下まぶたの若返り Hamra法 術後3ヵ月半 & クマ治療の医師の選び方 | 医師の技術教育指導担当 Dr村松@湘南美容クリニック

医師の技術教育指導担当 Dr村松@湘南美容クリニック

湘南美容クリニック新宿本院主任医長兼技術指導医Dr.村松が日々の症例や美容外科に関することを分かりやすく解説します。

本日ご紹介する症例の患者様は50歳前後の女性、下まぶたのたるみ、くまが気になるということで若返りをご希望されました。

 

皮膚自体のたるみが主でしたので今回は切開法による下まぶたの若返り手術である切開Hamra法を行いました(MD式)。

 

術前→術後3ヵ月半です。

ちりめんじわが改善しずいぶんと若返りました。

 

 

さて、クマ治療を希望する際のドクターの選び方について。

 

最近、「クマ治療専門」のように謳うドクターが増えている印象です。

 

以前もクマ治療専門を謳うクリニックはちょこちょこありましたが、最近は個人でそのように言っている医師が多いです。

 

実はこれはクマ治療に限らず、埋没法や眉下リフトなどもそうなのですが、SNSの影響が非常に大きいと考えています。

 

 

確かに顧客目線で考えると、特定の治療に特化したほうが分かりやすいんですよね。

 

埋没法ならここ、クマ治療ならあそこ、脂肪吸引なら・・・といったように。

 

ではクマ治療を考えたときに、クマ治療に特化したドクターを選べばよいのか?

 

そこは短絡的に考えない方がよいと思います。

 

 

昨今、クマ治療のスタンダードは「経結膜的下眼瞼脱脂+中顔面脂肪注入(当グループですと切らない目の下のたるみ取り+コンデンスリッチフェイス法という名称)」となっています。

 

非常に理にかなった影クマに対する治療法であり、私もよく行いますし適応を選べば極めて仕上がりも良くなります。

 

皮膚を切開しない施術であり、比較的患者様側もダウンタイムなどを許容しやすいことも、こちら側としてお勧めしやすい理由となります。

 

 

ただ、下まぶたの脱脂には一つ問題点があります。

 

皮膚を切開せずに脂肪を抜き取るわけですので、脂肪を抜き取ったあとの下まぶたの皮膚はどうなるのか。

 

出産後の女性のお腹と同様ですが、やはり皮膚は余ってしまいます。

 

若い世代では多少の皮膚の余剰は引き締まるので問題とならないことが多いのですが、ある程度の年代になると脱脂により下まぶたのしわが悪化してしまいます。

 

多少しわが悪化したとしても影クマが改善した方が圧倒的に若返り印象も良くなる、というケースも多いので、「肉を切らせて骨を断つ」ではないですが、50歳代以降の方に脱脂+脂肪注入を行うことももちろんあります。

 

しかし、クマとともに皺の改善も希望している場合は切開法によりたるみを除去することを検討しなければなりません。

 

 

ここで話を戻しますが、なぜ「クマ治療専門」を謳うドクターを安易に選んではいけないのか。

 

その理由は・・・明らかに皮膚切開が必要な場合でも脱脂+脂肪注入を勧められてしまう可能性があるから、なのです。

 

なぜなのか・・・それは「手技の難易度」「手技に要する時間」「費用の相場」などの問題があるのです。

 

 

脱脂+脂肪注入は非常に良い治療ではありますが、ハッキリ言って手技もそれほど難しいものではありません。

 

私は脱脂+脂肪注入は、脂肪を採取しコンデンスリッチファットに加工する時間を含めても執刀時間が30分かかることはほとんどありません。

 

私は当グループの指導医ですが、研修医上がり(医師歴2年)で当グループに入職した者でもセンスが良い医師なら入職後半年~1年で脱脂+脂肪注入によりそれなりの結果を出すことが出来るようになります。

 

美容外科の全手術の難易度を5段階くらいに分けたとしたら、脱脂+脂肪注入は2~2.5、と言ったところでしょうか。

 

細かい点まで追求していくともっと難易度も上がるのですが、「それなりに問題のない仕上がり」程度であればその程度の経験でも出来てしまう手術なのです。

 

 

一方、切開Hamra法ですが、これは極めて難易度の高い手技です。

 

形成外科系の美容外科学会(JSAPS)でも、下眼瞼除皺術は重鎮の先生方でも異口同音に難しい、といいます。

 

手技がまずい場合に起こる合併症もなかなかシビアで(特に眼瞼外反)、その修正には更なる高度な手技が要求されます。

 

形成外科専門医クラスの基本技術は必須と考えられます。

 

さきほどの5段階で言えば4.5くらいに相当するでしょう。

 

私がこの手術を行う場合は両目で1時間半~2時間くらいかかってしまいます。

 

それでも早い方であるとは思いますが・・・

 

 

つまり、下眼瞼脱脂+脂肪注入のほうが切開法に比べて「圧倒的に簡単」なのです。

 

更に言えば、「クマ治療専門」を謳うドクターの一部は切開法によるたるみ取りがそもそも出来ない、という医師も実は結構居ると思います。

 

そのようなドクターのところでカウンセリングを受けると、本来切開法の適応の患者さんに対しても切開法を(出来ないので)勧めることはせずに無理に脱脂+脂肪注入で対応しようとされる可能性があるのです。

 

実際にそのドクターが切開法が出来るのかどうかを調べるためには、まずはそのドクターやクリニックのSNSで切開によるたるみ取りの症例があるのかどうかを調べてみるのがよいと思います。

 

 

さらに・・・美容外科業界全般の施術費用の相場として、脱脂+脂肪注入と切開による下まぶた手術はおおよそ同じくらいの値段である、という問題もあります。

 

後者の方が圧倒的に技術力を要し、かつ施術の時間もかかるのに、です。

 

片や技術的には簡単、すぐ終わる、リスク少ない、片や技術的にかなり難しい、時間かかる、ハイリスク・・・それでいてどちらも利益は一緒、もしあなたが経営者なら従業員にどちらをお客様にお勧めするように指導しますか?

 

普通に考えれば前者を勧めるに決まってますよね。

 

 

それでも我々美容外科医が切開による手術を勧めるのは、あくまで患者様の状態やご希望により切開の適応であるからお勧めするわけです。

 

 

若い世代の方はまだしも、たるみが生じている(おおむね)40歳以降の方はクマ治療のドクター選びを行う場合は上記のことを参考にして頂ければと思います。

 

 

 

 

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