かつてPOGでエアグルーヴを所有していた身としては、唯一私が所有した初子アドマイヤグルーヴ以降、産駒から優秀な活躍馬が出てこないことを歯痒くも「当然」という目で見守っている。エアグルーヴの子がなぜ初子しか走らないのは、もう何度も説明しているように歴史が証明してくれている。にもかかわらず、毎年のようにドラフトで人気になり、我がPOGでもヤスが1位指名を続けている。そんな中“今までの子供たちと違う”クロフネ産駒のポルトフィーノが華々しくデビュー戦を飾ったのが昨夏のこと。しかし、その後はエルフィンSや清水Sこそ勝っているものの、札幌2歳S回避→桜花賞取消→オークス骨折→秋華賞除外と重賞戦線では悲しい歩みを続けてきた。迎えたエリザベス女王杯は2番人気の支持を得てゲートに入った。実はこのレースに臨むにあたって私は社内のエアグルーヴ・ファンにこんな言葉を投げ掛けてみた。
「今度はどんなアクシデントを用意しているんだい? 放馬で除外になったりして…」
現実は想像より残酷だった。
まさかの落馬。しかもカラ馬1着のオマケ付き。
武豊が、角居調教師しが、そして馬券を買ったすべてのファンが絶句したのは言うまでもないが、私はテレビの前で思わず笑ってしまった。
「その手があったか」
エアグルーヴが持ち合わせた競走馬としての強運は、初子アドマイヤグルーヴに受け継いだ時点ですべて潰えている。それが男勝りの活躍をした女傑の凄さであり悲しさでもある。ただ、想像を超えたアクシデントを引き起こすあたりがエアグルーヴの大物たる所以かもしれない。