レースが終わった瞬間、ハープスターが勝ったと思った。
その数秒前には、馬群を捌くのに手間取る姿に負けを確信していた。
残り1ハロンでの2頭の間を割っての怒涛の追い込み。その迫力は、絶望を希望に変えさせるに十分なパフォーマンスだった。
結果的に、首の上げ下げで5㌢差で敗れたが、そこは運・不運の微妙ないたずらだと思うしかない。誰の目にもハープの強さが伝わったし、反省するべきはそんな厳しい戦いを強いてしまった人にある。
道中から嫌な予感がしていた。
スタートが上々だったのを喜んだのもつかの間、中団後方の位置取りになったが、なかなか外に持ち出さない川田にヤキモキしていた。すぐ前の外を走るモズハツコイが顔を外に向けたりしていたので動きにくかったこともあるだろうが、そのモズハツコイが動いたときに外に持ち出すチャンスはあったはず。そこでも悠然と構えているから、今度はグランシェリーに外を取られてしまった。あそこが最大の勝負どころだった。
レース後に松田博師も言っていたが、外を回って差し届かなかったのなら納得できる。しかし、馬にストレスを掛けての鼻差負けは非難されても仕方がない。今後は乗り替わりもあるのだろうか。
いずれにしても、馬がとんでもない潜在能力の持ち主であることが分かった。だからか、負けても「悔しい」という感情はあまりなかった。どちらかと言えば「もったいない」という言葉のほうがしっくりくる。2歳女王のタイトルを取り逃した敗戦の味を糧に、来春はさらにスケールアップして桜花賞に向かってもらいたい。