ケニアの学校はどうなるのか | ケニアのマトマイニ(希望)を育てる

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1987年から30年続いたマトマイ二・チルドレンズ・ホーム。その卒園生達と共に、貧しさ故に子どもを困窮状態に追いやっているスラムのシングルマザーの自立援助に力を注いでいます。マトマイニ第2章の始まりです。

セカンダリー4年生のボニーの学校は放火事件と関係なしで、みな学業に励んでいるようだ。

成績優秀のボニー。頑張れば大学の奨学金申請資格もありそうだ。

 

「ケニアの教育界は危機に瀕している」と7月末のブログに書いた。1月から全国で120のセカンダリースクールで放火事件が起きたと公式発表がなされたが、実際に燃えても内緒にして報告しない場合もあるから、もしかしたら150校以上で事件があったとしてもおかしくない。

 

公立の学校だけでなく私立の学校も燃えた。家に帰りたいから寄宿舎に火を付ける話もあったが、この町では全日制の学校の校舎が燃えた。全国統一テストで成績のランキングの低い学校ばかりが燃えたかと思ったら、上位の有名校でも放火未遂で生徒が逮捕された。もう何が何だか理解できない。

 

5人いるマトマイニのセカンダリー生のうち、学校が燃えたのは、ジェームス、マーティン、ドナルドの3名である。ジェームスは成績表ももらわず、事件の理由説明も今後の予定も知らされないまま、3学期が始まってしまった。

 

どうなるのか、と学校に電話したところ「燃えた宿舎を建て替えるために、3000シリングの寄付を持って来るように」と言われた。3000シリングで済んでよかった。1万シリングの寄付を要求する学校もある。ジェームスの場合は焼失した物を新たに購入する必要があり、約5万円の出費だ。マトマイニは何とか捻出するけど、出せなくて頭を抱える親も多いようだ。

 

「なぜ学校に火をつけるの?」「何が悪いの?」「誰のせいなの?」

 

今年は放火容疑で生徒が逮捕されるようになった。以前は生徒の逮捕までは至らなかったが抑止効果で放火が少しは治まると見る人もいる。ケニアの未来を担う教育の現場で、これ以上の混乱が起きないように願いたい。