ミステリー小説『あの日、君は何をした』文庫書き下ろしの、ミステリー小説。いわゆる、イヤミスに感触は近いけど、へんに露悪的でもなく、真摯に、人間を描こうとしている感じ。深夜に街で、謎の死をとげた息子。その死によって、様々な苦しみをうけ、次第におかしくなる母親。そんな導入的な第1部をうけ、舞台は15年後の、殺人事件を描き始める。思ってもみないところで、ものがたりがつながる感じが見事。とっても読みやすく、誰かを信じることの難しさが、痛いほどよくわかる1冊。