簿記1級編【6】 〜がけっぷち〜 | 40代の税理士試験 挑戦の記録

40代の税理士試験 挑戦の記録

2019年に税理士事務所に転職し、税理士資格取得に挑戦。

地獄のような試験勉強の日々の記録を残します。

税理士事務所に転職したのは2019年4月。

前回投稿したように、そこからモーレツに簿記の知識を身につけていきました。

 

簿記1級の試験は年に2回(6月と11月)に行われますが、

6月の本試験に臨むことは流石に無理があります。

そこで、第一の目標に掲げたのが7月の全経上級。

これに合格すれば税理士試験の受験資格を得ることができるため、

簿記1級に合格する必要はありません。

手応えのある学習を始めてまだ3か月程度でしたが、かなり自信をつけていました。

 

で、結果は不合格

点数は400点中250点ほどでした。合格は280点です。

ただ、明らかに手応えを感じていました。

問題文の意味がしっかり理解できていたからです。力不足で解けなかっただけです。

これまでは問題文の意味が分からず、正答できたかどうかも分かりませんでした。

大躍進です。

この勉強法でいけると信じて、11月の1級本試験に突き進んでいきます。

 

ここから特に注力したのが、基本問題の徹底です。

簿記1級はみんなが解ける問題を全部解けたら合格するといわれています。

基本問題でミスをしなければ合格にぐっと近づきます。

応用問題には目をくれず、基本的な問題を何周も完璧に解答できるまで繰り返しました。

 

過去問を解き始めたのは11月の本試験の3週間前。

本当は過去問対策として1ヶ月は用意しておきたかったため少し焦りましたが、

過去問を解いてみて驚きました。

過去に簿記1級を受けたことがあったため、完全に初見の問題ではありませんが、

コンスタンスに80〜90点を叩き出すことができるようになっていました。

 

合格できるだけの力を身につけたと実感すればするほど

本試験が怖くなりました。

1週間前から緊張で夜はよく眠れませんでした。

前日は38度の熱がでました。

これで合格できなかったら、本当に一生合格できないだろうなという覚悟もありました。

 

本試験当日。

会場には長テーブルが8つ。つまり1級受験生はたった8人です。

他の受験生は特級術師並みに屈強そうです。

私はガッチガチになっていました。

メンタル対策として、口角を上げると緊張がほぐれるという情報を仕入れていたため、

両手で顔を隠しながらひたすらニヤニヤしていました。

 

試験開始。

まずは前半戦の商業簿記と会計学。

セオリー通り会計学から手をつけます。

用語系は一切勉強していないため、5割ほど解けませんでした。

続いて第二問。連結2年目の問題です。

連結はもはや得意科目となっていましたが、処理量が多い、、、

しかも苦手な包括利益まで出題されとる。

もう割り切って、難しい問題は考えることをやめました。部分点狙いです。

ここで時間を使いすぎるわけにはいきません。

後ろ髪を引かれながら商業簿記へ。

お決まりの総合問題で特段の難問はありませんでした。

 

前半90分終了。

すでに満身創痍でした。商業簿記はまあまあ。

会計学はもしかして足切り(25点中10点未満の科目があると強制不合格)かも。

でも悩んでもしょうがありません。

再び席について、両手で顔を隠しながらひたすらニヤニヤしていました。

 

後半戦(工業簿記、原価計算)開始。

工業簿記から手をつけましたが、見たことがない用語が出てきます。

???と思いながら計算すると、簡単すぎる。

こんなにすんなり解けるはずがない。なんかひっかけ要素があるのでは?

何度も問題用紙を読み直しますが、分からずじまい。

とりあえず原価計算を先にやっつけようとページをめくります。

第一問は予算実績差異分析。第二問は設備投資意思決定です。

好物です。

緊張していたことはすっかり忘れ、夢中で計算していました。

・・・全部解き終わりました。

まだ30分以上時間がある。こんなに時間が余るはずがない。焦ります。

やっぱり工業簿記に隠し要素があるに違いない。

メタルキングを探すか如く、何度も何度も問題文を読み直します。

自分の回答に自信が持てずもやもやが残ったままです。

顔を隠すことも忘れて、ニヤニヤしたり瞑想したりしましたが結局隠し要素を見つけることができないままタイムアップ。

オワタと思いました。

 

 

とりあえず帰宅してビールを飲みました。

まだ昼間でしたが、妻は何も言いませんでした。

顔が真っ青だったらしいです。

当日の夕方あたりからツイッターで各スクールの解答速報が流れ出したように記憶しています。(当日ではなかったかもしれません)

酔っ払いながら、さらっと速報を見てみると工業簿記がほとんど合っています

一気に酔いが覚めました。

商業簿記、会計学も併せて自己採点をしてみます。

当時のメモによると

大原:71点

TAC:72点

ネットスクール:75点

でした。しかも原価計算は満点。

妻に合格したかも!!と叫びました。

 

合格発表があったのは翌年1月です。

商業簿記 19点

会計学 11点

工業簿記 22点

原価計算 25点

合計 77点

で合格でした。かなり嬉しかったです。40歳手前なのにピョンピョン跳ねました。

でも涙は出ませんでした。

長い試験生活の涙を流したのは一度だけ。もう少し後の話です。

 

 

ともあれ、ようやく税理士試験に挑戦することができるチケットを手に入れたのでした。