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6月12日 アメリカのFRB=連邦準備制度理事会の金融政策を決める会合が開かれ、7会合連続で政策金利を据え置くことを決定しました。

【詳細】米FRB 政策金利「据え置き」決定 7会合連続 “年内1回の利下げ” 想定示される | NHK | アメリカ

 

 

アメリカの政策金利引き上げと預金流出の影響で、昨年3月、含み損を抱えたシリコンバレーバンク(SVB)が破綻しました。

アメリカの銀行破綻はまだ続く その理由と日本への影響 エミン・ユルマズの未来観測 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

 

この日経の記事には日銀が仮に利上げに向かうとしても、米国のような急激な利上げになるとは思えず、銀行危機の日本への波及リスクは限定的であると書かれています。

しかし、これは日本の政策金利を前提にした話であって米国の債券を多く保有している金融機関はアメリカの金融機関と同じく多額の含み損を抱えることとなります。

 

先日農林中央金庫の2025年3月期決算の最終赤字が、当初想定していた5千億円超から1兆5千億円に大幅に拡大することが分かりました。

農林中金、最終赤字1兆5千億円規模へ拡大 米国債など10兆円売却:朝日新聞デジタル (asahi.com)

農林中金はおよそ 23兆円(約1500億ドル)の外債を保有しており、これは運用資産総額 56兆円の 42%に相当します。

日本銀行によれば、預金取扱金融機関が保有する外国債券の残高は 3月末時点で 117兆円に上ります。

日本の大手機関投資家である農林中央金庫は、なんとその総額の 20%を単独で保有していることになります。

日本の個人投資家は 3月時点で 1兆1800億ドル(約 188兆円)の米国債を保有しており、これは外国人保有者の中で最大の割合となっています。

日本国内の全外債の 20%を保有する銀行が売りに出れば、売却の連鎖はすぐに個人の小口投資家にまで波及するだろうと言われています。

農林中金による大量売却は、米国債券市場に大きな影響を与える可能性があり、銀行はもはや会計上の巧妙な策略を装って債券の損失を隠蔽することができなくなります。

2025年3月期の銀行の業績は「外国債券の大規模な売却の結果大幅に悪化し、帳簿上の損失が実際の損失に変わるだろう」とアナリストたちは予想しています。

つまり農林中金の大量売却は日本の金融機関に連鎖反応を引き起こし、それが世界中に波及する可能性があると危惧されています。

 

日経新聞によると、農林中央金庫は財務強化のため 1兆2千億円の資金調達を検討しており、主要出資者の JA などとすでに協議を開始しています。

勿論JAだけで支え切れるわけもなく、売りが売りを読んで更なる損失拡大の可能性もあるときに果たして「救いの神」が現れるでしょうか?

 

因みに、

「農家から預かった資金を溶かす」農林中金、また資産運用失敗で1.5兆円赤字 | ビジネスジャーナル (biz-journal.jp)

農林中金が他の銀行と大きく異なる点は、資産のうち貸出金が占める割合が約2割と低い一方、有価証券が4割を超え高い点だ。企業などへ幅広く融資が可能な銀行と異なり、農林中金の投融資先は農業関連に限定されるためだ。その一方でJAグループ各社を通じて農業関連従事者から集まる預金は約64兆円と、メガバンクの三菱UFJ銀行の約3分の1の規模であり、融資業務で大きく利益をあげられないなか、資産を運用して利益をあげ、預金を預けるJAグループ各社に「奨励金」と呼ばれる上乗せ金利を還元しなければならないという事情を抱えている