さっとんの読書感想文 -10ページ目

さっとんの読書感想文

タイトル通り、ワタクシ・さっとんの読書感想文。

『書評』よりも『読書感想文』。

そんな言葉の方がしっくりくる感じなのです。

時々映画の感想なども★

グラスホッパー (角川文庫)/伊坂 幸太郎
¥620
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(閉鎖ブログ 2008.9.29投稿記事より)




掴みはオーケー。

ハラハラしながらラストが気になり中盤からはイッキに読んだ。


伏線も満載で中々読みごたえがありましたが、

少々後味の奇妙な(悪い)終わり方。


だけど始めから設定自体が絶望的なので、

落ち着くところに落ち着いたと受け止めることもできる。


作中の言葉を借りれば

「神様のレシピで決まってる」

といったところでしょうか。

エミリー (集英社文庫)/嶽本 野ばら
¥440
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(閉鎖ブログ 2007.12.7投稿記事より)




『レディメイド』

美術論が愛の話と絡み合う様子は、この著者ならでは、と思わせられる超短編。





『コルセット』

ヒロインの女は私個人的には好きじゃないです、イヤな女、ですw

なのになんで男ドモはこんな女に惹かれちゃうのかね、ってな典型www

物語としても、実にありきたり。

・・・が、オリジナリティはやはりこの著者の強みですね。

セックスシーンがちょっとヨカッタ。





『エミリー』

表題作なだけあって、この三作の中で一番好き、です。

「好き」 と表すより 「後に残る」 と言ったほうが正確かもしれない。

印象としては紹介にもあるとおり 『純愛』 物語ですね。

私にもあった思春期のスッパにがーい感覚がそこにはありました。

エロスなシーンはじゅんとしました。

結合は結合で、いいものだけど、ペッチングってエロスよね。

ある意味、結合よりエロスだと思うのです。



ところどころ、本当は笑うべきじゃないのかもしれないけど、

「否、本当は作者も狙ってるだろう? コレはギャグでしょう?」

・・・というくらいに吹きだして笑ったシーンがありました。

ところが、笑いながらも、リアルな薄暗さに背中はヒヤリ。

ヒヤリの意味は、きっと、自分のトラウマ。

子供の頃、自分の意志とは無関係なところからやってくる『性』は

時に暴力的。







この作品中で『純愛』や『性』と同じくらいに大きく扱われていたテーマは『いじめ』。

読みながら、自身の学校時代のことを思い出してました。



多分、多くの人がそうなのではないかと思うのですが、

私自身も、どちらも経験があります。

いじめた記憶、いじめられた記憶。



さて、その二つのうち、大人になって改めて考えてみて後味が悪いのは、

いじめられた記憶よりも、いじめた記憶なんですよね。



『いじめられた方は覚えてるけど、いじめた方はとっくに忘れてる』

一般的によく言われることですが、

そりゃあ傷つけられるのは、辛い。 辛いからよく覚えてる。

でも、本当はいじめたことがあるという事実も辛い。

辛すぎて忘れちゃうのかもしれない。



ま、場合によると思いますが。



私とて聖人君子じゃありませんから

生理的に嫌悪感を覚える人とか、

なんらかのイジメスイッチを愛撫してくるような人に出逢ったりなんかすると、

いいとか悪いとかいう理性関係なしに、

ことごとく追い詰めてギャフンと言わせてやりたいという欲望が芽生えたりもする。

気に喰わないヤツは徹底的に貶めてやりたいと思ったりもします。

(こういう話をするとだからSなんだとかクダラナイコト言われるけど)



それじゃあいかんので普段は抑えてますけどね。

虐めるほう、虐められるほう、それぞれに理由ありき。そんな風にも思う。



・・・って、そんなことが言いたいのではなく。

私自身を振り返ると、我が弱さの為に、

自分の本意とは関係なしに皆と一緒になっていじめた記憶、

あれほど最低で苦い記憶は無い。

本当は忘れてしまいたいけれど、

だけど、忘れてしまったらもっと卑怯な気がして、

それでいまだに覚えてるのかもしれない。



もしも、昔いじめた人が私の前に現れたとても、

直接侘びを入れるようなことはしないだろうけど。

胸の中で覚えていること、それがせめてもの私の謝罪。


自己満足かもしれないけれど。



・・・・・小説の話に戻ると、

この作品は勿論、いじめが悪いとかどうとか、そんなことを語っているのではない。

いじめとの付き合い方。

そう、いじめなんてなくなりませんよ。

人間の欲望あるかぎり。

だから大切なのは、自分の中でどう折り合いをつけて付き合っていくか。

そうはいってもやっぱり昨今のイジメはちょっとやりすぎだとは思いますけどね。

特にネット絡むとね。

高校生くらいまでネットはやったらいかんですよ。

小学生にパソコンとか教えるべきじゃないですよ。

そのようなことをどっかの先生が新聞で言ってましたけど、

その通りだと思いますですよ。




作品とは全然関係ないところに話が移動してしまいましたが、

赤面の告白をすると

私とてロリヰタな時代がありましたので、野ばら先生にも興味があるですよ。

(先日、あるお方にそのことを話すと
 意外だ、ボンテジルックしてたといわれる方がまだ信じられる
 ・・・と言われてしまいましたがwww

 我ながらまるで天使のようなつもりだったのよww)





もうすぐ新刊が出るそうです。

買おうか図書館待ちしようか悩み中。



・・・ま、半分ニィトなので図書館待ちかしらねw

贅肉 (中公文庫)/小池 真理子
¥660
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(閉鎖ブログ 2007.9.6投稿記事より)



コワィ!叫び



とにかく怖いです。

どの設定もが、実に日常的。

そして誰もが持ちうる感情(悪意)がテーマとなっているので、

どの作品も身近に感じさせられ、そして、ギクリとさせられる。

だからこそ、コワィ!!!

ホラーとは違う、別の怖さ。



表題作 『贅肉』 とラストの 『どうにかなる』 は、

特に私にはありそうな話なので身に迫る切実な恐怖がありました。

ヒィー。







決して読後感の清々しい話ではないので、

疲れているときや病んでいるときには読まない方がいいようです。



(あまりにもの構成の旨さに内容とは別の意味でスカッとするかもしれんけどw)

堕落論 (角川文庫)/坂口 安吾
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(閉鎖ブログ 2007.8.30投稿分)



昔の作品ですので、言葉遣い等に多少の古さ・難しさを感じるのは否めませんが、

それを押し切っても尚、読んでいて感じる切実さは、

昨今・近年をにぎわせているようなエッセイなどからは感じられない超一級のもので、

内容紹介には 『ひややかに』 などとありますが、

ひややか、どころか!!

著者の少年ぽいロマンチストな優しさに、ところどころ涙が誘われました。



引用したい箇所は多々あるのですが、

締めくくりとして素晴らしいと思われた作中終盤の名文は、コチラ ↓




(「不良少年とキリスト」=安吾流太宰治論 より)


『 しかし、生きていると、疲れるね。

 かく言う私も、時に、無に帰そうと思う時が、あるですよ。

 戦いぬく、言うはやすく、疲れるね。

 しかし、度胸は、きめている。

 是が非でも、生きる時間を、生きぬくよ。

 そして、戦うよ。

 決して、負けぬ。

 負けぬとは、戦う、ということです。

 それ以外に、勝負など、ありゃせぬ。

 戦っていれば、負けないのです。決して、勝てないのです。

 ニンゲンは、決して、勝ちません、ただ、負けないのだ。


 勝とうなんて、思っちゃ、いけない。

 勝てるはずが、ないじゃないか。

 誰に、何者に、勝つつもりなんだ。 』










正直、『坂口安吾』という作家に対しては、いままで興味半分だったのですが、

これを機に、

これまで触れたことのなかった彼の作品などもイッキに読んでみたくなりました♪

アサッテの人/諏訪 哲史
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(閉鎖ブログ 2007.8.21投稿記事)



第137回芥川賞受賞作品。



今回の候補作の中では、

この 『アサッテの人』 『オブ・ザ・ベースボール』 だけ読んでました。



・・・ですが、『オブ・ザ~』は面白くなくて途中で投げ出したので、

実質、候補作の中で読んだのは『アサッテの人』だけということになりますね。



同じ群像新人賞を取った 『ダダダな町、グググな俺』

私的はとても面白く読めたのですが、
(つまり今年の群像はかなりの豊作だったんですねぇ)

『アサッテ~』の方が天才肌だから芥川取るならコッチかな、とも思ってました。

(“大賞”もコッチだし)





実際に芥川候補に上がったときには、

他の候補作なんか読んでもないくせに

「この作品が芥川取らなかったら近代日本文学は嘘だろう!」

と、思ってました。






だからですかねぇ。

全くの他人事ながら、実際に新聞を読んだ時にはホッとしました。






そして。

『文芸春秋9月号』に芥川賞の選評が載っていたので立ち読みサーチ






石原都知事や村上龍氏などは、案の定否定しておられましたが、

嬉しかったのは山田詠美氏の評!!


「選考委員になって以来、初めて候補作を読んで吹き出した。それも何度も。

 愉快で馬鹿馬鹿しく、やがて哀しいゲームに身を投じた気持ち。」



私が喜ぶようなことでもないかもしれませんが、

好きな作家さんが、

自分と全く同じ感想を持っているっていうのは、なんかうれしいですよね。





ココでは省略しますが、

『オブ・ザ・ベースボール』に対する山田氏のコメントなんか、

更に素晴らしい言い回しでした。

「まさに!! その通り!!」 の一言(二言)に尽いてました。






正直、好き嫌いは分かれるだろうとは思いますが、

読んでみたい方は読んでみたり、立ち読みでもしてみて下さいませ♪





ぃゃー、ワタシとしては、近年稀にみるナットクの芥川賞受賞でした!!!!!