選り好みしない者が都会で生き残る?(水元公園) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

 

炎天下での水元公園は毎度過酷を極め、常に熱中症の危機と隣り合わせ。

それでもこの時期が最もトンボの出現率が高いため、

毎年飲み物と塩タブレットをチャージして足を運んでいます。

水面から立ち上る蒸気(?)と木陰の少なさがしんどいので

湖岸を歩く際にはくれぐれも注意が必要。帽子が欲しいところです。

 

水郷公園だけあってサギの数が多いのが特徴。

中には、釣り人から魚をパクろうとする不届き者の姿も……。

 

 

 

 

 

オナガの若鳥みたいですね。

頭部がまだ所々白みを帯びています。

 

何となく今年はオナガに会う確率が高い気も?

 

 

 

 

 

ひたすら広い池。水平線すら見えてきそう……。

トンボはこうした池の岸辺によく現れますが

とまって休めるような水草などのない場所には来ません。

ゆえに、池が広い割に探すポイントは結構絞られてきます。

 

 

 

 

 

特にこうしたイトトンボの仲間は飛翔能力が乏しいため、

結構な頻度で植物等にとまり、翅を休めます。

ちなみに写真は見ての通り交尾中。

こうしてハート形を描く種が多く見られます。 此畜生

 

 

 

 

 

囲いのロープを齧っているセグロアシナガバチ

以前、アシナガバチは木材などの繊維を齧り取って

自分の巣の材料にするとお話しましたが、これも恐らくその一環。

素材が植物繊維なら何でもいいのかもしれません。

 

 

 

 

 

素早く接近してくるオオカマキリ

あまりの早さゆえに写真がブレてしまいましたよ。

 

好戦的なカマキリの中には、手に乗せたりすると

逃げるどころか逆に顔に向かって一気に登ってくる奴もいます。

普段私がやっているようにカマキリを持てる人は少なくないと思いますが

さすがに顔に登ってこられると結構ビビりますので要注意。

実際この後、背中に回り込まれて引き剥がすのに苦労しました(汗)。

 

 

 

 

 

((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

 

 

 

 

 

1つ上の写真の話ですが、私はケム●やイ●ムシは今でも苦手です。

素手で触ることはできず、できれば遭遇したくもありません(キッパリ)。

しかしそれで逃げてばかりいるとロクな自然散策ができないため

これでも大分克服しました。(なんか同じことを前にも書いた気がしますが)

 

逃げちゃダメだ……逃げちゃダメだ……

 

それはさておき、昼食は梅干トッピングの冷やしうどんをいただきました。

ちょうどいい塩梅に塩分も摂取できるので、暑い夏にはおススメ。

公園内のお食事処でご賞味いただけます。

 

 

 

 

 

池の近くも日陰がないですが、こちらの草地も常に日なた。

冬場は暖かくて助かる面もあるのですが、夏はまさに地獄。

あまり長居したくない場所なのですが……。↓

 

 

 

 

 

おっと、草地にヤブガラシの群落があります。

写真では二ホンミツバチが飛来していますが

以前もお話した通り、この植物は地味ながら昆虫を呼びやすく

私のような人間には無視できない存在だったりします。

 

 

 

 

 

都心部でも数が多く、そして昆虫に好まれやすいヤブガラシ。

そのことはカマキリやハナグモ(写真)などの捕食者もよぉく理解しており

写真のように餌食になっているシーンもよく見かけます。

 

 

 

 

 

そして意外なことに、オオセイボウにも会うことができました。

これまでの撮影記録ではすべてオミナエシに飛来していたのですが

どうやらヤブガラシでも吸蜜するようです。

 

オオセイボウの分布は決して局所的ではなく

それなりに自然度が高ければ都市公園でも見られるそうです。

練馬区の光が丘公園などでもコンスタントに見られると聞きますしね。

 

かといって戸田市にオオセイボウが飛来したという話は

私も聞いたことがありません(爆)。街中のヤブガラシで待っていても

童謡「待ちぼうけ」みたいになるだけです。 その前に熱中症で倒れるか

(彩湖の辺りを中心にもしかしたらいるかもしれませんが)

 

 

 

 

 

昭和記念公園と同じく、ここもチョウトンボの生息地。

園内をくまなく歩けばそこそこエンカウントするはずです。

(ただ、恐らく見つけやすさは昭和記念公園の方が上)

やはりケツを持ち上げて体温調整(?)しています。

 

ちなみにこのトンボ、翅が光沢を帯びているので

撮影する角度によって美しさが大きく変わってきます。

以前の昭和記念公園での写真と比べるとくすんでいるように見えますが

実はこれでもまだマシな方で、光条件によっては真っ黒になり

せっかくの美しさが台無しになってしまうこともあります。

 

 

 

 

 

 

再び、素手で捕獲して撮影。

捕まえてしまえば角度は自在なので綺麗に撮るのも簡単ですが

上のように普通に止まっている場合には、どうしても運に左右されます。

 

なお、左の写真は首が折れているように見えるかもしれませんが(汗)

全然そんなことはなく、ちゃんとこの後生きて飛んでいきましたのでご安心を。

 

 

 

 

 

ウチワヤンマ×2

都心部でも公園等ではそこそこ見かけるトンボで

決して珍しい存在ではありませんが……。↓

 

 

 

 

 

今回、意外にも生涯で初めて(素手で)捕獲に成功しました。

通常は非常に警戒心が強く、おまけに水面から突き出した杭や植物に

掴まっていることが多いため、素手での捕獲は至難の業。

今回はたまたま陸地でボーッとしていたので(熱中症?)

後ろからそーっと手を伸ばし、翅を掴んで捕らえました。

 

 

 

 

 

 

顔と尻尾をクローズアップ。

ウチワヤンマという名前の通り、腹部の先端が団扇型をしています。

人によっては軍配(武田信玄像の持ってるアレ)に見えるかも。

 

ちなみに軍配の名を冠する昆虫としては

プラタナスグンバイなどの「グンバイムシ」が存在しますが、

日本の道具である軍配の名を冠するにもかかわらず

その多くが外来種だったりします。

 

……ところでウチワヤンマのウチワって何に使うんだろ?

あれで扇ごうと思っても無駄だろうし……。

 

 

 

 

 

ところで最近、気になっていることが1つ。

写真のこのオサレな模様のカメムシ、皆さんも見たことがないでしょうか?

以前に何度か紹介した外来種のキマダラカメムシなのですが

ここ数年、急激に首都圏で数が増えてきたように感じます。

サクラの木の汁などを吸うため、日本では繁殖しやすい模様です。

 

本種が日本に入ってきたのは江戸時代とのことですが

その後一時期パタリと姿を消したものの、西日本で復活(?)し

どういうわけか近年いきなり首都圏に進出してきたそうです。

ちょうど猛暑日が続くようになってから増えた気がするので

暑さを好むのかもしれないと感じています。

 

少し前、戸田の彩湖で異様に多く見られたのが特に気になります。

街路樹に何事も起きなければいいのですが……。

 

 

 

 

 

外来種といえば、アカボシゴマダラもここ数年で

増加傾向が強まってきたように感じます。

単に暑くなって北上してきた(らしい)ツマグロヒョウモンと違い

本種は人為的に日本本土に持ち込まれたものなので

在来種との競合がさらに気になるチョウだったりします。

 

ちなみに幼虫の食草はエノキ。

この辺は在来種であるゴマダラチョウと被ります。

 

 

 

 

 

一方、この日は帰りがけに在来種のゴマダラチョウにも遭遇しました。

近年数が減りつつあると聞きますが、いる所にはいる模様。

身近なところだと、先週末にぶらりと立ち寄った赤羽自然観察公園でも

複数の個体を確認しています。(アカボシryも確認できましたが)

どうにか、アカボシryに負けず生き残ってもらいたいものです。

 

幼虫にしろ成虫にしろ、食料とする動植物の数によって

生息数も大きく左右されます。都会に生える植物を食べることができれば

異国から来た外来種も問題なく生息できてしまうわけですが

一方でハンノキしか食べないミドリシジミはハンノキ林の減少に伴い

著しく数を減らすなど、偏食傾向のある昆虫はどんどん数を減らしています。

進化の過程で食草を変化させて生き延びる種もいるのかもしれませんが

そういう進化に至るまでには何世代も経る必要があるわけで……

それまでに絶滅しかねない種も少なくなく、今後の動向が気になるところです。

 

 

 

 

【8/16 水元公園で撮影した生きもの】

鳥類・・・アオサギ、オナガ、カルガモ、カワウ、コアジサシ、ゴイサギ、ダイサギ、ハクセキレイ、ムクドリ

昆虫類・・・アオスジアゲハ、アオモンイトトンボ、アカボシゴマダラ、アジアイトトンボ、アブラゼミ、イチモンジセセリ、イボバッタ、ウチワヤンマ、オオカマキリ、オオスズメバチ、オオセイボウ、オニグモ、オンブバッタ、キマダラカメムシ、キンケハラナガツチバチ、ギンヤンマ、クロアナバチ、クロバネツリアブ、コアオハナムグリ、コガタスズメバチ、コシアキトンボ、コバネイナゴ、コフキトンボ、ゴマダラチョウ、サトキマダラヒカゲ、シオカラトンボ、ショウジョウトンボ、ショウリョウバッタ、シロテンハナムグリ、セグロアシナガバチ、チャバネセセリ、チョウトンボ、ツクツクホウシ、ツバメシジミ、ニイニイゼミ、ニホンミツバチ、ハナグモ、ベニシジミ、マメコガネ、ミンミンゼミ、ヤマトシジミ

その他・・・アカミミガメ、アメリカザリガニ、メダカ

 

 

 

【8/16 水元公園で捕獲したポケモン】

イシズマイ・・・1

カブルモ・・・13

キバニア・・・36

ダンゴロ・・・7

チョボマキ・・・6

ツタージャ・・・4

マンキー・・・1

ミジュマル・・・7

モグリュー・・・3

 

キバニア(ピラニアがモチーフ)の巣になっていた模様。

でもさすがに水元公園にモノホンのピラニアはいないはず。

(いたら即刻駆除しないとヤバいレベル)

 

 

★現在、生きもの探索ツアー開催に向けて準備中! ご期待ください。m(_ _)m