三毛猫の「ミー」  第2話 | ノベルの森/アメブロ

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三毛猫の「ミー」  第2話




三毛猫の「ミー」はあれから毎日、それはほとんど朝ごはんの最中だったが
仮住まいの我が家の勝手口から入ってきて居間を経由し表玄関から通りへ出
ていくようになった。
家屋を迂回するより近道だとお分かりのようで・・・実に賢い。

「それだけでは無い」

こう申しましたのは父でありました。わたしが「賢い」と申しましたことに付け加えることがあったわけですね。

箸を休めて続きを聞こうと家族全員が父に目を向けました。

「『ミー』はいっぺん立ち止まって、食事中のわしらに向かって『ミャー』と鳴いたな。あれは挨拶だな『おはようございます』だろう・・・だがわしらは誰も返事をしなかった。恥ずかしいな・・・今度からはちゃんと返事をしよう」

そう言って父は食事を再開した。ぼくらもそうしたが、僕は気になったことがあって・・・。

「おはようって言うの?」と父に問いかけた。

「そりゃあそうだろ、お前は人間なんだから『ミャー』と返事をしたらミーが戸惑うかも知れんぞ」

何だか納得した僕は大きく頷いていた。

 

 

しかし、頷いてみたものの人間の言葉が通じるのか通じないのか?

 

 結果的に通じたのかどうかを判断出来るのか?

 

結局のところ自分で判断するしかない事だけれど

 

僕は、そういうことを試すのって大好きなんだ。



その日僕が学校から帰ってしばらくすると、表玄関で「ミャー」と声がした。
急いでドアを開けると、思ったとおりミーがいた。

 

「ミャー」と言ったので僕はワクワクしながら「おかえり」と言った。
 

ミーは何だか嬉しそうにもう一度「ミャー」と言って裏の勝手口から帰って行った。

 

 

その日の夕食時、父にミーとのやり取りを話すと

「そうかやっぱりミーは賢いんだな。人間の言う事が分かるんだよ」

父の判断が僕と同じで、嬉しかったこと憶えてる。

 

そして

 

ミーのお陰で楽しい一日だったこと、忘れない。








 

 

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