ハープスターが敗れたのは仕方がないとして、勝った馬がレッドリヴェールだったことに驚いた。というのも、この馬、私にとってはかなり因縁深い存在だからである。
今から14年前、1999年の夏の話だ。POGドラフトでまだネット情報が出回っていない時代、知り合いのトラックマンから藤沢和厩舎の隠し玉としてプッシュされたのがサザンヘイロー産駒の外国産馬アグネスデキシイだった。10月のダート1200のデビュー戦を快勝すると、続くプラタナス賞も圧勝。しかも、その2戦で2着に負かしたダイワカーソンとノボジャックが京王杯3歳S(当時)でワンツーを決めたことで、この馬の評価が一気に高まった。一躍、朝日杯の有力候補に浮上したとき、まさかの蹄葉炎を発症し、長期休養に追い込まれてしまった。2年後に復帰したが、本来のスピードは影をひそめ、500万を7戦してひっそり引退していった。
そのデキシイの夢よ再びとばかり、サードニックス、サンクスアロット、サードストリームと弟妹たちを追い掛けたが、芝ダ問わず詰めの甘いタイプが多く、いつからか指名リストから外れていった。
そんな母ディソサードの名が亡霊のように私の前に姿を現したのが、今年のPOG本だった。ステイゴールド産駒の牝馬で須貝厩舎に所属し、早期デビューが決まっていた。事前ドラフトの6位で指名してもいいかなと少し考えたが、同じ阪神開幕週に急きょデビューが決まったエイシンオルドスの筋骨隆々の馬体に惚れ込んでいたため、あまり深く考えずにこちらの指名を見送ってしまった。だからこそ、新馬勝ちには驚いたし、札幌2歳S制覇にはもっと驚いたし、さらにハープスターまで倒してしまってもっともっと驚いた。
ただ、ハープが負けるならこの馬でよかったと、負けて初めて思った。指名はしなかったが、どこかで応援したい気持ちがあった。しかも、鞍上がこちらもずっと応援してきた戸崎なら、ハープとの馬単表裏を買っておくべきだったと後悔した。あの詰めの甘い母系にあって、馬体も小柄ながら、抜群の勝負根性で勝ち続けてきた実力は間違いなく本物。今後もハープのよきライバルとしてお互いに高めあってほしい。
話は変わって、サングレアルのこと。
先日、知り合いのトラックマンにハープスターの状態を聞いたとき、「ハープスターは負けるかもしれない」という言葉とともに、「調教師はサングレアルのほうに力が入っているみたい」と言われた。私がサングレアルのPOでもあることを知らずに話していたので、ちょっと嬉しくなった。サングレアルのデビュー戦のレースぶりは、どこまで大物なのかはつかみ切れなかったが、ハープの能力の高さが見えてきた今、それ以上の素質の持ち主と期待されているだけでも十分満足だ。福寿草特別が今から待ち遠しい。