FGM/C女子割礼の話 | ケニアのマトマイニ(希望)を育てる

ケニアのマトマイニ(希望)を育てる

1987年から30年続いたマトマイ二・チルドレンズ・ホーム。その卒園生達と共に、貧しさ故に子どもを困窮状態に追いやっているスラムのシングルマザーの自立援助に力を注いでいます。マトマイニ第2章の始まりです。

遠いサンブルの町に父ちゃん、母ちゃん、兄ちゃんと帰省してマトマイニに戻ってきたシャリーンちゃん。

貴女が少女から大人の女性になるためにどんな儀式が待っているんでしょうねえ。

 

JSPSナイロビ研究連絡センターで開催されたセミナーに参加しました。

 

テーマは、「ケニアにおけるFGM/C廃絶運動についての考察―ナロク州におけるマサイの通過儀礼及び住民主体の廃絶運動の調査から」。講師は林愛美先生(大阪府立大学・研究員)。

 

勉強になりました。

 

FGM女子性器切除あるいは女子割礼は、孤児院を運営しケニアの子どもを保護養育してきた私ですが、恥ずかしながら全く未知の世界です。

 

割礼は一部の民族グループを除いてケニアではほとんどの男子がする通過儀礼で、マトマイニの男の子も皆していますが、「女子は法律で禁止されているからしないはず」「キクユ族の多いマトマイニは関係ない」と全然関心を持ちませんでした。

 

それが突然FGM関係の記事を集めたりインターネットで検索したりし始めたのは、ボランティアのエテメシさんが大学でジェンダーを専攻し、時々講義をしてくれるようになってからです。

 

また、大学生のシナイが「昨年故郷の村で出血多量で女子2名が死んだ」と話したり、夜警さんが「故郷のサンブルに住む妹が出産したけど、割礼していない女性の子は不吉な存在だと村八分になるから、何とかする」と休暇を取って帰省したり、と女子割礼が身近な問題になってきたのです。

 

法律で禁止されても厳然と実施されている女子割礼。しかし、サンブルの女性は皆しているらしいのですが、同じマサイ族でも4,5年で70%が25%に落ち、あと数年でゼロになるよ、というシナイの村。その違いは何なのか、今後の流れを見ていきたいと思っています。