ほぼ凍った池の畔で(荒川大麻生公園) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

 

熊谷市にある荒川大麻生公園は、

その名の通り荒川沿い(厳密に言うなら河川敷の中)に位置する

広大かつ自然度の高い公園で、埼玉屈指の野鳥撮影のメッカです。

上の写真は近くにある架橋の上から撮ったもの。

左のように、荒川本流の雄大な眺めが魅力的です。

 

その気になれば川の目の前までいけないこともないようですが

ルートが限られているため、無理は禁物です。

また、このエリアにはイノシシが生息している可能性があります。

何度となく通っている私でさえまだ会ったこともないので

基本エンカウントはしないでしょうが、もしもの場合は相当ヤバいびっくり

 

 

 

 

 

公園内には芝生広場もあり、

球技している学生や親子連れの姿もよく見かけます。

また、写真のタヒバリやツグミなどがうろついていることも。

 

 

 

 

 

森の中で見かけたカケス

顔に枝の影が一本被ってしまいましたが

とにかく撮りにくいこの鳥のこと、あまり我儘は言えません。

顔がちゃんと撮影できただけでも御の字でしょう。

 

 

 

 

 

さて、この日のメインとなったのは森の中のとある水場。

例によって極寒のために水が凍ってしまっていました。

の上を歩くキセキレイが一羽、暫し池に留まっていましたが

現地にいたバードウォッチャーの皆さんはそれより奥

凍った池を挟んだ対岸に注目していたようです。

 

 

 

 

 

到着直後にまず見られたのは、ルリビタキのメス。

秋ヶ瀬公園のように近くに寄ってきてくれることはありませんでしたが

やはり長時間池に滞在し、一時的に藪に隠れることはあれど

すぐにまた戻ってきてくれたりもしたので、

それほど問題なく写真に収めることができました。

 

 

 

 

 

上記の通り池には氷が張っていたものの、

岸辺の枯草の下には水がそのまま残っていたらしく、

この日は結構な数の鳥が水を飲みにやってきていました。

 

上の写真、シロハラが3羽写っていますが

中央やや右寄りに、藪から出てきたばかりのトラツグミの姿もあります。

 

 

 

 

 

シロハラトラツグミのツーショットです。

こうして並んでいると、サイズ差が歴然としているのがわかります。

 

ちなみに言うまでもなく、バードウォッチャーから人気が高いのは

圧倒的にトラツグミの方。実際、この写真を撮っていた時は

方々からシャッター音が鳴りっぱなしでした。

 

 

 

 

 

もちろん、シロハラも都心真っ只中で普通に見られるような

ツグミなどと比べるとレアな存在ではありますが

この日はシロハラの出現率が異様なほど高かったため

途中から皆さんも「もうええわ」と思ってしまったみたいです(汗)

 

実際、私も何度か右から左へ受け流しました。

 

 

 

 

 

一方、相方のアカハラはそう何度も出てくる鳥ではなく

レア度も高め。この日は一瞬水浴びに興じたものの

30秒も経たない内に藪の中に消えてしまいました。

 

 

 

 

 

 

そのほか、ヒヨドリ(左)やアオジ(右)など

コモン枠(数が多くて撮りやすい種)の鳥たちも

吸水や水浴びのために池の畔に何度か姿を現しました。

 

 

 

 

 

半身浴(?)に興じるカシラダカ

正午を過ぎたあたりでようやく岸辺に近い部分から氷が解け始め

このように水浴びする鳥の数も増えました。

 

そういえば昔、学校のプールには腰洗い槽なるものがあり

生徒が芋洗い状態になることが多々ありましたが

あれって今でも存在しているのでしょうかね?

 

ちなみに海の撮影には何度も足を運んでいる私ですが

さすがに大の大人1人ということもあり、

海水浴やプールにはもう10年以上も行っていません。

 

 

 

 

 

シメも登場。盗っ人面がハッキリしていることから

これはオスであると判断できます。

 

 

 

 

 

一瞬だけでしたがクロジも姿を見せてくれました。

アオジの近似種でありながら、その遭遇率は圧倒的に低く、

しかもすぐに逃げてしまうので見かけ次第即撮る必要があります。

もしかしたらルリビタキよりも会う機会は少ないかもしれません。

(実はルリビタキはトラツグミ、アカハラと比べても割と会いやすい)

 

さて、よくよく考えると、こうした小さい鳥達は

水を飲むと言ってもそこまで多くの水は求めておらず、

加えて池そのものは少々深くて水浴びに適していません。

水辺に集まる小鳥たちにとっては、多少凍ったところで

実は大して影響は受けないのかもしれません。

(畔の水すら氷るほどの寒さだったらどうなるかわかりませんが)

 

 

 

 

 

……ただ1種を除いて。

(氷にダイブしたら問答無用で死ぬ)

 

 

一応、少し氷が溶けた時に一度狩りを試み

無事小魚のようなものを捕まえていましたので

「ひたすら氷が溶けるのを待つ」というのが

ここのカワセミの戦略(?)みたいです。

でも全く溶けないほど寒かったらどうするんだろうか?

 

 

 

 

 

最後に、この日もハイタカが何度か上空に現れました。

大麻生公園は埼玉県内平野部でも有数の自然度の高さを誇り、

こうした猛禽類も決して珍しくありません。

オオタカやチョウゲンボウ、ハヤブサと同様に

彼等も個体数を回復させているのでしょうか? 気になるところです。

 

 

 

 

 

もういっちょ。(ちなみに上とは別の個体)

光条件が悪かったのが残念。

 

 

 

 

 

駅に帰る途中。野良猫が足元に。

……どうも猫には好かれやすい気がする。

人の♀は寄り付かないが

 

 

 

【1/10 荒川大麻生公園で撮影した生きもの】

アオジ、アカハラ、エナガ、カケス、カシラダカ、ガビチョウ、カワセミ、カワラヒワ、キジバト、キセキレイ、クロジ、シジュウカラ、シメ、ジョウビタキ、シロハラ、セグロセキレイ、ダイサギ、タヒバリ、ツグミ、トビ、トラツグミ、ハイタカ、ハクセキレイ、ヒバリ、ヒヨドリ、ホオジロ、ムクドリ、メジロ、モズ、ルリビタキ

 

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