NHK BS1スペシャル「日本人捕虜の尋問録音」 を見る | 狭山与太郎のどですかでん

狭山与太郎のどですかでん

真実のあくなき追究。
全てのマインドコントロールから日本の皆さんを目覚めさせ、解放します


1月23日(土)午後7時00分~午後8時50分に放送されたBS1スペシャル 「密室の戦争~日本人捕虜の尋問録音~」はなかなか見ごたえのあるドキュメンタリー番組でした。
太平洋戦争での日本軍は「生きて虜囚の辱めを受けず、死して罪禍の汚名を残すこと勿れ」と、戦陣訓に書かれているように 敵の捕虜になることを厳しく禁止されていました。
捕虜になるのなら自決せよと徹底的に教え込まれましたが、いざ捕虜になった場合どうするかについては全く教育されていませんでした。
そのために連合軍に捕虜になった日本兵の中には何のためらいもなく軍の情報を漏らし、むしろ積極的に連合軍の諜報活動に協力した者もいました。
このドキュメンタリーでは戦後を見据えて捕虜となった兵を戦争犯罪という視点で尋問した様子の音声記録や、ニューギニアで捕虜となった後、連合軍の諜報員となり日本兵への降伏を促すビラの作成などに協力した一人の将校の話を軸に、如何に彼らが葛藤に悩みながらも連合軍に協力するまでに至ったかの経過を当時の尋問した音声記録を元に辿るというものです。

彼らはいずれも戦後日本に帰還し、天寿を全うしたわけですが、心の奥には常に日本の仲間を裏切ったという自責の念を持ち続けていたことは想像に難くありません。
その一方で彼らが作ったビラによって多くの日本兵が無益な死を選ばず降伏するようになったことで彼らの命を救ったのだという思いもあることでしょう。
多くの帰還兵と同様に彼らも戦後決して自らの体験を家族に語ることもなく人生の幕を閉じています。
番組ではオーストラリアにある捕虜尋問所での記録が紹介されていましたが、その他にもアメリカ国内にも同じような捕虜尋問所がありました。
カリフォルニア州バイロン・ホット・スプリングスにも日本兵秘密捕虜尋問所が造られ1943年から45年までの間2342人の日本人捕虜を尋問しています。
戦場で捕虜となりアメリカへ送られた兵士およそ5000人のうち特に選ばれた者だけがここに送られました。
その他にもワシントンD.Cにも同じような施設があり、そこには硫黄島で栗林中将の暗号兵だった「サカイタイゾウ」も捕虜として収監されていました。
彼を追った静岡テレビ制作のドキュメンタリー番組は第29回「地方の時代」映像祭2009・グランプリを受賞しています。
http://minpou-club.org/pdf/0099.pdf#search='%E3%82%B5%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%82%BE%E3%82%A6'
このドキュメンタリー番組の元となった本写真の裏の真実―硫黄島の暗号兵サカイタイゾーの選択 」   という本は読んだことがありますが  残念ながら このドキュメンタリー番組は見ていません。
サカイタイゾーは勝ち目のない戦争を早く終わらせようと自ら投降し 栗林のいる洞窟の位置を教えるなど、機密情報を米軍に伝えアメリカ軍に協力したのです。

いずれにしても、アメリカの日本兵や日本軍に対する情報収集及び分析、調査研究は徹底しており、戦争中から既に占領後の統治のあり方まで見越して日本人の心理分析、文化、風習、天皇観まで徹底的に調査していたわけです。
この記録音声を聞くと尋問官の非常に言葉巧みな会話に感心してしまいます。
どうすれば捕虜たちの協力が得られるかを徹底的に研究した結果なのでしょうが、捕虜たちを誘導する手法は教育やビジネスの現場でもすぐに活用できそうな感じがします。
因みに、日本に帰化した文学者ドナルド・キーンも戦時中は捕虜尋問の際の通訳をしていました。
翻ってわが日本はどうだったのでしょうか?
国民にも軍隊にもむしろ敵国のことは知らせないような有様でしたから、既に情報戦としても圧倒的に負けていたのです。
そもそもアメリカのことを知っていたら戦争しようなんて気も起らなかったはずです。
しかも、「捕虜になるくらいなら死ね!」と言いながら兵隊さんが日記を書くことをむしろ奨励していたというのですから何とも間抜けな話です。
アメリカ軍にとってみればこれらの日記は情報満載の宝の山だったのですから

尋問官が「私たちは爆薬や銃も必要だが最善の武器は真実以外にないと感じています」と言った言葉の重さに心を動かされない捕虜はいなかったのではないでしょうか。
あまりにもインチキ情報に騙されていたということに目が覚めれば太平洋戦争ももっと早く終結していたでしょう。
それを考えただけでもインチキ大本営発表を垂れ流し続けたマスゴミの責任は重いのですが、終戦後もその体質は受け継がれ全く変わっていません。
その戦犯の筆頭がNHKということになりますが、時々こういう真面目な番組も放映するのでなかなか契約解除に踏み切れません。