三毛猫の「ミー」 | ノベルの森/アメブロ

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オリジナル小説、今はSF小説がメインです。今日からは「多次元文章世界」と題して、ノンフィクション(ショート・ショート含む)とエッセイを展開していきますのでどうぞ応援してください。

 

三毛猫の「ミー」


僕が16歳の年、我が家が新築することになり
家族は近隣に空き家となっていた民家に仮転居した。

仮住まいでの暮らしに慣れた頃、一匹の猫が我が仮住まいを通過するようになった。

この猫は裏手に居住されるYさんの飼い猫で三毛猫(レディ)の「ミー」
だった。Yさん宅と我が家は家族ぐるみ親しくさせていただいていた、とても気さくなご一家。
だからなのか?「ミー」は初日から裏手の勝手口を器用に開けて台所に入り、居間に姿を現した。

突然の訪問に我が家の反応は「え?」「ん?」「あ?」「お?」これは男共の反応。

「あら、ミーちゃん」これは母の反応。

母とYさんの奥さんは特に親しくさせてもらっていて、お互いの家の勝手口で、ある時は買い物の途中で立ち話、等々男子禁制の話で盛り上がる間柄だ。だから「ミー」とも旧知の仲だったわけである。

「ミー」は母の姿を認めると立ち止まり「ニャー」と甘い声で挨拶をした。

あれはおそらく忖度している声である。
きっと母は普段から「ミー」に餌をあげているのではないか?
次の家族会議で公開質問しようと思った。

ところが「ミー」は表玄関に向かって歩き始めて直ぐに立ち止まると今度は僕に目を向けた。


僕は潔白でしたよ!彼女に忖度されるような事案は何もない。
家族全員の目が僕に注がれていた。怪しいと言いたそうに・・・。

 

 

いや、僕にはやましい事など何もない。この時我が家にはすでにアメリカンコッカスパニエルの「リリ」がいて、彼女以外にエサをあげたことなどないのだから。




 

 

 

 

風雲急を告げる展開となって参りましたが、これより先のお話は次回へ持ち越させて頂きます。
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