが

こちらの方がより鮮明に撮れました。

藪の中から落ち葉をガサゴソと弄る音が聞こえてきたら

本種かアカハラ、あるいはガビチョウの可能性が高いのですが

この時変に覗き見たりせず、動かないでその場で待っていると

写真のように表に出てきてしまうこともあります。

冬鳥の中ではあまりレア度の高い種ではないのですが

それでもツグミやアオジなんかに比べれば撮りにくい鳥。

こうして目立つ所に出てきた際には、毎度有難く撮らせていただいています。

 

 

 

 

 

生きた有刺鉄線ことカラタチの実。若干腐っていましたが

一応これでも柑橘類の仲間なので、それらしい良い香りがします。

(ちなみに食用にはならない模様)

 

 

 

 

 

彩湖でも一度クイナが出現したのですが

ああああ間の茎が著しく邪魔(呪)

これさえなければほぼパーフェクトだったんですが……。

 

 

 

 

 

公園の南側に鳥の集団が浮かんでいたので

カモかなと思いズームしてみたのですが

これは驚いた……とんでもない数のカンムリカイツブリです。

これだけの集団は今まで見たことがなかったですね。

 

カンムリカイツブリも、関東圏では基本的に冬鳥。

やはり今冬は冬鳥全般の飛来数が多いのは間違いなさそうです。

 

 

 

 

 

彩湖を後にした時点で、午後3時を回っていました。

そのまま土手を歩き、戸田ボートを目指します。

結構な距離で疲れますが一本道というのがありがたいですね。

 

 

 

 

 

……と、土手近くの藪の中に大き目の鳥影が!

この後すぐ逃げられてしまったので撮れたのはこの1枚だけでしたが

こちらでもハイタカと思われる猛禽が撮影できました。

(位置的に、秋ヶ瀬公園で撮ったのとは別個体と思われます)

 

彩湖以外には大きな自然地がない戸田市ですが

こうして猛禽が撮影できるというのは、

居住者としてもやはり嬉しいものです。

 

 

 

 

 

 

日が大分傾いた頃、ようやく戸田ボート(戸田公園)に到着しました。

ここの水鳥は大部分がオオバンなのですが

今回はオカヨシガモ(右写真)にも会えました。ここでは初めてかも?

なお、さすがに戸田ボートは凍らなかったようです

 

 

 

 

 

最後に、戸田ボートの代表種とも言えるヨシガモです。

 

ちなみに最近戸田市では、住宅地に囲まれたとある小さな公園の池にも

1羽だけヨシガモ♂が住み着いて(?)おります。

群れからはぐれて流れ着いたのか、単に一匹狼なのか……。

 

 

 

 

 

これがそのヨシガモです。(別の日に撮影)

本当に、たいして広くない街中の池にいきなり出没したので吃驚。

しばらく毎日様子を見に行こうかと考えているところです。

(自宅から徒歩7分圏内の場所なので)

 

 

 

【1/9 秋ヶ瀬公園~彩湖~戸田公園で撮影した生きもの】

アオサギ、アオジ、エナガ、オオバン、オカヨシガモ、カルガモ、カワウ、カワセミ、カワラヒワ、カンムリカイツブリ、キジバト、キンクロハジロ、クイナ、コガモ、コゲラ、コサギ、シジュウカラ、シメ、ジョウビタキ、シロハラ、スズガモ、ダイサギ、タシギ、タヒバリ、ツグミ、ノスリ、ハイタカ、ハクセキレイ、ハシボソガラス、ヒヨドリ、ベニマシコ、ホオジロ、ホシハジロ、マガモ、マヒワ、ミコアイサ、ムクドリ、メジロ、モズ、ヨシガモ、ルリビタキ(41種類)

 

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