どうも、Schusseです。
前回までに左サイドバックの解析を一通り終えたので、今回からは右サイドバックの解析に移っていこう。
これは以前から度々記載していることだが、ウィングは左サイドの方が圧倒的に供給が多い(=右利きの方が多い)のに、なぜか分からないがサイドバックも左サイド(=左利き)の方が良い選手が多い。そのため、右サイドバックの獲得戦線は左サイドバックより一般的に熾烈だ。
では結果を見ていこう。まずは昨年まで通り、一般的なサイドバックとしてのスタッツ(=クロス、クロスブロック、守備、ドリブル辺り)を重視した場合の偏差値と、ウィングとしての偏差値を比較してみる。
平均線より上に出る選手ほど、攻撃に持ち味のあるサイドバック、下に出ると守備に持ち味がある選手だ。当然、右にシフトするほどサイドバックとしての総合力が高いことになる。
見て頂ければ瞭然だが、3大リーグにおいて圧倒的に秀でているのはイングランドの二人、トリッピアとTAAだ。次いで、若手のアイナ、シティの時のカンセロ、ウィングバックではあるがポロという順になり、その次に位置するのが我らがダロトだ。上述の選手に比べると、ダロトは守備面で優れていることもわかる。
他には、守備でいえばカラブリアが優れており、攻撃ではスペインのYan CoutoとJosanだ。と言っても、Josanは本職は一列前で、エルチェ所属なので今年は2部に在籍している。
こう見ると、ジローナは昨年の時点でもスタッツが優秀な選手が揃って居たことが分かる。
ちなみにワンビサカは、偏差値でいうと残念ながらあまり高くない。特に攻撃面での貢献はいまだ乏しい。ただ、一部のスペシャルな左ウィングと対峙する時にはまだまだ重要な戦力だ。
結論から言うと、ユナイテッドは右、左ともにスタメンレベルは決して低くない。あとはこれをトリッピアなどの超優秀なレベルまで高めることができるかと、バックアップをどうするかが課題になるだろう。
右は良いが、左で言うと正直マラシア使うよりはアムラバトの方がうんと使い物になる。ただ、彼を起用してしまうと、攻撃時のオーバーラップ・インナーラップが期待できないので、ラッシュのところで割と手詰まってしまうのは大きな課題だろう。
年齢別でも見ておこう。
やはり興味深いのはヤン・コウトだが、残念ながら彼はシティグループだ。
他には、Arnau Martinezは及第点と言えるだろう。しかし何とこちらもジローナだ。どうすりゃ良いんだ。
他に話題になったのはバジャドリードの18歳、フレスネダだろう。ただ、スタッツとしてはまだまだだ。今後を注視したい(今年からはスポルティングに移籍しているがケガで長期離脱)。
ブンデス、リーグアンも見ておこう。
カンセロを除くと、トップはアタル(ニース)とグストだ。ご存じの通り、グストは今年からチェルシーでプレーしている。また、アタルは先日トルコに移籍してしまった。
他にはFrankowski, Joly, Vanderson, stenzel辺りも優秀。攻撃的に行きたいならWolf, Hakimi, Weiser, Seguin, Claussと言ったところ(Claussはもう30か…。早い物だ)と、そしてなんといってもフリンポンだ。だが、彼の持ち味を活かすならサイドバックは適正ではないだろう。
Stenzelはデータ上は少し攻撃力が低そうな印象(平均線より下に出ている)が、今年はギラシの爆発もありアシストも5記録している。
年齢別で見ると、やはりGustoが完全に抜けている。彼はどのチームも欲しい戦力だっただろう。まぁユナイテッド的には、ダロトが健在なら不要ではあるが(その分やはり左は確実にショーレベルの選手を補強したい)。
他には、こちらもニースのAntoine Mendyも気になるところだが、まだ出場時間も短いので正しく評価できるのはこれからだろう。
ついでなのでラダーも見ておこう。
ダロトと比較すると、トップ2はとにかく攻撃面のスタッツがすべからく高い。TAAはスルーパスなどゴールに近い位置でもプレーが出来る点が強い。一方で、守備全般ではダロトに軍配が上がるだろう。特にTAAはクリアの値なども低く、守備に課題があるのは明白だ。
また何気にダロトはクロスの成功率(Cross%)が高いのも高評価だ。
ダロト自身の偏差値が非常に高いので、3番手以降と比較するとそこまで大きな差は生じていない。Canceroはcarryとpass comp to PAでは秀でているが、それ以外ではDalotの方が上回っている項目も多い。Ainaも面白い存在だが、彼はクロスブロックで突出していることが分かる。もちろん他の項目も悪くない。
PorroはWBとしての出場が多かったので、単純に比較するのは難しい。カラブリアはバランスの取れた良いSBだが、攻撃面ではもう一声欲しいところか。
Ghiglioneは正直プレーを見たことがないので何とも言えないが、かなり攻撃特化型であることが良く分かる。恐らく本職は中盤だろう。
ちなみにこれより後の選手は皆ダロトより偏差値が低かった選手なので、コメントはしない。興味がある方はラダーを見て頂きたい。
最初にも書いたが、全体的に優秀な右サイドバックは左より不足している。
その点で、ユナイテッドとしてはダロトがここまで成長したのは頼もしい限りだし、一芸屋のワンビサカも(総合力として見ると高くないとは言え)十分使える選手と言うことができ、このセクションであまり困らないのは喜ばしいことだ。他のチームは大体困ることになるだろうからね(イングランドは例外的にライトバック多いが)。
また、ブンデスとリーグアンのラダーは載せていないが、それは次回、インサイドバックとしての偏差値解析で掲載しようと思う。
ではまた次回。