グローバル企業に狙われるインド | 狭山与太郎のどですかでん

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真実のあくなき追究。
全てのマインドコントロールから日本の皆さんを目覚めさせ、解放します

最近、グローバリゼーション研究センターのコリン・トッドハンター氏の著書「食べ物、処分、依存。新世界秩序への抵抗」という電子書籍がごく一部の少数の人たちの間で話題になっているようです。

この著作によれば

現在アマゾンやマイクロソフト、フェイスブック、グーグルなどの所謂巨大ハイテク企業が従来のシンジェンタ、バイエル、カーギルなどの伝統的なアグリビジネス企業に取って代わって食料関連分野事業に進出しようとしているとのことです。

ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団は世界中で広大な農地を買収したり、アフリカでは「緑の革命」を促進したり(失敗した)、生合成食品や遺伝子工学技術促進に投資しています。

(ワクチンの次は食糧ってことですか?いやはや)

世界中を騒がせた新型コロナウイルスによるパンデミックは、資本主義の危機と食糧や農業を含む世界経済の多くの再構築を管理するための隠れ蓑として利用されていると著者は主張しています。

この著書では触れていませんが、ウクライナ戦争もその一環ではないかと私は推察します。

ウクライナの農地が欧米の巨大資本によって買い占められている実態は先日報告したばかりです。(この著書でも指摘されています)

この電子書籍はインターネットで公開されており世界中の誰でも無料で読むことができます。

著者は永年インドに在住していたこともあり主にインドでの実態が詳細に報告されています。

目次

チャプターI.

有毒な農業–ゲイツ財団から緑の革命まで

チャプターII.

遺伝子工学–価値獲得と市場依存

第3章

農業生態学–ローカリゼーションと食料主権

第四章

歪曲的発展 – 企業捕捉と帝国主義の意図

第五章

インドにおける農民の闘争–農業法と新自由主義の死の鐘

第六章

植民地時代の産業空洞化–捕食と不平等

第七章

新自由主義プレイブック–経済テロと農民の頭を壊す

第八章

ニューノーマル–資本主義の危機とディストピアリセット

第九章

ポストCOVIDディストピア–神の手と新世界秩序

 

 

かなりの長文です。

電子書籍は印刷物と違って私にとって読むのは非常につらいものがあります。

まずは世界最大の慈善団体であるビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団がカネにものを言わせて世界中でいかにアコギなことをしているかを具体的に説明しています。

例えばアフリカではゲイツ財団は、アフリカの飢餓と栄養失調は主に技術と市場の欠如の結果であるという前提に基づき、アフリカ政府の農業政策の策定に直接介入し、アフリカ農業市場を米国のアグリビジネスに開放してきました。

その結果は遺伝子組み換え作物とグリホサードなどの除草剤の普及と大豆などの単作商品作物への大規模農業への転換でした。

今まで種子を自前で調達していた小規模農家は弱体化し工業化商品化された大規模農業が促進され自給率は却って下がりました。。

今まで自給自足生活をしていた人たちは農地を収奪され市場経済に飲み込まれ、皮肉なことにゲイツ財団が目指す貧困と食糧危機の根絶は全く真逆な方向に進み却って貧困と飢餓が促進される結果となってしまいました。

 

インドでは「緑の革命」によって推進された作付けシステムのために食用作物の多様性が減少し、微量栄養素が低下しました。

ミネラル肥料の不均衡な使用と有機肥料の使用の減少は、作付け強度が高い地域での栄養不足の主な原因となっています。

微量栄養素の欠乏による栄養失調は、多くの発展途上国で慢性疾患(癌、心臓病、脳卒中、糖尿病、骨粗鬆症)の発生率の増加を引き起こしています。

インドでも遺伝子組み換え作物の種子や農薬を得るために多くの農民がローンを組みその多くが経済的に破綻し貧困化しました。

世界銀行の融資報告書によると、2015年までにまとめられたデータでは、インドは世界銀行の歴史の中で最大の融資の受領者でした。

1990年代のインドの外国為替危機を背景に、IMFと世界銀行はインドの何億人もの人たちを農業からシフトすることを要求しました。

当時、最大120億ドル以上の融資の見返りに、インドは国営種子供給システムを解体し、補助金を削減し、公的農業機関を縮小し、外貨を稼ぐための換金作物の栽培にインセンティブを提供するように指示されました。

進行中の農業を実行不可能にするための継続的な戦略プログラムの結果インドでは多くの農民が経済的困窮を経験し、借金、換金作物への移行、経済自由化の結果として農業を離れています。

 

インドの農業食品部門は、何十年にもわたってグローバル企業の注目を集めてきました。

米国およびその他の地域のアグリビジネスにとってインドは、ビジネスの実行可能性と非常に重要な利益成長が見込まれています

また、シリコンバレーのハイテク企業とチームを組むことで、数十億ドル規模のデータ管理市場が創出されています。

豊富なデータや知識から土地、天候、種子に至るまで、欧米巨大資本は最終的に生命と自然のあらゆる側面を商品化することを目論んでいます。

 

以上、かなり端折って要点だけを抜き書きしてみました。

先日チャールズ皇太子の戴冠式当日にインドでは戴冠式を祝福する一方イギリスの植民地時代の圧政と略奪の歴史を放送したことが話題になりました。

戴冠式で使用された数々の宝飾品の多くもインドから略奪したものでインドに返却されたものは未だに一つもありません。

インドからの略奪品だった!?英王室の豪華な宝石コレクションに関する新事実 (cosmopolitan.com)

イギリスが植民地時代にインドから略奪した富は現在の価値で約40兆ドル(5.500兆円!)と言われています。

英国は謂わば世界中の植民地から収奪した資産で食いつないでいるような国だってことでしょう。

アメリカは形は変えてもそっくりそのまま受け継いで同じようなことをしています。

そうして現在インドはグローバル企業による第二次植民地時代を迎えようとしています。

日本は30年間ほとんど経済成長もせず国民は貧しくなる一方です。

他国に比べて国民が怠惰な生活をしていたわけでも遊んでいたわけでもないのに。

せっせと働いたことによって得られた対価は一体どこに消えてしまったのでしょうか?