SC会員の皆さまが体験頂ける、南三陸町でのプログラムをご紹介します。 今回は... 坐禅。
SC南三陸では漁師体験や、釣り体験といった野外でのプログラムを実施していますが、 心と身体をリフレッシュできるような静かな体験の一つとして、“地元のお寺での坐禅体験” を準備中です。
みなさん「坐禅」と聞くと、
あぐらを組んで..、無心になって..、少しでも動くと “ペシン!!” と叩かれるようなイメージがありませんか?
事務局では身を持って、その坐禅を体験してまいりましたので、その様子をリポートしたいと思います。
ご協力頂くのは南三陸町戸倉 長清水地区にある「曹洞宗 清水寺(せいすいじ)」。(きよみずでら)ではありません!
本殿は8年前震災の津波被害を受けましたが、その後修復されました。 実際に本殿に入ってみると、丸柱に残る津波の跡を見ることができます。
そして、この清水寺の住職を務めるのは 酒井禅悦(さかいぜんえつ)さん。
酒井禅悦さんは地元出身のお坊さんで、最近キャンピングカー風に改装した軽トラで、全国を行脚されてきたという
非常にアクティブでユーモラスなお坊さんです。
早速、坐禅を体験です。
坐禅には「調身」•「調息」•「調心」という意味があり、坐禅をすることで「心と身体を調える」目的があるそうです。
まずは “座布(ざふ)”と呼ばれるクッションの使い方から。 必ず3本指で持つことや、揉みほぐして形を整えるなどの説明を受けました。
次に入場の仕方や歩き方、合掌などの作法の説明を聞き、実際に体験しました。
位置についたら隣訊問訊(りんいもんじん)。隣に座る人に対して挨拶の合掌を。
そして、向かい合った人に対して挨拶の合掌をする対坐問訊(たいざもんじん)。必ず礼から始まります。
いよいよ坐禅を組みます。
座布の手前側にお尻をつき、両足のかかとを両膝の上にのせる形がベストですが、
できない場合は普通のあぐらでも良し、椅子を使って頂いても良いのだそうです。
その後、身体をゆっくり左右に揺らしながら、頭のてっぺんが上から引っ張られているイメージをもって
身体の中心を探っていきます。 そして両手を組み、親指同士がつくかつかないかの状態で卵型の円を作り、
すっと手を降ろします。
形が整ったら、すーっと深く息を吐ききって、心を落ち着かせ、鐘が鳴ったらスタートです。
ところで...!!
気になる「ペシン!!」はあるのかどうかと、酒井さんにお尋ねしたところ...
これは警策(きょうさく•けいさく)と呼ばれるもので、宗派やお寺によって行われることもありますが、
これがあることで坐禅を受ける方が緊張をして、心を落ち着けられない場合もあるため、「ここでは行わない」とのことでした。
「調身」•「調息」•「調心」
坐禅は “無心にならなければ! ” とか “身体を一切動かしてはいけない! ” というものではないそうです。
重要な点は、身体と心をリラックスして落ち着かせることで、
身体は苦しくなったら少し動かしても良いし、心は無心を意識する必要も全くないとのことでした。
坐禅中は、静の空間の中で、日常生活では意識しなければ体感することのないような
心と身体も静かで穏やかになれる時間が流れていきます。
「静」といっても、鼻からはお寺の畳の香り、耳を通しては 鳥のさえずり、虫の声、木造のお寺のきしむ音、
はたまた 未だ復興工事で町を行き来するトラックの音などが聞こえてきます。
普段経験しない静の時間だからこそ、自然の些細な情報に五感が敏感に反応します。
そこで大事なことは、無心ではないけれども、何を感じても何も考えないこと。
ふと頭に、「今日ももうすぐ夕飯だな。」「車が通ったな。」 と浮かんでも、
「何食べようかな?」「何の車だろう?」と深追いしない。 「何を感じても、それで良いのです。追求しなくて良いのです。」と
禅悦さんは仰ります。 坐禅は身体の力を抜いて、楽観的で静かな心を保つ時間でした。
今回は10分の坐禅を2セット行い鐘が鳴って終了しました。
最後にも隣訊問訊(りんいもんじん)、対坐問訊(たいざもんじん)、礼で終わります。
終了後、坐禅を一緒に行った人同士で会話を交わすと、自然な笑顔。
本当の意味で穏やかな気持ちになれ、不思議と身体も軽くなりました。
普段の忙しい時間の中では、なかなかこうした静かな時間を作ることは難しいと思います。
南三陸町にお立ち寄りの際、お寺という独特の空間の中で、心と身体をリフレッシュしてみませんか?
お待ちしております。





