東京都心部では見られないような珍しい生きものがたくさん見られます。
ここでは、現地で撮影した生きものの中から特筆すべき種のみを厳選し、
場所をぼかして一気に紹介させていただきます。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160522/22/science-nakamura/bd/02/j/o0592053913652952027.jpg?caw=800)
森に囲まれた小さな池で見つけた、今までに見たことのないトンボ。
見た目はシオカラトンボなどの系統によく似ていますが、翅の途中に黒い斑点があり、
この斑点にちなんでヨツボシトンボと名付けられています。
遭遇率 … 1
インパクト … 3
美しさ … 3
俊敏性 … 4
かなり生息域が局所的で、数の減少が著しいトンボです。
注水植物が繁茂するような池に生息しているそうですが、都心部ではほぼ見られないでしょう。
実際私も、撮ったのはもちろん見たのもこれが初めて。
レッドデータのカテゴリには入っていませんが、十分希少種といえる存在です。
池の周囲に十数匹飛んでいるのを確認しました。
ちなみにコレとよく似た種としてベッコウトンボというトンボが存在するのですが、
こちらは絶滅危惧Ⅰ類にカテゴリされる超希少種で、
ここに限らず、関東圏には今はもう恐らく生息していません。
クロツラヘラサギなんかと同じカテゴリですが、あちらより絶滅の可能性が高いとの専らの噂です。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160522/22/science-nakamura/e4/09/j/o0526052813652945658.jpg?caw=800)
こちらもトンボですが、これはサナエトンボの仲間。
ホンサナエといいます。サイズはギンヤンマなんかとほぼ同じくらいです。
遭遇率 … 2
インパクト … 4
美しさ … 3
俊敏性 … 4
一般によく見られるヤマサナエと比べると、胸部背面の模様に僅かな差があるくらいで
初見ではほとんど見分けがつきません。この系統は識別が大変困難なため、
最初から素直に図鑑に頼った方が吉でしょう。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160522/22/science-nakamura/39/8c/j/o0554052113652945657.jpg?caw=800)
木の葉の上に複数匹確認できた、全長1センチにも満たない小さな甲虫。
最近本ブログで幅を利かせている(?)ハムシの仲間で、ヤツボシツツハムシといいます。
形状はイタドリハムシによく似ていますが、模様や触角の形状で識別可能です。
遭遇率 … 3
インパクト … 1
美しさ … 4
俊敏性 … 3
テントウムシとよく似ていますので、ひょっとすると擬態しているのかもしれません。
肉食性の小動物界隈では、どうもテントウムシはまずい昆虫と認識されているらしいです。
実際、カマキリがテントウムシを食べているシーンは見たことがないですしね。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160522/22/science-nakamura/b4/17/j/t02200171_0697054313652945656.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160522/22/science-nakamura/dd/7b/j/t02200166_0620046713652939179.jpg?caw=800)
樹上にとまっていたこちらのチョウ。首都圏でも割とよく見るイチモンジチョウに似ていますが、
翅の模様の配置などをよく見た結果、違う種であることがわかりました。
正体はアサマイチモンジ。日本国内においても本州の特産物です。
遭遇率 … 2
インパクト … 3
美しさ … 3
俊敏性 … 4
上に挙げたイチモンジチョウとの見分け方は、翅の表側の白い斑点に注目。
アサマイチモンジはこの斑点が(基本的に)一列に並んでいるのですが、
イチモンジチョウは微妙にこのラインが乱れています。微々たる差なのでよくチェックしましょう。
大きさはほとんど同じです。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160522/22/science-nakamura/f2/7f/j/t02200202_0598054813652939180.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160522/22/science-nakamura/2a/cd/j/t02200196_0629055913652939181.jpg?caw=800)
これは新顔ではなくただのアワフキムシ(幼虫)です。
観察のため、泡の中に隠れている幼虫を一匹引っ張り出してみました(右写真)。
指先サイズの非常に小さな昆虫で、翅らしきものは見当たりません。
珍しい種、街中でもよく見かける種、春先限定の種など、
実に様々な昆虫に遭遇したこのスポット。来年以降も随時チェックしていきます。
……できれば具体的にご紹介したいところですが、希少種も多いゆえ、
Web上でもほとんど公開されていないので今は一旦控えます。何卒ご了承ください。
【5/7 埼玉県内某所で撮影した生きもの】
鳥類・・・ガビチョウ、カルガモ、カワラヒワ、ヒバリ、ホオジロ、ムクドリ、モズ
昆虫類・・・アオスジアゲハ、アサマイチモンジ、アワフキムシ、キタキチョウ、キタテハ、キバネツノトンボ、コアオハナムグリ、コジャノメ、サビキコリ、セイヨウミツバチ、ダイミョウセセリ、ツマグロヒョウモン、テングチョウ、ナナホシテントウ、ヒメウラナミジャノメ、ヒメギス、ホソヘリカメムシ、ホンサナエ、モンシロチョウ、ヤツボシツツハムシ、ヤブキリ、ヤマトシリアゲ、ヨツボシトンボ