税理士試験1年目編【3】 〜初めての理論暗記〜 | 40代の税理士試験 挑戦の記録

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2019年に税理士事務所に転職し、税理士資格取得に挑戦。

地獄のような試験勉強の日々の記録を残します。

税理士試験に限らずですが、理論暗記が得意な人はいるのでしょうか?

私も超苦手です。

簿記1級も若干の理論暗記が必要ですが、その対策はほとんどやりませんでした。

 

そのため、理論暗記ががっつり必要となる税理士試験は

暗記する力が一つのヤマになるだろうな、と予測していました。

でも、受験者の上位10〜20%は合格しています。

一度見た理論は二度と忘れないという特殊能力を持った人が10%以上もいるはずないので、

普通に勉強しておけば何とかなるだろうな、と楽観視していました。

 

しかし、そんな思いは実際に理論の学習を始めて打ち砕かれます。

 

え、普通に全然覚えられないんですけど。。。

 

財務諸表論では、企業会計原則などが暗記項目ですが、

用語に馴染みがないためテキストに書いてあることがちんぷんかんぷんです。

そのため、一つの文章を覚えようとしても、何を言っているのか分からないため、

暗号をひたすら覚えている感じ。

円周率をひたすら覚える感覚と同じです。

 

例えば一般原則の一つに「資本・利益区別の原則」があります。

資本取引と損益取引を区分理由は

「株主資本の変動は維持すべき資本そのものの増減と、維持すべき資本を運用した結果生ずる利益があり、これらを明確に区分することにより正しい期間損益を算定するため」

です。

こういった内容を延々と覚えます。

 

授業ではこういった理論の解説をしてくれますが、

そもそもの文章の意味が分からないため、解説すら理解できません。

授業後にひたすら暗記をしても、一回寝るとすべて忘れてしまいます

 

理論暗記が本格化し初めた2月ごろから早速焦りを感じてきました。

大原の財務諸表論では、授業の冒頭に理論の小テストを行いますが、

一生懸命覚えても、全然解答できません。

 

なんとかしなくては、と感じつつも

財務諸表論の授業は週2回。

覚えるべき理論はどんどん増えていき、溺れていくような感覚におちいりました。

 

 

そんな中、ちょっとした出来事がきっかけになり

私の理論暗記のスタイルが固まります。

 

当時、我が家では第二子である長男が1歳になろうとしていました。

かなり手がかかる時期です。

子育ては妻に任せっぱなしで、私は土日、理論暗記ばっかりしていました。

申し訳ない気持ちでした。

 

ある日、妻が疲れていたため、1日だけ長男の面倒を見てくれないかと言われました。

正直、そんな余裕はありません。

そのため私は、抱っこ紐で長男をおんぶして散歩に出かけ

理論テキストを片手に歩きながら理論をぶつぶつ唱えていました。

 

長男はおんぶが心地よかったのか一瞬で寝ました。

そして歩きながら理論を覚えると、意外と頭にすんなり入ってきます。

重りを抱えて歩いているようなものなので健康にもいい。

妻も喜ぶ。

 

一石四鳥です。

 

それからというもの、休みの日は長男をおぶって理論を覚えることにしました。

3〜4時間も自宅の周辺を、理論テキストを読みながらうろうろしていました。

 

後に聞いたのですが、ご近所さんからは二宮金次郎と呼ばれていたそうです。

 

 

ただし、これは単純な暗記の方法を確立しただけです。

脳に定着させるには、本質的な理解をする必要があると感じていました。

 

試行錯誤は続きます。