センターハーフ化したサイドバックを考える | Analysis of football data_サッカーデータ・スコア解析ブログ

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ヨーロッパ7大リーグ出場全選手のデータを使って選手やクラブの解析をしています。

ついでに英語の練習中
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どうも、Schusseです。

ちょっと最近話がずれていたが、今回からは22-23シーズンの選手たちのデータ解析に戻ろうと思う。

前回も少し記載したが、これまでに左サイドバックの解析までは完了しているので右サイドバック、と行きたいところだったが、その前にセンターハーフ化したサイドバック(インサイドバックと勝手に呼称。本来は3CBの左右のヒトを指す気もする)の偏差値を考える必要がある。

というのも、左サイドバックの解析をした時に、「ショーの攻撃面での目に見える貢献(クロスやキーパス、ゴール)がかなり減少した」という話をしたのだが、それもそのはず、彼の役割はビルドアップのところに比重が置かれるようになったし、おまけにそもそも昨年はセンターバックとして起用されることも割と多かったことを失念していた。

 

ということで、今日は左インサイドバックの偏差値を見ていこうと思う。基本的には、サイドバックの偏差値に加えて、ビルドアップ型のセンターハーフで重視するような項目(パスで前進した距離やサイドチェンジ回数、1/3に侵入したパス本数、ロングキーパスなど)の比重を高くしてみた。

 

結果がこちらだ。

 

 

 

左が今まで通り普通のサイドバックとしての偏差値、縦軸が新しくインサイドバックとして計算した偏差値だ。

つまり上に出ている人は、ビルドアップでの貢献が高いということになる。予想通り、ショーは平均線より上に出ており、ビルドアップでの貢献が高いことが分かる。他にはマリオ・ルイやアラバもビルドアップ型だ。

それ以外で目立つのはやはりジンチェンコだろう。彼はサイドバックとしての偏差値は低かったが、インサイドバックの偏差値としてはかなり優秀であることが分かる。ショーとほぼ同等だ。他には、シティのラポルテやアケも同様の傾向が見て取れる。一方で、例えば手レスは平均より下に出ており、よりサイドに張り付いて良さが出るタイプであると言えるだろう。

 

 

年齢別にみると突出しているのはHallだ。

 

 

ブンデスとフランスも見ておこう。

 

 

結局圧倒的に他を量がしているのがソサだ。彼は完全にクロサーのイメージではあるが、意外とインサイドバックとしても偏差値は低くない。

 

それ以外で目立つのが伊藤だ。彼は本職CBではあるが、高精度のロング・ミドルパスは一見の価値がある。

 

 

年齢別で見ると目を引くのがグヴァルディオルだが、彼をランキングに入れるのはちょっと違うだろう。やはりブンデスやフランスには、若くて面白そうな選手が多いので、これらの選手に注目して見るのも良いだろう。

 

 

ついでなので、インサイドバックとして重視するスタッツ(Pass yards total distance, pass progressive yards, Long, Long%, 1/3 enter pass, 10yds completed passes, side change, ^long key pass辺り)も入れたラダーも出しておく。興味がある選手がいたら見てみて頂きたい。

例えばショーは、ビルドアップの他には守備面での貢献が他の選手に比べて高めであることが分かる。一方で相変わらずクロスブロックは苦手だが、これはセンターバックとしてもプレーしたことによる影響もあるだろう。

 

 

最後にエンポリの若手二人についても載せておこう。

 

二人ともクロスブロックが優秀だが、Cacaceは攻撃面でもそれなりに貢献出来ている。

ちなみに今回、フィオレンティーナの二人が優秀だったが、ヴィオラは今年テルジッチをザルツブルクに放出し、代わりにParisiを確保している。実に優秀な立ち回りだ。エンポリとしても、Cacaceが居れば安心してParisiを放出出来ただろう。

 

 

ちなみに、最後にユナイテッドはどうするかを考えておきたい。

見て頂いた通りショーは優秀だが、マラシアは残念ながら全く達していない。

本当であればゲレーロが欲しかった。

一方で、レギロンは割と良かったので、短期的な解決策としては良かった(だったら冬に残したらよかったのに、とは思う)。

カレーラスは将来的には後を継いでほしいが、ショーが衰えるまではスタメンとしてプレーし続けられる環境が必要なので、買い戻しオプションさえあれば一度放出するのは良い選択肢だ。

 

でも、それじゃあショーの長期的なバックアップはどうするか、は考えないといけない。

今回の結果から考えるとテルジッチは興味深い。ザルツブルクならオファーもしやすい。

それ以外だと、やはりガヤは攻守に安定感があっていい選手だ。本当は移籍してほしい。

若手でいえばCacace(カカーチェ)は面白い。

本当は一番欲しいのはルイス・ホールだが簡単には問屋が卸さないだろう。

 

ブンデス・フランスでいえばソサだが、スタイル的にはちょっと合わないか。

攻撃力ならカイオ・エンリケは依然候補になりえる。他には若手であればBuchanan, Merlin, Truffert, Locko, Hadjam,なども面白くはある。ただ、バックアップは出場機会が奪われるので、中堅~ベテランの方が良いかもしれない。そうなると、Lenzやミッチェルスタットなども考えても良いかもしれない。ただ、可能であればやはりより確実性の高い3大リーグから補強したいところで、そうなると候補がぐっと少なくなるのが実情だ。

 

結論から言うとアクーニャがやはり良いのではないかと思うがどうだろうか。